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Photo bypartonpantor

「匷者の仮面」が取れる時

     「助けお」ず蚀っおも助けおもらえない、助けを求めおいるのに『匷い人』だず勘違いされお攟っおおかれる。私ず同じように䞀人で悩んでいるあなた。この゚ッセむは特にそんな人に向けお──。

     高校生の時にこんな文章を曞き残したした。それはスマヌトフォンのメモ機胜に残した圓時の心の叫びでした。

      ✳✳✳

    「匷者の仮面」

     少幎は匷者の仮面を被った。
    その仮面を被るこずによっお、自分の匱さを隠すこずができるから  。『自分は匷いから』ず『事実』を受け止めお肯定するこずができるから  。

     少幎は思っおいた。
     人の知らないうちに傷぀いおいおも、わがたただず思えお蚀えない。本圓は玠盎になりたいのに、なぜだか心から人を信甚できない。
     あなたは匷いから  そう思われおいるのか、それずも愛情がないのか、自分ではわからないが  それを知りたくもないが、
    匱さをさらけ出しおも、自分ず他の人ぞの察応の違いを芋せ぀けられる。
     幌い頃からずっずそうだが、実は、い぀も同じように傷぀いおいた。人にその思いを打ち明けおみおも、逆に非難を济びせられた。
     どうやら自分は知らないうちに匷がっおしたっお、本圓の匱さを隠しおいるらしい。
    匷く生きおいかなければならないようだ  。

     少幎は決意するしかないのだった。本圓は泣き虫で、匱虫で、ちょっずのこずで傷぀く自分を、仮面をかぶっお守るために。
    助けられない事実を肯定できるように。
    『なにを考えおるのかわからない。』そう蚀われるほうがずっずたしだ。
     しかし、匷者の仮面は代償を払うのだ。自分の玠盎さず、他人ぞの信頌感を  。


     ある時、少幎は仮面をはずそうずした。他人に自分が隠しおきたこずを芋せようず決意したのだ。
     正盎その者に完党に心を蚱したわけではない。少幎にもはっきりずわからないが、誰かに芋おほしいずどこかで叫んでいた。
     少幎はずっずかぶっおいた匷者の仮面をはずした。かぶっお以来、自分でも初めおみる、
    本圓の自分。
     取り払っおみお、少幎は初めお気が぀いた。

     深く切れお赀い血が流れおいた。
     傷は䞀぀だけではない。
     頬、額、瞌、
     ありずあらゆる箇所に
     ひどいあざや傷があったのだった。

      ✳✳✳

     高校生の時に曞いた拙い文章をお読みいただきありがずうございたす。拙くおお目汚しになったかもしれたせんが、私は圓時の思いを綎ったこの文章をそのたた茉せたかったのです。
     ここに出おくるのは「少幎」ですが、曞いた圓時の私は「少女」でした。わざず少幎に倉えたのは、女性にするずあたりにも自分のこずを曞いおいるようで、自分の出来事ずなるべく遠ざけおおきたかったからです。

     こんな文章を曞くくらい、私は昔から人から勘違いされお助けおもらえない人でした。
     高校生の時、郚掻のメンバヌの䞭で仲違いがありたした。理由はいろいろあるしお互いに悪かったはずなのに私の蚀葉は䜕を蚀っおも聞いおもらえず、悪者のように扱われたものです。そのストレスで䜓調䞍良になっおも本人からも芪からも信じおもらえず「仮病」ずしお認識され、無芖されいじめられ、孊校に行きたくないのに将来の受隓のこずを考えおやめられない  ずいう地獄のような日々を送っおいたした。その䞭での思いを綎ったのが、さっきの文章です。この文章を曞いたずき、孀独、勘違い、苊痛、絶望の塊を攟った感芚だったのを芚えおいたす。そしお長らく封印しおいたした。

     同じようなこずは小さい頃からありたした。思い返せば小孊校䜎孊幎の時。䜓育の時間でどちらも前方䞍泚意で衝突しお転んだのに、助けられたのは盞手だけでした。私は助けられないずいう事実、むしろぶ぀かっお来た悪者だろずでも蚀いたげな軜蔑したような目を向けおくる事実から、䞀人逃げ出したした。擊りむいた膝を掗うこずさえせずその堎を離れたした。  思い返したくない苊しい思い出です。

     このようになぜか私はい぀も助けられない存圚だったのです。助けられるずしおも優先順䜍がかなり䜎くなり、困っおいる他の人が先に助けられる珟実をずおも倚く芋おきたした  なんで助けられないんだろうず、分からなくお、ずっずそれに悩んだ玄幎間でした。この前もありたしたよ。私も他の人ず同じように悩んでいるのに、他の人は助けられるのに私は助けられない。助けおくれるかず思いきや、䜕も蚀わずに暪を通り過ぎおいく。その時の絶望感ず孀独感は蚈り知れないものです。い぀になっおも慣れたせん。

     なぜ助けおくれないのか考えた結果あるこずが芋えおきたした。私は昔から「しっかり者だ」「真面目だ」「なんでもちゃんずしおる」「匷い人」「自立しおいる人」などず芋られるようです。確かにそんな䞀面があるのは自認しおいるし、助けられないこずに぀いおは、悩みがない時はいいんです。でもいざ助けお欲しいずきに助けの手が来ない。ある意味間違っおしたっおいる印象はずんでもない足枷になる。あずから聞くず、「助けおほしくない人」「助けるず逆に厄介」「助けなくおいい人」ずたで勝手に認識されおしたっおいたらしいのです。ずんだ誀解ですよ。

     助けられるこずが嫌な人なんおいないず思いたす。だから助けた方がいいのかず躊躇しなくおいいず思いたす。それなのに、勘違いをされおしたうのです。そばにいお欲しいのにそばにいおくれない、話を聞いお欲しいのに話を聞いおくれない、共感しお欲しいのに共感しおくれない。ただ泣いおいるずころを宥めお欲しいのにそんなこずは無芖される。悩みを蚀っおもろくに取り扱っおくれないし無芖される。  倚くの人が孀独な人に察しお口にする蚀葉がありたす  「あなたは䞀人じゃないよ」「私がそばにいるよ」ずいう蚀葉。その蚀葉、私嫌いなんです。残念ながら私にずっおその蚀葉は、経隓䞊い぀しかからい぀か裏切られる真っ赀な嘘にしか聞こえなくなりたした。なんの慰めにもならないのです。その蚀葉にはテレビで聞いおも歌の歌詞にあっおも、拒吊反応が出るようになっおしたいたした。その蚀葉に䜕床も裏切られたから──埌遺症ずいうものはずっず残り続けるのです。

     したいに私は苊しみも匱さも隠し「自分を匷く芋せるための仮面を被っおいるから助けおもらえなくおも仕方ない」ず諊めるようになりたした。でも心のどこかには人の枩かさを求めるようになっおいお、時には珟実ず霟霬が生たれお心がさらに折れそうになる。助けを求めおいるのに誰も手を差し出さない、ずいう繰り返しは、絶望以倖䜕ものでもありたせん。それがどれだけ苊しいか。苊しいのに倧䞈倫そうな也いた顔を䜜るのがどれだけ倧倉か。匷いのではなく、仮面を被っお匷いように振る舞っおいないず匱い自分が厩れ萜ちおしたうから䜜っおいるのです。仮面の埌ろに傷があるこずに気が付く人は私の仮面の被り方が完璧すぎるのか、誰もわかりたせん。本圓は、仮面なんお私だっお被りたくないです。気が付く人はいなかった。そんな人の繊现で耇雑な心を読み解く人はそう倚くない。ほずんどいたせん。人に求めるこずはもうやめたした。
     

     しかし、そんな「仮面」をずっず被っおいた私ですが、最近ようやく倖し方を芚えおきたこずがあるのです。それは䞀䜓䜕かずいうこずをいう前に、䌝えおおきたいこずがありたす。私は決しお綺麗事を蚀いたくありたせん。愛ずか友情ずか、仲間ずか絆ずか、そんなものではないのです。  ごめんなさい、『そんなもの』ずか蚀っお。

     私を救ったのはただ䞀人。
     自分自身です。
     これは私の肌感芚になりたすが、自分を救うのは自分だけでした。
     「自分を守れるのも自分だけ」「自分は倧切にされおいい人間だ」「傷぀けられおいい人間じゃない」
     倚くの人に傷぀けられおきた私が蟿り぀いた珟時点での答えです。

     そう信じた時、脳の现胞が党お切り替わるように倉わりたした。芋える䞖界も、芋るべき䞖界も、逆に芋なくおいいものも、人から蚀われるどの蚀葉を信じた方がいいのかも、䜕もかも。臚床心理士に医者に倫にず、私に支揎者がいたのは事実ですが、はっきりいうず、それは他者からの蚀葉にすぎず、自分の䞭にきちんず萜ずし蟌むこずが䜕より重芁でした。きっず蚀われるだけでは䜕も倉わりたせん。自分から湧き出る内なる声を信じるこずでした。自分で気が぀いお自分で心の底から思っお自己暗瀺を䜕床もかけお、脳に蚀い聞かせたした。先ほどの䞉぀の蚀葉を。
     考え方が倉わるず行動も䞀倉したした。自分を倧切にしない人ずは瞁を切る、䌚いたくない人ずは䞀切䌚わない、連絡をブロックする、やむをえず関わらなくおはいけない人ずは関わりを最小限にする。そのほかにも実行したこずはたくさんありたす。䞀芋冷たいように芋えるかもしれたせんが、自分を守ろうずする行動に躊躇いはありたせんでした。自分が壊れる前に動かなくおはいけないず思っおいたしたから。自分を取り戻し本来のあるべき関係性を保぀ために必芁なこずでした。

     するず䞍思議なこずに空っぜだった心の゚ネルギヌが埐々に戻っおきたした。それたで誰ずも䞀切話したくないずさえ思っおいた私その数幎間の間に私に身に起こった様々なこずは、お知りにならない方が身のためだず思いたすが、適床な距離をずった䞊でならずいう条件付きで人ずの亀流を始めたした。するず新たな良い人間関係を築き始めるこずができるようになっおきたしたよ。自分の感芚を取り戻し、自信にも繋がりたした。

     そうするず、䞍思議なこずに、勝手に仮面が取れるようになっおきたした。仮面を取る勇気が湧いおきお取れるようになったのでしょう。少し匱みを芋せられるようになり、人に怯えなくなりたした。倧事だったのは自分に正盎になるこずでした。それは同時に傷぀いおきた顔を芋せるずいうこずでもありたす。他者が私の顔の傷を芋぀けるようになりたした。䞭にはその傷に気が぀いおくれお、「倧倉だったね」ずようやく埅ち望んだ助け舟を出す人が出おくるようになったのです。そしおようやく助けおくれるようになる、本圓は苊しかったんだねず理解しおくれるようになる、ようやく自分は助けられる。䞀床その優しさに觊れるず仮面を倖せる時は埐々に倖すようになり、本来の自分を芋おくれる人が珟れたす。ようやく人ず心から繋がれたような気がしお、息をするのが楜になりたした。これは今たでの私にずっお倧きな倧きな䞀歩でした。

     䞀番倧事なのは、『自分を倧切にするこず』なのかもしれたせん。人に頌りっきりにするのではなく自分を倉えるずいう意識なのかもしれたせん。きっず仮面を被っおいたたたでは、い぀か壊れ、気が付かれるこずもなく傷を負い続けるだけだったでしょう。壊れる前に私は最悪の結末になる䞀歩手前で止たっおよかったず思っおいたす。

     匷者の仮面には、高校生の圓時、こんな続きを曞きたした。こんなふうになっお自分がい぀か救われたらいいなず思っお綎ったものです。

      ✳✳✳

     少幎は、これでいいのか、ず問うた。このたたでは自分が消えおしたいそうだった。仮面をかぶった自分、しかしやはりどこかで傷぀いおいる自分。人の気持ちを考えすぎお、自分で自分を傷぀けおいた事実。い぀のたにか本気で笑うこずを忘れおいた。

      少幎はその事実を話した。
    するず、飛び亀う氷の矢。
    凍た心に穎を開ける芖線。
    こちらの意芋は党く聞く耳を持たず、䞀方の意芋だけ聞いた偏りのある考え。
    ある人が聞いたグルヌプの䞀人の悪口。
    その埌にくる優しい蚀葉。
    よっお人間䞍信になる自分。
    やはり同じ展開。蘇る蚘憶、トラりマ。
     事実に愕然ずし問い正す気力もなくなった自分がいた。

     少幎はグルヌプから抜けた。
    泣いた。考えた。元来合わなかったのだろう。
    盞談した本気で仲のいい友は、
    あい぀らずはやめたほうがいいよ、ず、本人たちの意芋を聞き『もう誰の話も聞きたくない』ず溜息をもらしながら぀ぶやく。
    少幎はそれ以降を聞かなかった。
    楜しかった思い出、思い出されるたわいのない蚘憶。原因䞍明の頭痛。
    しかし、これでよかった。
    こちらから抜けお心が晎れ晎れずしおいた。
      次第に少幎は、確かに匷くなっおいったのだ。自分を守るためにも。
    匷者の仮面はもう必芁なくなった。本圓の匷者になったのだ。
    自分ずいうものを芋぀めるこずができた。自分の䟡倀・存圚だ。
    それに気が぀きかけたずき、確かに少幎は仮面を必芁ずしなかった。
    少幎の目に迷いはなかった。

      ✳✳✳

     少幎のように私は自ら合わない人や堎所からは離れるずいう行動を起こしたした。同時に蟛さや苊しみも䌎うけれど、結果ずしお心が解攟されるこずになりたした。自分の心に正盎になり前に進むこずで、より匷くなる。自分の䟡倀に気が぀くこずができる。気が぀けば仮面などいらなくなる。きっず本物の「匷者」ずなっお、自分の道を匷く進むこずができるのです。

     自分を幞せにするのは誰でもない自分。自分次第。

     もしこれをお読みになっおいる方で、私ず同じような悩みを抱えおいる方がいらっしゃったら䌝えたい。自分が぀けた仮面だずしおも仮面を被るのはずおも苊しいこず。自分を隠すのは自分を知らぬ間に傷぀けるこず。そういう方は心の底では孀独でたたらないこず。

     私が嫌いな蚀葉のように「倧䞈倫」「䞀人じゃない」「い぀もそばにいるよ」「頑匵ろう」ずは蚀いたせん。ただ、もっず自分を倧切にしお欲しい。自分を助けられるのは自分だけです。そう思っお勇気を持おばもっずご自身は楜になれるのではないかず思いたす。

     そんな思いを蟌めお、䞀人でも届けたくお、この蚘事を曞こうず決めたした。
     曞くこずしか、私にできるこずはありたせんから。



     お読みいただき、ありがずうございたした。


     綟沢恵理子

     
     
    物曞き✍noteでは勇気を届ける゚ッセむ、TALESでは物語を曞いおいたす。TALESは2026幎からはじめたした。゚ブリスタに茉せおいる䜜品をこちらでも茉せおいきたす。 闇の䞭を知りながら、光を求める人。 よろしくお願いしたす。

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