
地球の裏側と確かに繋がっていた
サッカーワールドカップの次の対戦国がブラジルに決まった日。
3年前イギリスに留学していた時に一番仲の良かったブラジル人の友人から久しぶりにメッセージが来ました。
簡単なあいさつの後、
『ワールドカップ見てる?』
と聞かれました。
正直なところサッカーについてはそれほど熱中しておらず、大きな大会の時には試合を見る程度。
しかし、次の対戦国くらいはニュースで知っていました。
「次の試合は日本vs.ブラジルだよね!」
と返信すると、
『そうだよ!めっちゃ楽しみ!』
みたいな感じの返事が返ってきました。
ワールドカップきっかけであっても自分のことを思い出して連絡をもらえるなんて嬉しい限りです!
ただ、1点問題が。
当日の試合が日本時間の夜中2時から始まるため、この時点ではリアルタイムで観戦するつもりが無かったことです。
「私も楽しみだけど、日本では試合が真夜中にあるんだよね」
と伝えると、
『それは問題だね。でも、もし試合観るなら応援してる写真とか送ってよ』
との返事が。
文字のみのやり取りのため、どういうテンションでメッセージを送ってくれているのか分からなかったので、
「分かった!少なくとも試合開始時には起きておくようにするね」
と送っておきました。
試合当日の夜中。
いつもなら寝ている時間のはずですが、まだ耐えられる範囲ではあったので、テレビの前でスタンバイしていました。
試合開始の2時ちょうど。
友だちから寝ている息子くん(2歳)と共に撮った写真が送られてきました。
『試合はじまったのに寝ちゃった』とのこと。
日本とブラジルとの時差は12時間のため、あちらは昼の2時。ちょうどお昼寝の時間です。
しかし2時ピッタリに送ってくれたということは友だちも相当気合が入っていることを感じました。
さすがにドすっぴん&パジャマの写真を送り付けるほど自分に自信もなかったため試合を映したテレビ画面の写真と共に「静かに応援中」と送りました。
開始30分ほどで、試合が動きます。
日本の先制ゴール!!
すかさず怒りと涙の絵文字が送られてきました。
私も祝福と日の丸の国旗の絵文字を送り返します。
先に点を取られて焦ったのか、友だちは
『緊張してきた』
『もし日本が勝っても、祝福するからね』
と送ってきました。
いやいや、試合が終わるまで分からないよ!
と送ろうとしましたが、脳の英語への変換作業が眠気の弊害により上手く働いてくれません。
とりあえず
「ブラジルも強いよ」
と簡単な英語で返しておきました。
前半は日本がリードしたまま終了。
ここから後半が始まるまでの間、急激な眠気に襲われます。
思わず、
「めっちゃいい試合だけど、眠くなってきた・・・」
とメッセージしました。
今は日本が勝っているし、もうこのまま寝てしまおうか・・・と頭をよぎった時、友だちから返事が届きます。
事前に私も一人で応援することは伝えていたのですが、
『旦那と息子と一緒に観てたんだけど、旦那も眠っちゃったから私も一人になっちゃった』と。
息子くんは最初から寝ていたようですが、なんと旦那さんも昼寝を始めてしまったようです(あまりサッカーに関心がないのかな?)
何だかすこし寂しそうな雰囲気を感じ取ったので、
「じゃあさ、私がんばって起きておくから一緒に観ようよ!」
と送ると、嬉しそうな表情の絵文字が返ってきました。
よしよし。
“ひとりじゃないよ”というメッセージの意図が伝わったようです。
後半戦のスタート。
私と眠気との戦いも始まりました(笑)
しばらくしてブラジルに同点ゴールを決められてしまいました。
号泣する絵文字を送ると、
『エキサイティングな試合だね!』
と返ってきます。
何度か寝落ちしそうになりましたが、友だちが
『好きな選手っている?』『日本のゴールキーパーいいね』
などのメッセージを送ってくれたため、返事を考えることで何とか起きていることができました。
後半はどちらかというと押され気味な日本チーム。
特に終盤は点が取られそうでハラハラすることが多かったため、眠くなるヒマもなかったというのもあります。
アディショナルタイムに入り、
『息子が起きたよ』と写真と共にメッセージが。
するとしばらくしてブラジルが逆転ゴールを入れるではありませんか!!
息子くんと友だちの喜びに満ちた動画が送られてきました。
その様子を見て、こちらも自然とにっこり。
結果として日本は負けてしまいましたが、悔しい気持ちもありながらとても満ち足りた気分でした。
日本とブラジル。
地球の裏側にある場所と繋がっていることができたから。
たった2時間ではあったけれど、私の人生でも又とない時間を過ごすことができました。
それは私が留学に行った経験があったからこそ生まれた時間でもあります。
あの時間は無駄では無かったのだと、改めて感じました。
試合後、
「おめでとう」
「一緒に観てくれたから最後まで観れたよ、ありがとう」
「おやすみ」
とメッセージを送ってすぐ眠りについたのですが、
起きた後に送られた返事には
『日本も強かった。負けるかと思った』
『すごくいい試合だったけど、一緒に観てくれたからさらに特別な試合だったよ』
『一生忘れない』
と書いてありました。
睡眠のリズムは乱れてしまいましたが、頑張って起きていた価値は十二分にある夜でした。
メッセージのやり取りを開くと、思い出します。
地球の裏側と繋がっている時間が確かにあったことを。
「私も忘れないからね」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。