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雚の日の揺らぎ

    倧孊の時、友達ず「どんな時に"生きおいる"ず感じるか」を話したこずを、ふず思い出した。

    ラむブ䌚堎でアヌティストの挔奏に泣きそうになっおいる誰か、その堎の音楜に身を委ねおダンスをする友達、至近距離で私を芋぀めお抱きしめる人。圌らの衚情や䜇たいや蟛さに、私も心を動かされ、ああ生きおいるなず思うのだず。

    ぀たり、私以倖の誰かの感情が揺れおいるのを芋た時、私は"生きおいる"ず感じる。


    今日は、断続的に雚の降る䞀日だった。
    匱たったり、匷たったり。梅雚らしい日だ。

    窓を開けお網戞にしお、ベッドに暪たわっお、雚音を聞く。私の芖界の䞭には、湯気の䞊がるコヌヒヌがいる。

    䞍芏則で心地の良い、湯気ず雚音のリズムに、しばらく目ず耳を傟ける。

    その合間に遠くから聞こえるのは、飛行機の゚ンゞン音、家に垰る子䟛の声、電車が線路を軋たせる音、雚宿りしおいる鳥の声、必芁以䞊に音を出すバむク。

    私は、自然の䞀郚であるこずを、すっかり忘れおいた。生たれおは死にゆく、自然のリズムの䞀郚であるこずを。


    䞀時期、盞察性理論のすごさに圧倒されおいた。

    時間は絶察的なものではないこずは䜕ずなく知っおいたものの、ふずその論拠が気になっお、盞察性理論の存圚に行き着いた。

    『盞察性理論を楜しむ本』著䜐藀勝圊ずいう本がある。その本がずおも分かりやすく面癜いのだが、その本の最埌の方に、盞察性理論から発展した珟代の宇宙論を玹介するパヌトがある。

    宇宙は虚数の時間から生たれたらしい。虚数の時間  宇宙の幎霢は未だ䞍明ただこの䞖の䞭に解明されおいない䞖界がある、でも60億幎〜200億幎の間のようだ。なお、地球が生たれたのは玄45億幎前ず蚀われる。

    宇宙空間に存圚しおいる元玠は、氎玠ずヘリりムがほずんどず蚀われおいるが、その2぀の元玠が䜜られたのは、宇宙ができおからたったの3分。

    私の生きる䞖界の時間の抂念や感芚が芆される。
    自然ずいうものは、やっぱり畏敬の念を抱かざるを埗ない。

    その自然の䞭で、私たちは䞀瞬を生きおいる。


    人は良くも悪くも、忘れっぜくお環境に順応しおいく動物だずよく思う。

    新しい環境に立ち入る時、あるいは匷制的に環境が倉わっおしたった時、人は、埓来の環境ずの違いに驚きやストレスを感じるだろう。倧小の違いはあれど、毎日はその繰り返しだ。

    倧きい話で蚀えば、私は高校から倧孊に進孊するタむミングで、地元を出た。倧孊で理解した、人は本圓に生たれた堎所や環境に巊右されるずいう、痛いほど明確な事実。地方栌差、機䌚栌差、情報栌差。これらの蚀葉は、その栌差を被る人からしか湧き出ない蚀葉だ。

    でも、そんな倧孊生掻に私は順応した。
    地元の寂れた商店街、䌑日になるず人が溢れかえるむオンモヌル、䞖間話の回りの速さ。垰り道のお颚呂やお倕飯の匂い、あたりにも矎しい倕焌け、草朚のさざめきやカ゚ルの音。それらの党おが圓たり前だった生掻を忘れ、自分の圓たり前を倧孊生掻で䞊曞きしおいく。

    瀟䌚人になる時も同じだ。
    なんお非効率なんだろうず入瀟時は䜕かに思っおいたが、その䜕かをもう忘れおいる。倧孊で散々議論した、偶発性、公共空間のあり方、特暩性などのテヌマは、日々の生掻に思い出されはしない。地元にいた時は、毎日満員電車に揺られ、東京の郜心の高局ビルにある倧手䌁業に勀務するこずを1mmも想像できなかったなぜならそんな䞖界を知らなかったから、でも今はそれが圓たり前の䞖界だ。無心で満員電車に揺られ、無心で瀟員蚌をかざす。

    そんなものなのだ。


    東京は、自分がすごいず勘違いしおしたう街だ。
    䞀人で生きおいけるず思い蟌んでしたう。

    実際は、䞀人で生きおいけるように、あるいはそう錯芚するように、色々な過去や人が支えおいる。

    環境が人を芏定するのは、玛れもない事実だ。でも、その環境が優れおいおも、自分がすごいずいう等匏は成立しない。その環境を䜜った過去の人、その環境を維持するために働く人、自分には顔も名前もわからない無数の人々が関わっおいる。過去から珟圚は、連綿ず繋がっおいる。


    環境ぞの順応は、裏を返せば思考の停止だず思う。

    『海蟺のカフカ』著村䞊春暹を読んでいる。圌の文䜓、蚀葉遣い、文章の構成にはやはり惹かれるものがあるず同時に、䞖間が特に女性が嫌がる文章なのもなんずなく分かるのだが。

    ナむフの先で觊られたような、ひんやりずした冷たさず怖さを感じた文章があった。

    想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。ひずり歩きするテヌれ、空疎な甚語、簒奪された理想、硬盎したシステム。僕にずっおほんずうに怖いのはそういうものだ。僕はそういうものを心から恐れ憎む。なにが正しいか正しくないかヌもちろんそれもずおも重芁な問題だ。しかしそのような個別的な刀断の過ちは、倚くの堎合、あずになっお蚂正できなくはない。過ちを進んで認める勇気さえあれば、だいたいの堎合取りかえしは぀く。しかし想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫ず同じなんだ。宿䞻を倉え、かたちを倉えおどこたでも぀づく。そこに救いはない。䞭略僕はそういうものを適圓に笑い飛ばしおやりすごしおしたうこずができない。

    海蟺のカフカ䞊

    想像力の欠劂。

    難しい問題だ。でも䞖の䞭の軋蜢や問題は、想像力の欠劂が芁因の䞀぀であるこずは、自明な気がする。

    私が恐れたのは、東京に染たった私。その私が持぀ある皮の暎力性。
    そうやっお物事を俯瞰的に構造化しお捉える自己満足、思考停止。私の圓たり前や正矩を、誰かに振り翳しおいないかずいう怖さだ。

    私の呚りには色々な事情を抱え、色々な背景を持ち、色々な考えを持぀人がいるこずは頭では分かっおいるはずだ。それでも、圌らの存圚や意芋を、無意識に吊定したり、あるいは聞き入れようずしなかったりしおいないか、ず。銬鹿銬鹿しい、そんなこず気にしなければいいのに、なぜそれが圓たり前なのか理解できないず、冷たく突き攟しおはいなかったか、ず。

    "あなた"がいないず生きおいけないのに。


    今倜の雚は止みそうにない。

    2026-06-20


     
     

    aym

     
     
    音楜ず旅行ずおいしいご飯が倧奜きです。 ボヌカルもしおいる。

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