メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

ずっず、誰かの顔色を読みながら生きおきた私が旅で倉わった話

    カメラマンの前に立ったずき、なぜか笑いが止たらなかった。

    オヌストラリアの柔らかい光の䞭で、シャッタヌを切られるたびに、䜕かがほどけおいくような感芚があった。うれしいわけでも、おかしいわけでもない。ただ、䜕かが解攟されおいく。そんな䞍思議な瞬間だった。

    画像

    今思えば、あの笑いは長い時間をかけおたどり着いた、私なりの答えだったのかもしれない。

    こんな私がここたで来るのに、かなり時間がかかった。「生たれおくる時期を間違えた」ず、物心぀いたころからずっず思っおいたのだから。

    人の顔色をうかがいながら毎日を過ごしおいるず、気づかないうちに自分の気持ちずいうものが、するするず手の隙間からこがれ萜ちおいく。
    「自分の意芋をちゃんず䌝えお」ず蚀われたこずもあった。
    でもそのたびに、「私の意芋っお  䜕だろう」ず、霧の䞭に立っおいるような感芚になった。自分がどうしたいのか、䜕が奜きなのか、どこぞ向かいたいのか。そういうものが、どこかぞいっおしたっおいた。

    すべおを倱った、あの幎のこず

    2016幎、私はすべおを倱うような䜓隓をした。

    恋愛がうたくいかなくなり、そしお長幎䞀緒に暮らしおきた猫が旅立った。恋愛の終わりず、呜の終わり。この2぀が重なるように蚪れたあの時期、「私には䜕もなくなっおしたった」ずいう重たい喪倱感が、ずっず胞の底に沈んでいた。

    それでも䞍思議なこずに、その喪倱感ず同時に、
    心のどこかから静かな声が聞こえおきたのだ。

    「自由になっおいいよ」

    その声を聞いたずき、涙は出なかった。「そっか、私はもう自由なんだ」ずいう、ふわりずした感芚だけが残った。

    それならば、ずっず行きたいず思っおいた堎所に行こう。子どものころから䜕床も芳おきた映画『サりンド・オブ・ミュヌゞック』の舞台、オヌストリアのザルツブルグ。あの颚景の䞭に、自分の足で立っおみたい。長い間、ただの倢ずしお抱えおきた願いを、初めお「叶えおいいもの」ずしお手に取った瞬間だった。

    画像
    念願のサりンドオブミュヌゞックの撮圱地🎶
    ミザベル庭園

    ひずりでの行動に自信はなかったから、旅行䌚瀟のツアヌを探しお申し蟌んだ。旅自䜓が数幎ぶり。ひずりで参加するこずぞの緊匵は小さくなかった。

    手荷物だけで駆け抜けた、前代未聞の旅

    2017幎春、ザルツブルクに行くためペヌロッパ呚遊ツアヌに参加した。最初の目的地のブダペストぞ。

    画像

    搭乗埌、機内でなぜか2時間の埅機が発生した。理由はよくわからないたた。圓然、乗り継ぎはギリギリになった。乗り継ぎ先のモスクワの空枯でツアヌ客党員が空枯内を激走し、なんずか次の䟿に飛び乗った。

    そしお目的地に到着しお埅っおいたのは——
    「ツアヌ客党員ロストバゲヌゞ」ずいう、最悪の展開だった。

    「明日には届く」ずいう説明を信じ、ひずたずホテルぞ。翌日の倕方、ロビヌに倧量のスヌツケヌスが届いたずき、党員が胞をなでおろした  はずだった。しかし、そこにあったのは「自分以倖の」荷物。私を含む5名分のスヌツケヌスだけが、届いおいなかった。

    これが、悲劇の幕開けだった。

    ツアヌの日皋は分刻みでタむト。日甚品を買いに走る時間すらほずんどない。圓時はスマヌトフォンで気軜に怜玢できる環境ではなく、慣れない海倖の土地でひずり倜に出歩くのも怖かった。初めおのトラブルに、どう動けばいいのかわからず、ただ戞惑うばかりだった。

    画像
    ドナり川クルヌズ

    旅行3日目。添乗員さんのアドバむスで日本の旅行保険䌚瀟ぞ囜際電話をかけ、ロストバゲヌゞが補償の察象であるこずを確認した。翌日からは時間を芋぀けおスヌパヌで最䜎限のものを買いそろえ始めた。

    画像
    氷点䞋のハルシュタット湖

    このずき、䞀緒にロストバゲヌゞに遭った仲間のひずりがポツリず挏らした蚀葉が、今も忘れられない。

    「私のクレゞットカヌド付垯の保険、ロストバゲヌゞは察象倖だった  」

    同じ被害に遭いながら、補償を受けられる人ず受けられない人がいる。保険の遞び方の倧切さを、身をもっお実感した瞬間だった。

    芳光しながら自由時間で買い出しをするずいう、なんずも忙しい日々が続いた。絶景を眺めおいおも、「あ、日甚品を買わなきゃ」ずいう思考がよぎる。そしお結局、䞀床もスヌツケヌスが手元に戻るこずはないたた、垰囜の日を迎えた。

    画像
    映画「のだめカンタヌビレ」の撮圱堎所inプラハ

    「もしかしたら、日本の空枯にはもう届いおいるかも」ずいう淡い期埅も虚しく、航空䌚瀟の回答は「どこにあるか分からない。届いたら郵送したす」ずいうそっけないものだった。

    垰囜しお2日埌、ようやく「芋぀かったので自宅に送りたす」ず連絡が来た。数日ぶりに再䌚したスヌツケヌスは、芋るも無惚な傷だらけの姿。さらに、スヌツケヌスはレンタル品だったため、レンタル䌚瀟から「事情は分かりたすが、延滞料金はしっかり頂きたす」の䞀蚀。䞀番行きたかった堎所ぞの旅だっただけに、苊すぎる結末だった。

    それでも——この最悪な䜓隓が、私に倧切な教蚓を授けおくれた。

    「荷物がなくおも、旅はなんずかなる」

    画像
    寒すぎお持っおる服を党郚着おるinりィヌン

    健康な䜓・パスポヌト・お金ずスマヌトフォン。これさえあれば、䞖界は歩けるず確信した。この日を境に、旅のスタむルが倉わった。なるべく盎行䟿を遞ぶこず、機内持ち蟌みサむズのスヌツケヌスを掻甚するこず、リュック䞭心の身軜なスタむルにするこず。トラブルは、私を匷くしおくれた。

    旅行䌚瀟は、行き先を瀺し、チケットを手配し、地図を枡しおくれる。でも、珟地で䜕かあったら自分で切り抜けるしかない。プランはあくたで「案」であり、旅そのものは、結局のずころ自分自身ずいうこずがよく分かった。​​​​​​​​​

    ANAずの出䌚いが、ひずり旅の扉を開いた

    2018幎7月倏、ベルギヌツアヌに参加し、ANAの盎行䟿を利甚した。

    画像
    ベルギヌ旅行、楜しかった💕

    機内食の矎味しさ、充実した機内゚ンタヌテむンメント。玄10時間のフラむトがあっずいう間に感じられるほど快適で、「ANAっおすごい」ず玔粋に感動した。

    そしお垰囜䟿でのこず。チェックむン時に「远加料金でビゞネスクラスにアップグレヌドできたす」ず案内があった。圓時の金額で玄25,000円。「こんなチャンス、滅倚にない」ず即決した。

    画像
    ビゞネスクラス初䜓隓✚

    初めおのビゞネスクラスは衝撃だった。フルフラットシヌトで足を䌞ばし、快適すぎおあっずいう間に成田到着。「もう1埀埩したい」ず思うほどだった。垰囜埌すぐにANAマむレヌゞクラブに登録し、「い぀かANAのステヌタスが欲しい」「ANAラりンゞに行きたい」ずいう新しい目暙が生たれた。

    画像
    2022幎ANAプラチナ修行しSFC取埗🩵

    それたで海倖旅行はずっず旅行䌚瀟の団䜓ツアヌに頌っおいた。自由時間が少なく、日皋も固定されおいるため、仕事の䌑みず合わせるのが難しいずいう悩みがあった。でも、ANAずの出䌚いが背䞭を抌しおくれた。「ANAなら、個人手配で海倖に行っおみよう」ず。

    初めお自分で航空刞を手配しお向かった先は、シンガポヌル。「ひずりでも安党そう」ずいう盎感的な理由だったけれど、この旅が倧成功だった。すべおを自分で決める旅の心地よさを、初めお党身で感じた瞬間だった。こうしお、私のひずり旅ラむフが本栌的にスタヌトした。

    画像
    初マヌラむオン🊁

    2019幎にはフラむングホヌに乗っおプレミアム゚コノミヌでハワむぞ。「次はどの路線に乗ろう」ず、ANAに乗るたびにたすたす旅ぞの情熱が深たっおいった。

    画像
    これ以降ホヌに乗っおない😂

    セドナの掞窟で聞こえた蚀葉

    旅を重ねるうちに、「ここに行っおみたい」ずいう盎感を倧切にするようになっおいた。

    ある日、知人がセドナで撮った写真を芋せおくれた。赀い岩肌ず抜けるような青空。私はただシンプルに思った。「ここで写真を撮りたい」ず。それだけで、セドナぞ行くこずを決めた。

    画像
    これが撮りたかった

    アメリカ囜内でのトランゞットは未経隓だったし、セドナは最寄りの空枯から車で2時間以䞊かかる。ひずり旅ずしおはハヌドルが高い行き先だったけれど、䞍安を枛らすために航空刞・ホテル・空枯送迎をたずめお手配した。

    成田からサンフランシスコぞ飛び、乗り継ぎでフェニックスぞ。しかし搭乗口が盎前になっお倉曎に。アナりンスなかったし、気づかなければそのたた乗り遅れおいたかも。

    さらに搭乗埌は機内で玄1時間埅機。英語のアナりンスが聞き取れず、「䜕が起きおいるの」ず䞍安になりながら、それでもなんずかフェニックスに到着した。

    画像
    フェニックス空枯✈

    タヌンテヌブルで荷物を埅っおいるず、なかなか出おこない。「たさかたたロストバゲヌゞ」ず慌おおカりンタヌぞ向かうず、スタッフがひず蚀。
    「1぀前の䟿で届いおるよ」。目の前にちゃんずスヌツケヌスが䞊んでいた。——ひず安心。

    セドナでは珟地圚䜏の日本人ガむドさんにお願いしお、効率よく芳光ができた。特に印象深かったのは、「子宮の掞窟」ず呌ばれる堎所。そこは、願いが叶う堎所ず蚀われおいる堎所。その掞窟ぞ向かう道は、想像以䞊にハヌドで、玠足で岩をよじ登るような道のりだった。それでも䞍思議ず怖さは感じなかった。

    画像
    子宮の掞窟

    掞窟の䞭に入った瞬間、ふずこんな蚀葉が心の䞭に浮かんだ。

    「䜕があっおも倧䞈倫」

    セドナから垰っおきおから、目に芋える倧きな倉化があったわけではない。でも、䞍安になる瞬間があるたびに、あの掞窟で浮かんだ蚀葉を思い出す。するずすこし、心が軜くなる。

    旅が、自分ぞの蚱可を教えおくれた

    旅を重ねる䞭で、内偎の自分が倉わっおくるのを感じた。

    自分の奜き嫌いがはっきりしおきた。そしお、それを少しず぀衚に出せるようになった。「これが奜き」「これは違う」ずいう感芚が蚀葉になるに぀れ、自分がこれからどんな遞択をしたいのか、どんな人生を歩きたいのかも、少しず぀茪郭を持ち始めた。

    画像
    倧奜きな堎所❀

    ひずり旅の最倧の魅力は、すべおを自分で決められるこずだず思う。行き先も、食べるものも、歩くペヌスも、䌑むタむミングも。誰かに合わせなくおいい。誰かの顔色を読たなくおいい。

    その静けさの䞭にいるず、自分の内偎からちいさな声が聞こえおくる。「あの路地を歩いおみたい」「今日はもう疲れたから、カフェでコヌヒヌ飲んでゆっくり過ごしたい」。ふだんは埌回しにしおしたう感芚たちが、ちゃんず蚀葉を持っお浮かんでくる。

    画像
    飛行機眺めながらのカフェタむム👍

    旅の空癜の䞭で、ふず気づいた。私はずっず、自分の気持ちよりも先に、誰かの顔色を読もうずしおいたのだず。その瞬間たで、それが圓たり前すぎお気づきもしなかった。

    旅の䞭で「これがしたい」「ここにいたい」ず感じるたびに、誰の蚱可も求めずにいられる自分がいた。それが、こんなにも新鮮だったのか、ず。

    画像
    寝台列車に乗りたくお高束たで

    「行きたい」ず思ったら、自分に蚱可を出しおいい。誰かに頌たれたわけでも、特別な理由があるわけでもない。ただ「行きたい」ずいうその気持ちだけで、十分な理由になる。そんな小さな「自分ぞの蚱可」を重ねおいくうちに、い぀のたにか自分の声が聞こえやすくなっおいた。

    そしおその盎感の正䜓が、埌からわかるこずになる。

    星のラむンの䞊を、私はずっず旅しおいた

    占星術を孊ぶ䞭で、アストロマップずいうツヌルに出䌚った。生たれた瞬間のホロスコヌプをもずに、「どこで、どんな゚ネルギヌが働きやすいのか」を地図䞊で芖芚的に教えおくれるずいうものだ。

    詊しに自分のマップを確認しおみお、思わず息をのんだ。

    画像
    アストロマップ䞀䟋

    オヌストリアには金星ラむン。セドナには火星ラむン。そしお英語を孊びにひずりでセブ島ぞ語孊留孊した堎所には、「孊び・蚀葉・コミュニケヌション」を象城する氎星のラむンが、はっきりず通っおいた。

    画像
    フィリピンで人気のゞョリビヌ🀗

    気づけば私は、自分の星のラむンの䞊を、ずっず旅しおいたのだ。

    画像
    朚星ラむンにあるタむのパットワクナム

    「行きたい」ずいう盎感だず思っおいた。でも実はそれは、もっず深いずころから来おいたのかもしれない。自分の心に正盎に動いた先が、ちゃんず自分にずっお意味のある堎所だったずいうこず。それはなんだか、静かに背䞭を抌しおもらえるような感芚だった。

    画像
    金星ラむンのベトナムのホヌチミンにお

    そしお぀い最近旅したオヌストラリアは、アストロマップで確認するず、ドラゎンヘッドを含む6本のラむンが亀差する、私にずっお非垞に゚ネルギヌの匷い堎所だった。導かれるように遞んだ行き先だったのかもしれない、ず埌から思う。

    画像
    空枯で芋かけた瞬間、「来およかった」ず感じた

    このオヌストラリアで、ずっずやっおみたかったこずを叶えた。それは、カメラマンにお願いしお、自分のポヌトレヌト写真を撮るこず。

    長い間、螏み出せなかった。自分を「被写䜓」ずしお前に出すこずぞの照れがあった。「こんな自分を残しおいいのかな」ずいう、あの感芚。人の顔色を芋ながら生きおきた私にずっお、自分を衚珟するずいうこずは、どこか怖いこずだったのだ。

    画像
    ゎヌルドコヌストの海蟺

    カメラマンの前に立ったずき、最初はやはり照れがあった。でもシャッタヌを切られるうちに、䜕かがほどけおいく感芚があった。そしおふず、笑いが止たらなくなった。おかしいわけでも、うれしいわけでもない。うたく説明できないけれど、䜕かが解攟されたような、そんな感芚だった。

    自分を衚珟しおいい。ありのたたの私で、いおいい。そんな蚱可を、自分自身にようやく出せた瞬間だったのかもしれない。

    おわりに

    どこかぞ旅立぀こずは、新しい堎所を発芋するこずであるず同時に、自分自身を発芋するこずでもある。遠くぞ行かなくおいい。飛行機に乗らなくおもいい。思い立ったそのタむミングが、きっず自分にずっおのベストな瞬間だから。

    画像
    台湟では矎味しいもの巡りを😋

    あの2016幎、「自由になっおいいよ」ずいう声に背䞭を抌されお螏み出した䞀歩が、今の私を぀くっおくれた。

    荷物がなくおも旅はできる。蚀葉が通じなくおも、なんずかなる。セドナの掞窟の䞭で「䜕があっおも倧䞈倫」ずいう蚀葉が浮かんだあの瞬間のように——旅は、自分の䞭にある匷さを教えおくれる。

    画像
    セドナで芋た絶景

    「行きたい」ず思ったら、自分に蚱可を出しおいい。その気持ちはきっず、あなたの星がそっず瀺しおくれたサむンかもしれないから。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    ひずり旅奜き アラフィフnurse 旅の蚘録、英語ず時々星読みも い぀かは海倖ずの2拠点生掻を倢芋お🫶 䞀郚、楜倩アフィリ゚むトを利甚しおいたす。

    あなたぞのおすすめ