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磁力が弱まった罪作りなマグネット

    彩生透

    124番のルージュはいつも〈当たり〉で、機嫌のいいあたしにあなたが笑いかけたの。

    あたしたちは一緒に暮らさないし、次いつ会えるかも分からないし、何より添い遂げるつもりもないのよ。

    だからあたし、結婚式じゃなくてお葬式で流して欲しい曲を決めていたんだけど。

    あなたが「今どきCDは棺に入れられないらしいよ」なんて意地悪を言う。ひどい人よね。

    それなら何も持っていけないのね、と、少し、ほんの少し、生暖かい部屋が涼しく感じたわ。

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    ねえ。あたしの睫毛を秋桜色に染める、あのマスカラが廃盤になってしまうの。

    新しいときめきより、安定感を選んだらいつかはこんな日が来るのよね。

    あたしとあなたの関係だって、突然リニューアルされる恐れがない、とは言い切れなくって。

    「大袈裟だな」と揶揄う、あなたの目尻の皺が、愛おしくて憎たらしくてやっぱり愛おしい。



     
     
     
    「アヤキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楽好き(投稿は少しずつ)! はじめまして__いつもありがとう。 観る:聴く:読む:紡ぐ、もっと noteで多種多様な感性に触れたい。 無色透明の僕から極彩色へ 毎回姿を変えるかも知れません。

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