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センチメンタルのかけらさえなかったんだ

    彩生透

    君が「もうやだ」なんて諦めようとするから、お得意の「一緒に行こうか?」が滑り出した。


    呼んだタクシーに飛び乗っても間に合わなかった電車、大荷物抱えて「エレベーター使うな、乗り換えあと2分しかない!」って走った階段、同じような人の群れ、ゴールキーパーみたいなドア付近の守護神、コンシーラーで隠せない日頃の痛みとオフィスカジュアル、7時半、ランドセルを背負った大人しそうな子どもがそこに混じっていて、そういえば自分は、出がけにシャワーすら浴びられなかった。


    ナビゲーターになって見送る、僕にできることはこのくらい。
    実は言われなくても着いていくつもりだったけれど、寝巻き同然で素材を活かすどころの話ではなく、どうしてこうも格好がつかないのだろう。


    朝陽が当たると茶色く光る髪が、僕に何度も手を振る君の下瞼が、何だか眩しくて、気のせいか。


    一生忘れないと思っていてもいつか薄れる記憶の中で、東京。


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    ★作者急病のため今週の投稿遅れました。
    あなたも、どうか、元気でいてください。



     
     
     
    「アヤキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楽好き(投稿は少しずつ)! はじめまして__いつもありがとう。 観る:聴く:読む:紡ぐ、もっと noteで多種多様な感性に触れたい。 無色透明の僕から極彩色へ 毎回姿を変えるかも知れません。

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