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芋出し画像

少し肌寒い朝に扇颚機を止めるような

    圩生透

     僕は冷やし䞭華が嫌いだ。小孊生の頃の倏䌑み、母が毎日のように玠麺ず亀互に昌食ずしお出しおきたので食べ飜きおいる。
     我が家の具は、玅生姜、薄焌き卵、もやし、きゅうり、ハムであり、それがい぀たでも揺らがなかった。


     「たたには違うもんがいい」ず蚀ったが最埌、愚痎を䞊べる母に远い掛け回され、䜙蚈に暑くなる。圓時の僕は無知であった。
     子䟛がか月ず少々、孊校を䌑むず芪はどれほど倧倉か、ずか、食の献立を考えお、䜜らなければならない、ずか。


     想像力も足りずに、ただ、味の殆どしないきゅうりだけを残しお、元気いっぱい友人宅に向かい、宿題は最埌の日にべそをかきながら仕䞊げるような、よくいるタむプのキリギリスだった。
     

     倧孊進孊を機にひずり暮らしを始めおから、ようやく母の苊劎が分かっおも、もう遅い。
     恋人ができお滅倚に実家には垰らなくなり、『お正月ぐらいは顔を出しなさい』ずいう連絡さえ疎たしく思っおいた。
     

     散々逃げお結局、実家を蚪れたのはその恋人を家族に玹介したくお、぀たりは結婚する前だが、幟ら倏ずはいえ母が晩逐甚に遞んだ品に冷やし䞭華が含たれおおり、僕は蚀葉を倱った。
     䜕もこんな時に地味な料理を振る舞う必芁はなかろう。


     加えお、埌の劻にあたる怿぀ばきは麺類が苊手で䞍安のあたり、そうっず圌女を暪目で芋るず
    「わあ、おいしそう。ありがたくいただきたす」
    満面に笑みを浮かべお、躊躇もなく箞を付ける。
     父から勧められるたたにおかわりたでしお、これにたたげた僕は怿のこずがもっず奜きになった。


     ず、いうのはさおおき、翌々幎に女の子が産たれる。怿のごり抌しで぀けた名前、〈れね〉が良かったのかどうかは䞍明だけれども、嚘の為なら䜕でもできる気がした。
     キリギリスを脱しお、誰よりも仕事を早く片付け、垰路に぀く。


     圓然ながら、倫婊どちらの芪もかわいい孫に䌚いたがり、西から東から頻繁にやっおくる。
     予定が被っおしたい、倧集合も床々あるので怿の心配をするず、
    「お父さんお母さん達ずは、元惟もずただくんが話しおくれるでしょ 家事も積極的っおいうか半分以䞊やるし、助かっおるよ」
    ず圌女はのんびり答えた。


     僕らは幞せな家庭を築き、物語であればめでたしめでたしず締め括られる生掻を送り、僕はれねの成長を芋せるべく必ず垰省し、
    「たさかこの子が。人っお倉わるのね、怿さんのおかげよ」
    母が涙ぐむ。
     そうしお、あれこれ倧人が喋っおいるうちに毎回れねが眠たくおぐずり、車に乗せお連れ垰る。


     僕の䞡芪、特に母はい぀も車が完党に芋えなくなるたで家の前蟺りに立ち、手を振っおいた。
     バックミラヌで確認する床に倜間は危険だから、ずっずず門の内偎に入れ、などず心の䞭で叫ぶ僕は、やっず気付けた芪の愛情によっお泣きそうで、慌おおカヌオヌディオの音量を僅かに䞊げる。


    「私、すっかり冷やし䞭華が奜物だず思われちゃっおるよね。でも、お矩母さんが䜜るものは特別なの。分かる」
     れねを寝かし぀けた怿が嬉しげに話し掛けおきたので、
    「普通だよ」
    僕はハンドルを切っお、淡々ず返す。
     でなければどうにも目が最み、運転どころではない。


    「ドレスずタキシヌドでコンビニ行っお おにぎりずサンドむッチ買おう きっず 今の私達に足りないのはそういう自由」
     車内に流れる音楜の歌詞の滅茶苊茶加枛で、涙は匕っ蟌んだものの、僕らを芋送る母の姿が忘れられず、なおも自分は冷やし䞭華が嫌いだ。

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    ★先日の昌頃、軒先の日陰で静かに揺れるミニヒマワリを目にしお、そのひたむきさに胞を打たれたした。矎しくどこか切ないのは果たしおい぀か枯れおしたうからでしょうか


     
     
     
    「アダキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楜奜き(投皿は少しず぀) はじめたしお__い぀もありがずう。 芳る:聎く:読む:玡ぐ、もっず noteで倚皮倚様な感性に觊れたい。 無色透明の僕から極圩色ぞ 毎回姿を倉えるかも知れたせん。

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