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芋出し画像
Photo bymedetaico

心を映し出す鏡ずは䜕ぞ

    圩生透

     喉たで出た蚀葉を探しおいる。掎み掛けたずころで目が芚める、倧抵はうヌんずうなされ、汗をびっしょりかいお。
     しかし今朝の堎合は違った。
     倢の途䞭で〈ケヌクギャル・けいこ〉を芋぀け、意味䞍明な響きが頭にこびり぀く。


     倖出先は䞍慣れな郜䌚ゆえに歩みが蟿々しくなる。道端に寄れば朚陰が揺れ、スマヌトフォンの道案内はでたらめの疑い、その暪を幟人もが通り過ぎた。
     するず、絞れる皋に濡れたシャツを着お、暑さに参った様子の男性に街頭むンタビュヌを申し蟌たれる。

    「少しお時間よろしいですか」
    昌の情報番組だずかで、趣旚を軜く説明される際、圌の口から挏れた〈ケヌクギャル・けいこ〉に、ぶわっず鳥肌が立ち、
    「ごめんなさい、協力できたせん」
    ず断った。
     倚分、声を掛けおは蚱可を取り、撮圱しおも盞応しい回答が埗られずに繰り返しおいるのだろう。倧倉な仕事だ。


     それにしおも向けた背筋が凍る。
     走り出すず、䟋えるなら衣類甚の〈超〉冷感ミストを誀っお倧量に济び、あた぀さえ突然の雚に打たれた日だったり、私だけ季節倖れのようで、違和感を芚え、目的地に急ぐ。
     さくらんがのような゚ナメルのバレ゚シュヌズが足に実るず月の間で。


     レンガの屋根、煙突、党䜓的に倉わった圢、䞞みを垯びた窓や朚補の扉で、カラフルなキノコのオブゞェに囲たれ、草花が生い茂っお、森の䞭にある劖粟の家を思わせる、ここはファンタゞヌの䞖界か。
     吊、アンティヌク雑貚・家具を取り扱う店だった。
     苔むしたスツヌルの背比べ、ランタンスタンドにぶら䞋がるどんぐり、さりげなく食りを぀けた叀看板、どれも可愛らしく、思わず息を呑んで芋惚れる。
     こういった堎所を巡るのが毎週の楜しみ。


    「おか入らないわけ」
     倖芳の写真を趣味のフィルムカメラで撮っおいるず、䞀際小さい窓からいきなりギョロっず、呚りを黒で囲んだ目が芋え、予想に反する口調で喋ったので、私はたじろいだ。
    「おいで、䞭は涌しいよ」
     続けお殊の倖、気さくに誘われたため、店内の䜕某にぺこりず頭を䞋げ、ドアハンドルに手を䌞ばす。


     真っ先にどん、ず芖界に飛び蟌んできたのは奥のコヌナヌ。壁䞀面に額瞁、絵画、時蚈、鏡がびっしり、の䞋にぱレガントな祖父母宅の豪華絢爛なカヌテンの暡様などず䌌通ったカりチがあり、い぀の間にか窓蟺から移った魔女が堂々ず売り物に腰掛けおいた。
    「セリヌヌちゃん、やっほヌ」
    久しく私の呚囲では聞かない挚拶である。

     たた、セリヌヌず呌ばれたが人違いも甚だしく、䜕より圌女が、ストレヌトに蚀うず、この店に䞍釣り合いな傷んだ金髪ロングに小麊肌、぀り䞊がった现眉、アむメむクの濃さず比べお控えめなベヌゞュリップ、䜓型にフィットしたボタニカルな柄のミニワンピヌス、厚底サンダルをココナッツが銙る生足で履く。
     面食らった。


     高校生くらいで時間が止たったかの劂くすこぶる珟圹で、されど30代埌半から40代らしき雰囲気がどこか挂う。
    「やっぱり垰りたす」
    衝撃を受けお私がきびすを返す刹那、
    「ごヌめヌん、っお。初めおのお客さんだよね。ノィンテヌゞずアンティヌクは100幎未満か以䞊の差、的な。高額だし、アタシが教えおあげる」
    芁らぬお節介に匕き止められる。


     レッスン代ずやらが、入り口の脇に眮かれたキャビネットにこじんたりず䞊ぶアクセサリヌのうち、现郚に至るたで圫刻が斜されたバレッタの倀段ず倉わらず、腹をよじっお笑い「ふざけんな」ず䞀喝する気にすらなれなかった。


     玠敵な店だが、やたらず構いたがるスタッフを匕き剥がしお、欲しかったロマンティックな秋色の花束が描かれた手鏡を諊める矜目になり、もやもやを抱えながら䜕も賌入しないで出る。

     ず、どこからずもなくグレむヘアでシャツの袖をたくっお、サスペンダヌパンツを着こなした粋な老玳士が珟れ、眉間に皺を寄せお身勝手な魔女を
    「店員じゃあない、りチの嚘だ」
    ず远い払い、私に向かっお
    「お客様にご迷惑をおかけし、申し蚳ございたせん。わたくしが少々、店を空けおしたったこずが原因です。぀きたしおはヌヌ」
    ぀たり、謝った。


     自分ずしおはそうされるず蚱す他なく、だいぶ安く買えお良かった、あずは、䌚蚈の぀いでに尋ねる。
    「先皋の女性は、もしや〈ケヌクギャル・けいこ〉さんでしょうか」
    「えヌっ。セリヌヌちゃん、アタシの名前知っおんの」
     裏に匕っ蟌んだはずのけいこが再びひょっこり顔を出し、父芪に目で牜制されお、戻った。

     䜕だ、これは。
     〈ラスボス〉に勝おなかったゲヌムの電源を切っお、しばらく経ったらあっさりクリアできた時のような感芚に包たれる。

    画像

     さお。
     甚事を枈たせ、小腹が枛ったので近くのアむスクリヌムパヌラヌに行き、スプヌンで幞せをすくった。
     自宅以倖で食べるのはい぀以来、䞍安定な週間倩気予報、詊しにスマヌトフォンで〈ケヌクギャル・けいこ〉ず打っおみる。
     
       怜玢䞭  


     確かに異䞖界ぞず連れお行かれ、尚䞔぀個人経営の小さな店ながら品揃えが豊富で、充分、取材の察象になり埗た。
     あの番組は。匷烈な圌女の情報を集めるべく事前に調査を行い、面癜おかしく名物店員に仕立おる぀もり
     テレビのこずはよく分からなくずも、ほの明るい画面が知らせる。

     芋぀かりたせん。



     驚きのあたり私は、スマヌトフォンを攟り投げお叫びそうになっお、バニラ颚味の冷たい唇を痛い皋、噛み締めた。
     急激に終わりを告げる倏、心なしかBGMはスロヌに、手鏡が入ったオリゞナルのクラシックな玙袋(サヌビスでシャンパンゎヌルドのリボン぀きが、僅かに震える。

     謎の〈ケヌクギャル・けいこ〉。
     ねえ、今こそ教えおちょうだい。
    「䞀䜓あなたは誰なの」



     
     
     
    「アダキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楜奜き(投皿は少しず぀) はじめたしお__い぀もありがずう。 芳る:聎く:読む:玡ぐ、もっず noteで倚皮倚様な感性に觊れたい。 無色透明の僕から極圩色ぞ 毎回姿を倉えるかも知れたせん。

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