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Photo bydonchan_13

ママチャリの後ろでMr.Children

     Mr.Childrenのライブが、桜井和寿さんの体調不良により、途中で中止になったというニュースを見た。中止を決断するまでのMr.Children側の誠意ある対応に対して、たくさん寄せられている賞賛コメントを見ながら、小学生の頃を思い出していた。

     当時、両親がコンビニのフランチャイズ経営をしていて、よく母親のママチャリの後ろに乗って家とコンビニを往復していた。片道30分くらいの時間、ずっと後ろで風景を眺めていても退屈なので、母親からもらったウォークマンで音楽を聴いていた。このウォークマンには、家にあった色んなCDの音源が登録されていて、アイドル曲もあれば、JPOPや海外のバンドの曲など、あらゆるジャンルの楽曲を聴いていた。

     最初の頃はシャッフル再生にして、「今日は何の曲を聴けるのか」と毎回ワクワクしていたのだが、一通り登録されている曲を聴き尽くしたうえで、特に気に入った曲は、3つあった。
     nobodyknows+の『ココロオドル』と、BUMP OF CHICKENの『天体観測』と、Mr.Childrenの『未来』の3つ。特に『未来』が大好きで、ママチャリの後ろでこの曲だけをひたすらリピートする時もあった。
     この曲をなぜ気に入ったのか説明するのは難しいが、桜井さんの歌声も、サビの盛り上がりも、最後の「ヒッチハイクをしている僕を迎えに行こう」の後の余韻も、すべてが僕の胸を震わせた。

     それ以降、思春期時代はずっとMr.Childrenにどハマりしていた。桜井さん、田原さん、中川さんが聖徳学園の出身だと知った時には、僕の地元である武蔵境がとても誇らしく見え、この街で彼らも過ごしていたのだと想像すると、急に見慣れた景色が価値のあるものに思えた。高校生の頃は、毎日のように帰宅後のリビングで、大声であらゆるMr.Childrenの歌を熱唱し、寝る前にYouTubeで『つよがり』のライブ映像を観ては、恋人もいないくせに涙ぐんでいた。

     社会人になってからはあまりMr.Childrenを聴かなくなった。それは飽きたからというよりも、そもそも音楽を聴く習慣がなくなったことが大きく、たまに思い出したかのようにMr.Childrenを聴いては、やはり良い曲だなぁと改めてしみじみ思った。
     ライブ中止のニュースを見た時、Xでそれに関連したツイートを探すと、どうやら桜井さんはギリギリまで歌おうと頑張り、どうしても無理だと判断して、その場で涙を流しながら謝罪したらしいことが分かった。
     昔憧れていた桜井さんは、今でもずっと格好いいんだなと、なんだか嬉しくなった。ふと久しぶりに『未来』を聴きたくなった。僕はママチャリの後ろにはもう乗れない大人になったけれど、Mr.ChildrenはいつまでもMr.Childrenとして、僕の憧れとして変わりなく存在している。

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