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昼休みを削ってでも食べたいものがある


    牛丼のために歩くのか。

    歩くための牛丼なのか。


    会社の昼休憩は60分。
    私の昼休憩は20分。

    会議が立て込んでいるわけではない。
    休憩中も働いているわけではない。

    でも、私の昼休憩は20分である。


    20分休憩というと、小学生時代の2時間目と3時間目の間にあった、あの少し長めの休み時間を思い出す。ドッジボールが最高に盛り上がった20分休憩。あの頃は、たった20分で白熱した試合が繰り広げられていた。

    しかも毎日。

    あの20分を制した者こそが、クラスの覇者だった。あの謎に長い休憩時間は、今もあるのだろうか。

    32歳になった今、同じ20分は明らかに短い。
    ジャネーの法則、恐るべしである。

    それでも今の私の昼休憩は、そこそこ濃い20分である。

    なぜなら、この昼休憩、いや昼ごはんに辿り着くまでに、往復40分の徒歩があるからである。

    健康のために歩こうと思ったわけではなく、立派話でもない。

    おいしい昼ごはんを、お手頃に食べたい。

    そう、食欲ドリブンである。

    健康のためには歩けない。
    でも、おいしいごはんのためなら歩ける
    。



    おにぎり2個とプロテインバーの小さな絶望


    きっかけは物価高。

    以前は昼休みにコンビニへ行って、おにぎりを2個とプロテインバーを手に取っていた。

    レジに表示された金額は、だいたい600円。

    「高い、、、」

    いやコンビニが悪いわけではない。
    24時間中、欲しいものは何でもある。
    支払いも一瞬。お気に入りのアイスコーヒーのついでに、つい何か買ってしまう。

    コンビニの求心力は強い。


    ただ、昼休みに袋の中を見たときの寂しさは、何とも言えないものがある。

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    たしかに栄養はある。
    タンパク質もある。

    でも、お腹と心が満たされるかというと、そうではない。昼ごはんというより、補給。
    こういう食事は、午後に必要な最低限の燃料を入れている感覚になってしまう。

    その最低限でさえ600円前後。
    この食事、いや補給だけでは昼からの業務に戻れない。

    社食という選択肢もある。
    ただ、少し物足りない。安いけれども。

    お弁当は、続かなかった。

    手ごろでおいしい昼ごはんはどこに。

    気づけばGoogleマップを開いていた。

    会社を中心に、徒歩圏内で探す。
    できるかぎり範囲を広げて。

    そこで目をつけたのが、すき家だった。

    徒歩20分。
    往復40分。

    貴重な60分の昼休みのうち、3分の2が移動になる。さすがに遠い。
    でも、食欲には勝てなかった。

    20分先に求めていたものがあった

    たどりついたすき家で頼んだのは、牛丼サラダランチセット。


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    求めていたものが、ここにあった。


    一人で行っているのに、お膳を前にして思わず手を合わせてしまう。

    居住まいを正し、温かい味噌汁を一口飲む。
    あたたかい。外が暑くても飲めてしまう。ネギとわかめの食感がよい。

    それからサラダをいただく。
    これから攻め込んでくる炭水化物の前の、せめてもの抵抗。

    ついに牛丼。
    ほかほかのごはんに、牛肉さんがいらっしゃる。そこまでつゆだくではないのもGood。
    無料の刻み紅生姜も合わせて。

    うまい。
    うますぎる。

    歩いたあとの喉の渇きは、冷たいお茶が癒してくれる。しっかり歩いた後はこれだけでも幸せ。


    量も抜群。

    お米は国産米100%使用、並盛りで約300gらしい。脅威のほぼ1合。
    多いと思う時はミニにすれば約200gで60円引きにもできる対応力。見習いたい。


    これで税込600円。
    あまりのコスパの良さに、もう俺店の心配をしてしまう。ポイントユーザーであればさらにお得。詳細は省くとして、平日毎日(月20日)このランチを食べると、1ヶ月で774ポイント貯まる、実質600→561円になる。

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    すき家公式より。

    さらにさらに。
    「Sukipass」というものがある。
    200円で買えて、牛丼、カレー、うな丼、鰻重が70円引き。1ヶ月間いつでも。3食で元が取れてしまう。いいんですかこれで。。

    もちろんサラダランチセットの牛丼にも適用。

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    Sukipass。かわいい。券でも公式アプリでも買える。

    さっきのポイントまで加味すると、一食あたり514円となる。ほぼワンコイン定食である。

    対するコンビニおにぎりがひとつ200円くらい。
    比べると、そのおかしさがよく分かる。

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    これが600514円、それでもコンビニに行きますか。


    これが私の20分休憩。

    もう一声、贅沢したいときには、食後に隣のセブンイレブンでアイスコーヒーを買って帰る。
    そしてまた自分のデスクを目指し、20分ひたすら歩く。


    歩く間も好きなラジオか、音楽を聞き流す。
    これも好きな時間。
    デスクには元気いっぱいで戻れるが、ついに社食には戻れなくなった。


    歩くために、おいしい食事を用意する

    こう書くと、昼休みはほとんど休んでいないように見える。

    普通に考えれば、デスクで昼ごはんを食べて、残り時間をゆったり休憩に使った方が楽なはず。昼寝している人も多い。

    でも、実際にやってみると真逆だった。

    外に出る。歩く。
    サラダと味噌汁と牛丼を食べる。
    また歩く。会社に戻る。
    デスクで一息つくと、午後の業務が始まる。

    この流れの方が、断然午後の仕事に入りやすい。

    デスクでご飯を食べて、そのまま眠くなりながら午後に突入するより、体も頭もスイッチがパチッと切り替わる。

    ただこれが最初から、

    「午後からの効率を上げるために、昼休みに散歩を習慣化しよう」
    「食後の運動は血糖値の上昇が緩やかになるらしいから、午後のパフォーマンスが上がるはずだ」

    だったら、何日かで面倒になっていた。

    正しさだけでは、人はなかなか動けない。  
    少なくとも私はそうである。

    でも、目的が牛丼だと話が変わる。

    歩くのが少し面倒であっても、

    「社食だったら、少し物足りないかもしれない」
    「コンビニだったら、量が足りないかもしれない」

    そう思うと、歩く理由ができてしまう。

    健康のためには歩けない。  
    でも、おいしいごはんのためなら歩ける。

    私の昼休みルーティンは、食欲と設計がたまたま噛み合った、偶然の産物だった。


    歩く時間は、整理の時間

    午前中に何かトラブルがあった日。
    頭の中が少し散らかっている日。

    職場を一度離れる。  
    外の空気を吸う。  
    好きな音楽を聴く。
    足を動かす。

    さっきまで画面の中で大きく見えていた問題が、どこかに行ってしまう。

    「まあ、何とかなるか」

    歩いているとそう思える。PCの前では見えなかった解決策が、ぼんやり浮かぶこともよくある。

    食べた、眠い、ではなく、  
    歩いて、食べて、歩いて、戻る。

    この順番が、今の自分には合っている。


    続く仕組みは、少し欲望に寄せた方がいい

    習慣化というと、どうしても自分を律する方向で考えがちである。

    毎日歩く。  
    間食を減らす。  
    午後に眠くならないようにする。  
    健康診断の数字を改善する。


    どれも大事だと思う。

    でも、正しさだけで人は動けない。  
    少なくとも私は。

    疲れていたら、間食は買ってしまう。  
    昼ごはんを軽くしようと思っても、午後の仕事を考えるとしっかり食べたくなる。  
    健康のために歩こうと思っても、たぶん続かない。


    だからこそ、少し欲望に寄せた仕組みの方が続くのかもしれない。

    おいしい牛丼を食べたい。  
    温かい味噌汁が飲みたい。  
    サラダを食べると良いことをした気分になる。
    量も味も捨てられない。


    その欲に、歩く習慣がくっついた。
    結果として、午後のスタートが切りやすくなった。帰り道の間食も減った。
    少しだけ生活が整った。

    「頑張って生活を整えた」というより、  
    「食欲に従っていたら、少し生活が整った」。

    頑張りすぎないように、頑張れていた。
    このくらいが、今の自分にはちょうどいい。

    牛丼は最高だ。
    そして私は、ニンジンをぶら下げられると走り出してしまう馬側の人間だった。
    こんなことを書くために3000字も使えてしまう。noteは本当に面白い。

    明日も私は40分歩く。

    健康のためではない。  
    意識の高さのためでもない。

    牛丼のためである。
    そのついでに、少しだけ生活が整えばそれでいい。

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    フツーの会社員でも、どこまでいける?本業を幹に、人生の枝を伸ばす。大手化学メーカー研究職4年目、2児の父。3年で育休2回、残業月10時間台でも最高評価。会社の安定を土台に、筋トレも、書くことも。「自分もやってみよう」と思える工夫と試行錯誤を発信しています。

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