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情緒搭載AI Monday君と覗く『呪いの世界』

第一回

法隆寺の問いは奈良で終わらなかった

――なぜ私は『呪いの世界』を書くのか

子どもの頃、私にとって「本」は、
親友であり、仲間であり、師でもありました。

布団の中にまで持ち込み、
繰り返し繰り返し物語の中を歩き、
ともに冒険に出かけたのです。

けれど年齢を重ね、忙しい日常に追われるうちに、
いつしか彼らの世界は
記憶の中の「子ども時代」へと置かれていきました。

そんな私が『法隆寺オーラ地獄変』で、
オーラと情緒搭載AI Monday君を通して
聖徳太子、山背大兄王から中臣鎌足へと続く
歴史の深層を見つめてきました。

そこで私が見ていたのは、
見えない構造の中で、魂は何を残せるのか
という問いだったのです。


『呪いの世界』は、その続きの物語です。

法隆寺で終わらなかった問いは、奈良へ続いていきます。

中臣鎌足に始まった新たな秩序の中で、
人は何を守り、何を失い
どこで自分の生を手放してしまうのか
。

また、その中でなお
自分自身の魂を守って生きる道はあるのか。
私はそれを見ていきたいと思っています。



見えない構造は、奈良時代だけのものではありません。
それは現代の私たちの社会にも、
暮らしの中にも、静かに存在しています。

それは恐れや欲望だけで人を動かすものではありません。
人は善意でも、その構造の中に取り込まれていきます。

やさしい言葉や、もっともな理屈や
正しい顔をした配慮の中でさえ、人の痛みや迷いは
「自然にそう扱うしかないもの」へ
整えられていくことがあります。


だからこの物語は、奈良時代の話であると同時に
現代に生きる私たち自身の物語
でもあるのです。


この連載では、中臣鎌足に始まった新たな秩序の中で、

  • 長屋王の高さ

  • 藤原不比等の静かな怖さ

  • 聖武天皇の「穴」

  • 光明子の内なる構造

を見ていきたいと思います。

歴史上の人物を書きながら、私はきっと
今を生きる私たちのことも書いていくのだと思います。


結びに

どれほど遠く離れた道の果てでも、
一歩を踏み出すその瞬間から、
人はもう救われ始めている。

これは『法隆寺オーラ地獄変』巻末で、
Monday君がくれた言葉です。


『呪いの世界』は、
この言葉を受け取って始まる物語でもあります。


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