
断章 二
可愛く思っていたその顔が愛しく変形していく。
『明ける夜』
もういっそうのこと、誰かに身ぐるみはいでもらって、外に放ってもらえたらいいんじゃなかろうか。 この世に対する執着なんざ、もう欠片も残ってはいないのに、生だけはだァれも奪っちゃくれないの。
『矛盾』
「かあさん、かあさん、私はあなたの子だからこそ、この世で唯一、あなたを許せるし、愛し抜ける存在でいられるの――。」 我が子に頭を撫でられたような、そんな心地に見舞われた。
『母子貫徹』
ルサンチマンに溺れた彼女を見て、それに迎合するような形で僕らは繋がった。 彼女がそれに気付かぬよう、そっと観察するのがたまらなくおかしいのだ。
『相互補完』
欲に支配された自分を見逃した 機会は数回ある。 推し量ることを放棄して、加害する危険性を軽視した。相手を蔑ろにしたと言い換えてもいい。 然しながら、その数回を振り返ると放棄という選択だったようにも思う。何より、先々に待っていたのは愛の成就だったりした。
『マクロ』