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【📨質問箱に回答してみた】SEOはGoogle製品の知識? ツールが変わっても残る、検索の専門性

    こんにちは。フリーランスでSEOコンサルタントをしながら、『悪役令嬢、生成AI時代にあえてSEOを学ぶ』というSEO小説を執筆している、リセット(@atelier_reset)です。

    さて、noteの「質問箱」に寄せられた中から、今回は「SEOの専門性」に関するご質問にお答えします。

    今回の質問:SEOはGoogle検索のことだけ?

    今回の質問は、
    「Q. SEOは、Google提供の検索サービスの製品知識とは異なりますか?ツールが変わっても変わらない普遍の専門性はありますか?」
    というものです。

    📨 回答

    ご質問ありがとうございます!

    はい、普遍的な専門性は、間違いなくあります。

    もちろん、Google Search Consoleの使い方や、Bing Webmaster Toolsの仕様、各種SEOツールのデータを読むスキルは、実務ではとても大切です。けれど、それらはあくまで「車を運転するための計器の見方」のようなものにすぎません。

    私が考えるSEOの普遍的な専門性とは、
    「人が何を、どんな言葉や文脈で探しているのか」を深く理解し、必要な情報に迷わずたどり着けるよう、情報を整理して届ける力です。

    なぜツールやプラットフォームが変わっても、その専門性が失われにくいのか。検索の歴史や身近な例を交えながら、お話ししてみます。


    1. ツールは変わる

    「SEO=Google対策」と捉えられがちです。

    実際、SEOと関連の深いGoogle提供のツールといえば、検索パフォーマンスを分析するGoogle Search Consoleや、アクセス解析のGA4(Google Analytics)が有名です。

    Webに関わる方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。もしこの二つのツールを人にたとえるなら、このような感じになります。

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    検索結果で見つけられるまでを見守る今幸子(左)と、
    サイトを訪れた人の行動を読み解くサラ・チャール(右)。
    二人は頼れる観測者ですが、数字から次の一手を考えるのは、人間の仕事です。

    (左)Google Search Console:担当は今 幸子(こん さちこ)さん。
    彼女は検索結果で、あなたのサイトがどのような言葉で表示され、どれくらい選ばれたかを見守る人です。
    幸子「ユーザーが検索結果に出会うまでのことなら、お伝えできますよ」

    おまけ情報:日本人。名前の由来はSearch Console(サーチコンソール)を
    略して「サチコ」とSEO界隈の人が呼ぶことから。

    (右)GA4 :担当はサラ・チャールさん。
    彼女は、サイトを訪れた人が、その後どのページを読み、どこで立ち止まり、どんな行動をしたのかを数字から読み解きます。
    サラ「ユーザーがサイトを訪問。どの流入経路から辿り着き、どのページを見たか。サイト内で何が起きたかは、私が見ています」

    おまけ情報:インド系。名前の由来は、知恵の女神サラスヴァティー
    と、ヒンドゥー語で「4」を意味する「चार (chār)」から。

    二人はとても頼れる観測者です。

    けれど、二人が渡してくれる数字だけでは、「次に何を変えるべきか」までは決まりません。数字を手がかりに、ユーザーが何を求め、どこで迷い、どんな情報なら役に立つのかを考える人が必要です。


    また、検索の世界はGoogleのツールだけで完結しているわけではありません。Microsoftも、Bing向けにBing Webmaster Toolsを提供していますし、世の中には多種多様なSEO分析ツールがあります。ツールごとに画面の設計も、確認できる指標や機能も異なります。


    検索エンジンのシェアも不変ではありません。

    Statcounterの日本におけるデスクトップ検索シェア推計を見ると、2026年7月はGoogleが50.46%、Bingが44.83%でした。PC環境では、Bingの存在感も非常に大きくなっています。

    もしも「Google Search Consoleの特定のボタンの押し方」や「GA4の特定の画面操作」だけを自分の専門性にしてしまうと、仕様変更やシェアの変動が起きたときに、立ち行かなくなるかもしれません。


    一方で、検索エンジンが情報を扱ううえで、共通して確認したい基本があります。

    • サイト内の重要なページやファイルを伝えるために、XMLサイトマップを整える

    • クローラーがページを発見し、巡回しやすい構造をつくる

    • ページが適切に処理・インデックスされる状態を保つ

    • ユーザーにも検索システムにも内容が伝わるよう、情報を整理する

    Googleは、サイトマップを、重要なページ・動画・画像などの情報を検索エンジンへ伝えるファイルとして説明しています。ただし、内部リンクが十分に整った小規模サイトでは必須ではなく、規模やサイト構造に応じて活用するものです。

     参考:サイトマップについて | Google 検索セントラル


    検索エンジンごとに細かな仕様は異なります。それでも、「システムが情報をどう発見し、理解し、必要な人へ返すのか」という構造を理解することは、特定の画面操作を覚える以上に、長く使える専門性の核になります。

    構造化データで使われるSchema.orgも、Googleだけの仕様ではありません。Google、Microsoft、Yahoo、Yandexなどが立ち上げに関わった共通語彙であり、情報を機械が理解しやすい形で伝えるという発想は、複数のプラットフォームにまたがっています。


    2. 私たちは日常のあらゆる場所で「検索」している

    そもそも検索は、Googleの検索窓の中だけで行われているわけではありません。

    私たちは普段、驚くほどたくさんの「検索」に囲まれて暮らしています。

    • ECサイトで、欲しい洋服や本を探す

    • 求人サイトで、希望する職種や勤務地を絞り込む

    • 社内のナレッジベースやチャットツールから、過去の議事録を探す

    • 音楽アプリで、今の気分に合う曲を探す

    • 図書館の端末で、読みたい本を探す


    Googleほど大規模な検索システムかどうかは別として、そこではいつも、「探している人が投げかけた言葉」と「データベースに登録されている情報」を結び付ける仕組みが動いています。

    どんなプラットフォームであっても、そこには必ず「探す人」と「情報を届けたい側」がいます。その二者を出会わせるための設計思想こそが、SEO、つまり検索最適化の原点です。


    3. 図書館の蔵書検索から考える「検索の進化」

    少し個人的な昔話をさせてください。

    私が学生だった頃、図書館の蔵書検索システム、いわゆるOPACは、今よりずっと厳密で融通が利かないものでした。書名や著者名が正確に分かっていなければ探しにくく、初期にはカタカナで入力しなければならない場面もありました。

    探している本は、そこにあるはずなのに。

    言葉が少し違うだけで、出会えない。そんな不便さを、私は肌で感じていました。


    いまは、少し表記が揺れていても候補を示してくれたり、曖昧な言葉から関連情報へ案内してくれたりする検索に、私たちは慣れています。

    たとえば、国立国会図書館の検索システム「NDLサーチ」では、タイトルだけでなく、著者、出版者、件名、目次などを横断してキーワード検索できます。検索項目を追加したり、資料種別を絞り込んだり、AND/OR/NOT検索を使ったりもできます。

    余談ですが、拙著『悪役令嬢、生成AI時代にあえてSEOを学ぶ』のペーパーバック版を、先日、国立国会図書館へ納本してきました。

    NDLサーチの検索窓に「悪役令嬢 SEO」と入れていただくと、見つけていただけると思います。

    無事に、
     ・件名標目「検索エンジン最適化」
     ・NDC10版の分類「007.58:情報学.情報科学」
    として登録されていました。

    「悪役令嬢SEO」という、少し変わった名前の本にも、図書館の世界では件名と分類という居場所が与えられる。これは著者として、とても嬉しい発見でした。

    (納本制度については、そのうち記事にする予定です🖋️)

    これは、検索する人間が急に正確な言葉を使えるようになったからではありません。検索システム側が、情報を細かく整理し、検索する人が必要な情報へ近づけるよう工夫を重ねてきたからです。


    拙作のSEO小説『悪役令嬢、生成AI時代にあえてSEOを学ぶ』の中でも、検索エンジンを「巨大な図書館の賢い司書(ググリ)」として描きました。

    司書がどれほど優秀でも、「どんな本がここにあるのか」という目録、つまりメタデータやHTMLの構造がでたらめであれば、正しい本を棚から取り出すことは難しくなります。

    司書、つまり検索エンジンが理解しやすいように、情報を整えて手渡す。

    この仕事は、昔も今も変わらない専門性なのだと思います。


    4. 「鶏の唐揚げ」にみる、言葉の架け橋

    では、具体的に「検索を最適化する」とは、現場で何をしているのでしょうか。

    身近な例として、料理レシピサイトで「鶏の唐揚げ」を探す場面を想像してみてください。

    検索窓へ入力する言葉は、人によって違います。

    • 鶏の唐揚げ

    • とり肉 唐揚げ

    • 鶏もも からあげ

    • とりもも 揚げ物

    一方、レシピを投稿する側は、「絶品!鶏もも肉のから揚げ」というタイトルで登録しているかもしれません。

    もしサイト内検索が、表記揺れや近い言葉をまったく考慮せず、登録された文字列と完全に一致した場合だけを返す仕組みだったらどうでしょうか。

    「とり肉」「鶏肉」「トリ肉」
     「鶏もも」「とりもも」 「鶏モモ」
    「からあげ」「唐揚げ」…。

    ……そういえば、「竜田揚げ」ってどう扱う?

    こうした言葉の違いによって、せっかくおいしいレシピがあるのに、目的のページへたどり着きにくくなるかもしれません。


    だからこそ、サイトをつくる側は考えます。

    • タイトルや説明文に、ユーザーが使いそうな自然な言葉をどう含めるか

    • 材料名を、どのような表記で整理して登録するか

    • 「お弁当」「おつまみ」「揚げ物」といったカテゴリやタグを、どう設計するか

    • 表記揺れ、同義語、検索候補を、サイト内検索でどこまで扱うか


    これはGoogle検索の順位を上げる施策とは少し違って見えるかもしれません。でも、根っこにある仕事は同じです。

    「ユーザーが心の中でつぶやいている言葉」と「こちらが持っている価値」のあいだに、通訳として入る。

    そして、両者がすれ違わないよう、情報を整理して交通整理をする。この視点があるかどうかで、情報の見つけやすさは変わります。


    ⚙️ おわりに:ツールが変わっても残るもの

    もちろん、Web検索には、クロール、レンダリング、インデックス、HTML、構造化データ、内部リンク設計といった、Web固有の技術的専門性があります。

    これらを理解し、エンジニアや制作チームと共通言語で会話できることは、プロとして大切なスキルです。

    Google検索も、クローラーがWeb上のページを発見し、テキスト・画像・動画などを処理・インデックスし、検索語句との関連性などを踏まえて検索結果を返す仕組みで動いています。

     参考:Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について | Google 検索セントラル


    けれど、特定ツールの管理画面の使い方や、小手先のテクニックだけを覚えても、それだけで本当の専門性になるわけではありません。


    • 人がどんな瞬間に、どんな言葉や方法で情報を探そうとするのかを想像する力

    • その問いに対して、誠実で分かりやすい形に情報を構造化する力

    • 情報を探す人と、価値を届けたい人を、迷わせずに出会わせる力

    • 数字を観測し、そこから次に調べるべきことを考える力


    たとえ検索の主役がGoogleからBingへ移るときが来ても、AIによる対話型の探索が広がっても、全く新しいデバイスが登場しても、この力は持ち運べます。


    SEOとは、Search Engine Optimization、検索エンジン最適化であると同時に、私にとっては Search for Each Other、お互いを見つけ合うための仕事です。

    ツールが変わっても色褪せにくい専門性の正体は、画面の向こう側にいる人間への深い解像度にあるのだと、私は思っています。



    📨質問箱を使ってみよう!

    note質問箱では、SEOへの素朴な疑問から、noteに掲載しているSEO小説についての質問まで、幅広くお答えしています。
    (ただし、多くて1日1問ペース。土日はお休みしちゃうかも)

    例えば、こんな質問にも……!

    回答まで少しお時間をいただくこともありますが、気長にお待ちいただけるとうれしいです。



    📚 SEOのこと、エンタメにしちゃいました!

    📕物語で学ぶSEO『悪役令嬢、生成AI時代にあえてSEOを学ぶ』

    📗続編も!『悪役令嬢、生成AI時代にあえてSEOを学ぶ2』

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