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パリの、もうちょっと美味しいもの「ブノワ」

    ルーヴル美術館を出て10分ほど街並みを歩き、
    塔のある公園を過ぎて左に曲がると、
    シックな深緑の壁と赤い屋根が見えてくる。

    屋根に書かれている店の名前は、
    Benoit Paris。

    100年以上の歴史を誇る、ブノワのパリ本店。
    現在ではアラン・デュカスの傘下に入り、
    ミシュランの1ツ星を獲得している。

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    シックな外見のブノワ本店。

    店内はパリの老舗特有の狭さで、
    特に2階へ上がる奥の階段は
    酔っている時には危険な勾配である。

    しかしテーブルを動かして席に滑り込めば、
    この景色がお出迎え。

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    1階奥はアール・ヌーヴォー風のガラスが美しく、
    落ち着いた雰囲気。
    アンダープレートにはブノワの“B”が描かれている。


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    2階はまた違った雰囲気。
    奥にあるお手洗いも可愛らしいので覗いてみては。

    訪れた時のランチでは、意外なことに
    肉料理よりも魚料理の方が美味しく感じられた。

    前菜の鯖のエスカベッシェはお酢が効いていて、
    旅で疲れた体がリフレッシュされるよう。
    メインの鯛は、皮はパリパリ、身はふっくらで、
    柑橘の爽やかさとチコリの苦味がいいアクセントになっている。

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    前菜の鯖のエスカベッシェ。
    かなりお酢が効いていて、疲れた体にしみわたる。


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    メインの鯛のソテー。
    皮のパリパリが伝わるだろうか。
    奥は牛肉と季節野菜のポトフ。

    昔はフレンチといえば
    肉に濃厚なソース、量もたっぷりで重い——
    というイメージだったが、
    洗練された現代のフレンチでは稀である。

    ここブノワも、特にランチのコースは
    味も量も軽やかで、
    日本人でも楽しく完食できるだろう。

    ただし、食い意地を張らずに
    大人しくコースだけに留めておけば、の話である。

    我々のデザートは、
    いつも1人1品では終わらない。
    太っちょたる所以である。

    ランチデザートに追加で頼んだのは、
    ここブノワのシグネチャーでもある
    ミルフィーユ。

    こんがり好きの“あすやせ”にはたまらない、
    パリパリを通りすぎ、
    もはやバリバリの厚いパイ生地に
    バニラクリームが挟まれている。
    どうやって食せばいいかと迷いながら
    ナイフとフォークで崩して口に放り込めば、
    一気に至福の境地に達する。

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    至福のミルフィーユ。
    訪れた全人類がオーダーすべき一品。

    ランチデザートも負けてはいない。
    大好物のババにかけるお酒は
    2種類の中から選ばせてくれる。
    すでにワインで出来上がったところに
    英語またはフランス語でペラペラ〜と聞かれるので、
    唯一聞き取れる単語の「バニラ」とだけ返せば
    ビンテージのアルマニャックを
    たっぷりと振りかけてくれる。

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    ババを見つければすかさず頼む。
    たっぷりのホイップクリームも軽やかで
    ペロリと平らげる。
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    こちらがバニラの香るアルマニャック。
    アルコール度数は驚きの40%。

    最後にカフェで締めようとすると、
    お茶菓子にマドレーヌをすすめられる。
    これも素朴な美味しさで断れないのです。

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    この日は珍しくカフェオレ。
    マドレーヌとの相性は抜群である。

    かくして、いつものように
    まんまるのお腹を抱えて店を出ることになる。

    この後は、腹ごなしに
    セーヌ川まで散歩に出かけるのもオツである。
    酔っ払いすぎたら「ちょっと寝るわ」と
    河岸で横になっても構わないだろう。
    散歩中の犬があなたをクンクンと嗅ぎ回るだろうが、
    気にしなくてよろしい。

    すべてツレが撮った写真で知った、
    昔の“あすやせ”のように。

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    右が転がるあすやせ。
    さすがにお見苦しいので加工しました。
    遠くで飼い主が心配そうに愛犬を見守っている。

    (最後の写真:ツレ、それ以外:筆者)

     
     
    女。生まれた時からぽっちゃり人生。 そのままアラフィフになりました。 仕事して、食べて、飲んで、 行き詰まったら旅に出る。 膨らんだり萎んだりしながら、 ダイエットを口実に人生を書いています。 ※当コンテンツの全ての 文・写真の無断転載、 無断引用はご遠慮ください

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