
詩 _ 「とりと幸福」
幸福は雲のうえで遊んでいた
通りかかったとりが
旅に出ないかと誘う
幸福がとりの背にふれると
はじめて知る感覚に
とりはぶるるとふるえた
とくべつなものをみつけたときの
うれしいきもちによく似ている
とりはとても好きな場所を見せたくて
たくさん飛んだ
幸福ともっといっしょにいたいと思った
だけどそれを言ってはいけない気がして
その気持ちをつばさのうらに隠した
風が強くなるから気をつけてと言うと
幸福に守られているような感覚がうまれた
幸福はなにもいわないけれど
いっしょにいると
りぼんのかかった箱をあけるときみたいだ
この気持ちはなんとよぶのだろう
静かにかさなっていく時間を
つばさのぜんぶで覚えていく
くものうえにいた幸福
偶然出会った
通り過ぎずに声をかけた
とりははじめて知った気持ちのことを
ずっと考えている
幸福は今日もくものうえで遊んでいる
とりと出会った場所にいる