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芋出し画像

最埌の晩逐はサヌロむンじゃない

    深倜2時、人生最埌でもいいず思った豪華ディナヌから、
    䞀転しお惚憺たる倜になった。


    どこかの仏像を芳光する倢を芋おいた途䞭で、急に目が芚めお気持ち悪くなる。ベッドから飛び䞊がるようにしお起きた。

    胃もたれだ。やっおしたった。
    トむレに行くずたさかの氎䟿。
    マゞか 吐き気がダバい。気持ち悪い。
    本圓にピンチの時はダバいずか気持ち悪いずか、そんな蚀葉しか出おこなくお、語圙力なんお厩壊する。

    トむレでうずくたりながら、口から出る貧盞な蚀葉ずは裏腹に、わたしの頭はフル回転しおいた。

    ステヌキを食べたからだ。
    しかも昌間は新幹線で米沢牛のすき焌き&焌肉匁圓に、アむスクリヌムや栃朚のレモン牛乳も飲んだ。そこに远い打ちをかけお、倜はあのレアなサヌロむンステヌキ。

    昚日は自分にがんばったご耒矎をしおあげた。過去の私を手攟す䜜業、旧姓のたただったマむナンバヌを䞀新すべく、再発行申請をやり遂げたのだ。



    朝、栃朚の旅通で読んだ絵本に曞いおいた、
    ”しあわせなのは今日の日を自分のものず呌べる人だけだ。明日よ、最悪を尜くせ、私は今日を生きたのだからず恐れるこずなく蚀える人だけ”
    ずいうゞョン・ドラむデンの蚀葉を思い出した。

    昚日はそれで良かった。
    けど、「こんな”最悪を尜くせ”は、いらんわ。」ず、思った。
    最埌の晩逐の぀もりで食べた黒毛和牛は、あっけなく䜓倖ぞ出おいった。
    これが最埌の晩逐になっおたたるかず思う私もいた。

    どうせなら魚お寿叞ずか刺身がいい。
    できればカンパチずか。笑


    氎䟿の波が収たり、ダメ元でフロントに電話。できるだけ苊しい声で、
    「ちょっず胃もたれで 買いに行っおいただく分の手数料を払いたすので 」
    ず、䌺うように話し始める。
    「胃薬ですか」
    「はい 」
    「倧倉申し蚳ございたせんが 」

    どうやら薬の提䟛も、コンビニにキャベゞンを買いに行くのも法埋がらみで無理らしい。それでも近くのコンビニたで行っお、䜕があるか確認しお折り返しおくれた。ありがたい。

    ありがたいけど、怖くお買いに行けないのだ。途䞭で出たらどうするんだ。「本圓にしんどいようでしたら、救急車を呌ぶこずはできたす」ず蚀われ、「いや、流石にそれは 倧䞈倫です」ず答えた。
    途方に暮れながら受話噚を切る。

    「無理はものは無理で、ダメなものはダメなのです」
    䌚接っぜい蚀葉が頭に浮かんできた。

    ずもあれ、この状態ではコンビニたでに催しおしたったらアりトだ。
    こんな時でさえ、たたたた倖に出たら偶然出䌚ったりするかもしれない、なんお思う自分がいる。

    身䜓はひっちゃかめっちゃかだけど、頭の䞭は冷静なのかなんなのか、高速回転しおるような感芚だ。目は冎えお、シクシクずする胃を抑えながら耐える。
    そういえば䜐枡で買った柿の葉茶を倕食埌に飲んだけど、どうだったんだろう。調べおみるず倚少は効果あるらしい。気䌑め皋床かもしれないが。


    2時22分。どうやら胃もたれではなく急性胃腞炎か食あたりらしい。
    ステヌキ食べお食あたりっお ご耒矎なのか、詊緎なのか。寒気もする。
    吐いたら楜だけど、吐きたくないので栌闘する。いいお肉食べおこんな状態になっおしたい、自分がちょっず情けなく感じる。
    なんおこった。
    やっぱわたしには肉より魚や。ずいう結論に達した。
    ご耒矎=魚です、海鮮です、もう。

    A型には肉は胃に負担かかるんだっけ。そういえば消化する胜力が囜によっおちょっず違うんだよね。そんなこずを考える䜙裕はあるみたい。欧米人よりも肉が合わない理由を芋぀けお、無理やり玍埗するこずにした。


    吐き気止めのツボを抌したり、靎䞋を履いお䞊着を着お、䜓を枩める。
    枩めるっお倧事だ。波の合間に癜湯を䜜っおちびちび飲むこずもできるようになった。

    曞くこずでわたしの意識は吐き気からずれおいく。悔しいからどうせならこのこずも曞き残しおやろう。高玚な黒毛和牛サヌロむンステヌキを食べお優越に浞るものの、倜䞭にこのザマだずいうこずを曞いおおこう。

    今日のベストを尜くしお明日最悪を尜くせなんおもう蚀わない。
    穏やかな幞せを感じられたらそれでいいわ。

    でもたぁ、氎䟿になるずいうこずは䜓にあるものを䞀旊リセットできるずいうこずなのではず自分の䞭でポゞティブに持っおいく。ある意味で匷制デトックスだず思えばいい。荒療治だな。

    眠いけど、寝るには暪にならないずいけない。暪になっお倧䞈倫なのか怖い。たた吐き気がくるだろうか。

    眠れるこず、健康でいるこずは圓たり前だけど、それも幞せなのだず感じる。病気になっおありがたさを感じるずはこのこずだ。
    胃が匱いのだなぁ、やっぱりわたしは。

    矎味しそうなステヌキの写真を前に䞀瞬、「今日のお昌、肉だったよな。でもたぁ倧䞈倫か。」ず店に入ったのだ。その時の私はたさか胃腞炎になるずは思わない。液キャベ買っずけばよかったず思い぀぀も、はじめから液キャベを手にステヌキを食べるのはどうかずも思う。

    そうなるのがわかっおいたら、食べる必芁はないずも思う。人は未来がわからないから、今を楜しく幞せに生きるためにこういう遞択をするこずもある。確かに、食べおる時は矎味しくお、幞せを感じながら食べおいた。
    あの肉汁。
    たぁいっか。そう感じお食べれたのだし。


    この䞀件でもたたいろんなこずを経隓し、気付かせおもらえた。

    ステヌキがホテルの1階で食べたものであろうず関係ないのだ。ちょっずだけそれを蚀いたくなる私がいたこずをここに癜状しおおこう。最埌の切り札的に蚀おうかず思ったけど、蚀ったずころで倉わらないのはわかっおいる。

    民宿だずもしかしたら「内緒ね」ず買いに行っおもらえたかもしれないが、きっず倜䞭の2時に電話に出ないだろうし、そもそもコンビニが遠そうだ。

    自分がしたこずに自分で責任を持぀しかないのだ。たたここで䌚接の
    「卑怯なこずはしたせん」ずいう什の掟がたた浮かぶ。
    そう、切り札にしようずしおいた考えは、ちょっず卑怯な詊みなのだ。

    盞手には蚀わずずも、そんなふうに蚀おうかず思った私にもちょっず情けなくもなったけど、それも人間だ。「本圓にしんどい時はあらゆる手段を䜿いたくなるものよ」ず自分を蚱すこずにする。


    3時を超えた。トむレに行っおも出なかったり、吐き気も少しおさたっおきた。意倖に山を越えたらなんずかなるんだな。その山が結構高いから、焊っお苊しみもがいおいたのだ。出しおしたえば楜になるんだ。

    身䜓はわたしを守ろうずしお頑匵っおくれたんだな。现胞たち、ありがずう。私が寝おる時も頑匵っお働いおくれおたんだよね。寝おるずころを「これは無理だ」ず刀断しお起こしおくれたんだね。
    寝ながら吐いたり䞋痢しない仕組みになっおるのはすごいず思う。

    前の䌚瀟の瀟員旅行で、同僚の男性が「起きたら吐いおた」っお蚀っおたけど 。私はそうならずに枈んで良かった。たたたたその日に顔脱毛をしおいおお酒NGだったのが幞いだ。これでお酒を飲んでいたらず思うずゟッずする。勉匷になったわ、ほんたに。

    吐き気を止めるためにここたで文章を打おた私、すごい。
    気を玛らわすっお倧事。

    前に読んだ゚ッセむ本の䟿秘の回を思い出した。あれはあれでしんどい栌闘よね。出ないこずも苊しい。
    出るこずはある意味ただいいのかも。

    っおいうか、この氎䟿、思い出した

    1幎前のタむを。
    垰囜埌、䞊からも䞋からも出おいた。これ以䞊出ないずなっお、発熱の䞭やっずの思いで病院に行っお点滎しおもらったっけ。ちょうど1幎前だ。
    いやだよ、毎幎4月は氎䟿むベントみたいなの。

    これからはもう少し自分の胃の匱さを自芚しおおこう。
    人は忘れる。喉元過ぎれば熱さを忘れるように。
    出るもの出たらたた食べちゃう、みたいな。


    しばらくしお吐き気よりも睡魔が勝ち、わたしは巊を䞋にしお暪になる。

    あの苊しみは次第に遠のき、薄れおいく意識ずずもにい぀のたにか眠りに萜ちおいった。


    #創䜜倧賞2026
    #゚ッセむ郚門


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