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Photo bychibimayu

Oh yeahカルキずドラむバヌ

    掗面台のカルキ汚れず激闘の末、私は勝利した。
    軜い腰痛ず、それなりの右腕の痛みを䞊回る、達成感。
    満足である。

    私は過去に、䜕冊もの掃陀本を買っおきた。
    こんな堎所は、こうするずいいよ。
    こういう汚れは、この掗剀がいいよ。
    䞖の䞭には、そういうこずを懇切䞁寧に教えおくれる本があるのだ。

    もちろん掃陀をしなければ、ずいう気持ちがマックスのずきに買う。
    この手の本は定期的に発行されるから、私も自然ず定期的に買っおいた。

    そしお隅から隅たで読んで「すごいなあ、そんな技が」ず感心しお本を閉じるのである。

    同じ「隅から隅たで」なら、どこか䞀ヶ所でも「隅から隅たで」掃陀すればよかったのだが、本を䞀冊読み終えた頃には䞀床に抌し寄せた倧量の有甚な情報に抌し倒されお、もう実行に移す゚ネルギヌは残っおいなかった。

    私もダンナも掃陀は苊手だから、あたりしない。
    ずうぜん汚れがたたっおいく。

    䞀時期、私のなかのメむンキヌワヌドが「ナチュラル」ずか「䞁寧な暮らし」だったこずもあり、家にある掗剀は環境に優しい系が倚い。
    環境に優しいものは、人間にも優しい。
    家族そろっおアレルギヌ䜓質な我が家では、優しい掗剀が嬉しい。

    ずころが、こために掃陀しないず汚れがこびり぀いおしたう。
    たたの倧掃陀で優しい掗剀を䜿っおも、萜ちない。
    そういうものかず、あきらめる。

    それの繰り返しで、長幎の汚れを蓄積させるこずになっおいた。


    最近、掗面ボりルのオヌバヌフロヌためすぎた氎を排出する穎の汚れが気になるようになった。
    掗面ボりルや蛇口の根元だけではなく、気になるずころがさらに増えおしたった。

    なにしろ築二十幎の我が家である。
    掗面台の汚れも二十幎  ずたでは蚀わないが、掃陀嫌いの玠人が萜ずしきれずに積もった汚れは盞圓なものだ。

    圓面、匕っ越す予定もないし、思い切っお掗面台をリフォヌムしようずいう予定もない。
    ずいうこずは、このたた䜿うしかない。

    しかし、このたた䜿うには、あたりにもひどい。
    汚れを芋るたびにテンションが䞋がり、心にも汚れがたたっおいくような気がする。

    家族がこの件に぀いおどう思っおいるかはただ聞いおいないが、この汚れを芋るこずで心が汚れおしたっおは申し蚳ない。
    たた逆に汚れおいるこずに気づいおいないなら、それはそれで目が曇っおいるからどうにかしたい。

    どうしたものかず思っおいたら、本棚にいいものを芋぀けた。
    幎末に賌入しおいた掃陀本である。

    䞁寧に、郚屋別・家具や家電別・汚れの皮類別などに掃陀の仕方が曞いおある。

    さっそく掗面所のペヌゞを開くず、掗面ボりル付近はカルキ汚れだから、基本的には研磚しろず曞いおある。芁玄

    予想どおり、ステップの歯磚き粉䜜戊では、なんの倉化もない。
    我が家の蓄積をなめおもらっおは困る。

    すぐにステップの玙やすりに移った。
    我が家の道具箱には玙やすり各皮がある。
    モノをすぐに凊分せずにため蟌むのも、たたにはいいこずがある。

    玙やすりは、目が䞀番现かいのから詊した。
    汚れは萜ずしたいが掗面ボりルそのものに傷を぀けたくない。

    曇っおいた蛇口皋床なら、これで優しくこするずピカピカになった。
    しかし蛇口の根元呚蟺の固いカルキ汚れは、たったく倪刀打ちできない。

    そこで私は奥の手を䜿うこずにした。
    もう䞀床道具箱に戻り、マむナスドラむバヌを持ち出したのだ。

    これは本圓に奥の手である。
    どんな掃陀本にも、絶察にドラむバヌを䜿えずは曞いおなかった。
    傷を぀けおしたう危険性ず隣り合わせだからだ。

    傷が぀いおも、人間の皮膚のように自然に再生しおくれる。
    そのような掗面ボりルが登堎しおくれればいいが、そんなものはない。
    珟実的には、汚れが぀きにくい掗面ボりルのほうが開発しおもらえる可胜性が高そうだ。

    掗面ボりルに぀いた傷は二床ず治癒するこずなく、以埌その傷には汚れがたたる。
    そしおその汚れを萜ずすのは困難を極める。

    ああ、傷なんか぀けなければよかった。
    毎朝、毎晩、埌悔する。
    そういう未来が埅っおいる。

    だから、気を぀けおドラむバヌを握りしめる。
    自己責任である。

    こびり぀きがひどいずころは、ビキニの氎着のように倧胆に。
    少し萜ちおきたら、スクヌル氎着のように萜ち着いお。
    だいぶ萜ちおきたら、ラッシュガヌドを着蟌んで慎重に。

    さらにラッシュガヌドを着蟌んだドラむバヌの次は、少し粗目の玙やすりを䜿う。
    最埌は䞀番现かい玙やすりで仕䞊げる。

    ふう、やり遂げた。

    せっかくだから掃陀前の写真を撮っおおけばよかったなあ。
    でも家族は写真なんかなくおも倧䞈倫。
    きっず驚いおくれるだろう。

    わくわくしながら、家族の垰りを埅った。

    先に垰宅したのは倧孊生の息子だ。
    「ねえ、芋おみお。掃陀、すっごい頑匵ったの」
    じゃヌんず効果音が぀きそうな勢いで掗面所のドアを開けた。

    息子は数秒沈黙しおから「どこ」ず蚀った。
    どこが掃陀されたのか、分からないらしい。

    どうしお。なんで。そんなこずっおある

    次に垰宅したのは倫だ。
    颚呂に入ろうずするずころを慌おお匕きずめ、䞀生懞呜に掗面台を指さした。

    倫は「うんうん。キレむになったねヌ」ず蚀いながら济宀に消えおいった。
    なんか、それ、感動が足りない

    でも、いいや。
    私自身は颚呂から出おピカピカの掗面台を芋たずき、心が浮き立った。

    もし私がバレリヌナだったら、絶察螊ったず思う。
    掗面所で、颚呂あがりにくるくるたわるアラフィフ女。

    いいじゃないか。
    ゎキゲンなんだもの。
    裞で螊っおたっお、誰にも芋られるこずはない。

    カルキ汚れが石のようになった掗面台。
    曇りすぎおたったく光らない蛇口。
    今倜からは、君たちずはおさらばなのさ。

    ぎかぎかの掗面台だよ。
    ほら、鳥も花も、䞖界䞭のすべおが埮笑んでる。
    茝く明日に向かっお駆けだそう。

    Oh yeah


    翌朝、台所の流しが気になった。




     
     
    日垞の゚ッセむや、本・ドラマの感想を曞いおいたす。ナヌモアがあり぀぀も静けさの残る文章をめざしおいたす。

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