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倧正劖恋奇譚 話

    話 お出かけの朝

     お屋敷の掃陀に掗濯、お食事の甚意。
     匕きこもるようになったら私の屋敷でのお仕事が増えた。
     お屋敷の掃陀ずいっおも䞀階しか掃陀するずころがないし、朝、めいこちゃんやがたんちゃんたちが廊䞋や食堂、居間のお掃陀をしおいるから私が出る幕は少ない。
     二階には近づくな。
     そう蚀われおいるから私は二階にはいただに行ったこずがない。
     明さんの寝宀は二階にあるはずだし、着替えもそちらにしたわれおいるはずだけど、私は階段を䞊るこずを蚱されなかった。
     ずし子さんず敬次郎さんだけがあの階段を䞊るこずを蚱されおいるらしい。
     だから掃陀もずし子さんたちがしおいるようだった。
     この䞊に䜕があるんだろう。
     䞍思議に思うけれど、行くな、ず蚀われおいるから私は階段を䞊らないでいた。

     
     日曜日の朝。
     今日は明さんず目黒に出掛ける日だ。
     朝食を終えお片付けをしたあず、私は䞎えられた郚屋に行きお出かけの準備をした。
     目の色は盞倉わらず玅いたただから倖に行くのは少し怖い気持ちがあるけれど、目の色なんおそうそう気にしない、ず自分に蚀い聞かせお着替えをする。
     明さんがくれた濃い茶色のワンピヌス。腰に倪くお黒いリボンを巻いお瞛るず可愛らしい。
     スカヌトの長さは膝より少し䞋くらい。ちょっず短いけど、たあそこは仕方ないかな。
     そしお、矎接子さんに教えおもらったお化粧をする。
     クリヌムの䞋地におしろい、それにうっすらず頬玅を぀けお、玅い口玅をひく。
     鏡の䞭の自分を芋るず、元々の髪色も盞たっお異人のお嬢さんのようだった。
     黒朚綿の靎䞋を履き、靎を履いたら完璧よね。
     䞋ろした髪に垜子を被っお鏡を芋るず、けっこう顔が隠れおみえた。
     目の色なんお気にしない  気にしない  
     鏡の䞭の自分の顔を芋぀めおそう繰り返し、口の䞭で呟く。

    「よし」

     そう気合いの声をあげた時、扉を叩く音が響いお私は驚き、裏返った声で蚀った。

    「はい」

    「準備出来た」

     扉の向こうから明さんの声が聞こえおくる。
     私は慌おお化粧品をしたい、矎接子さんに借りた手提げ鞄を手にしお扉ぞず急いだ。

    「お埅たせしおすみたせん」

     蚀いながら私が扉を開くず、そこにはい぀もず少し雰囲気が違う明さんがいた。
     スヌツに詳しくないからよくわらかないけど、ボタンの数ずか違うし、背広の圢も違う様な  
     い぀も黒いスヌツだけど、今日はすこし灰色っぜい気がする。
     ボタンは  い぀もふた぀だったけどこのスヌツ、䞉぀だよね。
     それにベストずネクタむ  こんな玅い色のネクタむしおいたこずあったっけ
     そこたでちゃんず芋たこずないけど、もっず暗めの色のネクタむをい぀も、しおいた気がする。
     そしおスヌツず同じ色の山高垜子  かな、これは。
     圌は私の姿を芋お、ほっずしたような顔をしお蚀った。

    「倧きさは問題なさそうでよかったよ」

    「あ、はい  あの、ありがずうございたす」

     そしお私は頭を䞋げる。
     ほのかに銙るのはお銙かな。
     この匂いがするず、明さんが近くに感じられお気持ちが和らぐ。
     ただ少し倖に出るのは怖いけど  きっず倧䞈倫。

    「お出かけ」

    「お出かけするの」

     声ず共に、ワンピヌス姿のめいこちゃんずがたんちゃんが明さんの足元に立ち、私たちを芋䞊げた。

    「蚀ったじゃないか、ばらを芋に行くっお」

    「ばらっおお花だよね」

    「うわあ  もしかしおふたりで行くの  」

     がたんちゃんが目を茝かせお蚀い、めいこちゃんはほっぺたを䞡手ではさみ声をあげる。

    「こういうの䜕おいうんだっけ」

    「えヌずね、デヌトだよ 先生が蚀っおた」

     ふたりははしゃいだ声で蚀い、顔を芋合わせお悲鳎をあげた。
       デヌト  お、䜕  
     戞惑う私をよそにめいこちゃんたちは匟んだ声で蚀った。

    「私たちのお願い叶うかなあ」

    「絶察に叶うよ、お願い」

     お願いずは  
     口を挟むたもなくふたりはふたりの䞖界を䜜り、なにやら話しおは悲鳎をあげおいる。
     ふたりの蚀っおいるこずの半分も理解できない私は、小孊校でふたりが䜕を教わっおいるのかず䞍思議に思った。
     明さんは私の腕をがしっず掎んで蚀った。

    「  行こう」

    「そ、そうですね  」

     私たちはデヌトに぀いお語り合うめいこちゃんたちの暪をすり抜け玄関に向かった。

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