
【長編小説】 第2話:神様、初出勤 【転生したら、私が監修していた世界の神様でした】
転生したら、私が監修していた世界の神様でした
あらすじ
ゲームの監修者だった私が目を覚ますと、そこは自分が作り上げた世界だった。
しかも、私が世界を管理する神様?!
世界の運命は、私の『仕事』次第らしい。
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第2話 神様、初出勤
「これ、誰の采配……」
呟いた声が、想像より高かった。
自分の声じゃない。
慌てて自分の手を見る。
見覚えのない、白くて細い指。
袖からこぼれる紫のリボン。
近くにあった水面、なのか鏡なのかよく分からない光る板に、恐る恐る顔を映す。
映っていたのは、銀色の髪と、紫の瞳をした知らない少女だった。
フードのついた白い衣装に、紫の差し色。
育ちの良さそうな見た目で、少なくとも徹夜明けでコンビニのおにぎりを掻き込んでいた昨日の自分とは、似ても似つかない。
「……可愛い、けど誰?」
現実逃避気味にそう思った瞬間、後ろから声がした。
「本日より神格No.1として勤務していただきます」
振り返る。
白いスーツを着た女性。眼鏡。いかにも秘書、という佇まい。
「勤務?」
「はい」
「勤務」
「神様はお仕事です」
「ブラック企業?」
「年間休日は存在しません」
「帰る」
「無理です」
即答だった。食い気味だった。
しかも圧の強い笑顔。これもうブラック企業確定では。
「ちなみに前任者は?」
「おりません」
「え」
「あなたが初代です」
初代。
聞こえはいいけど、要するに前例がないってことだ。マニュアルもクレームの矛先も、全部これから私が作る側。
「とりあえず、お仕事の説明をいたします」
秘書が指をパチンと鳴らすと、目の前に光る板が浮かぶ。
一つ目、雨を降らせる
二つ目、奇跡を起こす
三つ目、勇者を導く
四つ目、住民の祈りを見る
「祈りを見る?見るだけ?」
「見るだけです」
見るだけって何。通知だけ来て返信できない状態と同じでは。
「ちなみに勇者は、今どこにいるの?」
板をタップする秘書。地図上に光る点。
「……自宅で寝てます」
「働け」
「本人は『そういう気分じゃない』そうです」
「気持ちまでわかるんだ….。魔王は?」
「畑仕事中です。今期のトマトの出来がいいらしく」
もう滅ぼす気ゼロだった。
「ラスボスは?」
「温泉旅館を経営しております。星4.2、口コミ好評です」
「ドラゴンは?」
「保育士です。園児からの人気、絶大です」
誰も、誰一人、脚本通りに動いていない。
「……あの、これ、ゲームの設定と全然違うんですけど」
秘書は表情を変えずに、一言だけ返した。
「はい。存じております」
その一言が、やけに重く響いた。
板の隅、赤い文字が点滅している。
世界崩壊まで、999日
あとがき
読んでくださりありがとうございます!
ドラゴンが保育士やってる園いってみたいな….
たぶん園児を傷つけないように爪とか短かったり、ツノにカバーつけたりしてます。
スキありがとうございます!励みになります💞
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