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何度来ても美しい美術館—リヒターから奈良美智まで—豊田市美術館 コレクション 2026年度 第I期

豊田市美術館でランチのあと、春の陽に誘われて庭園を散策。

どこから撮っても絵になる美術館
豊田市美術館といえば、ダニエル・ビュレン
2階から下の庭園を見下ろす
いつ見ても好きな風景
きらきら光る水しぶきに春を感じる
昨日の雨が作った水たまりがアートのように見えた

そろそろ館内に戻ろう。
豊田市美術館を訪れると、コレクション展も楽しみのひとつだ。
いつ来ても所蔵の現代アートを楽しませてくれる。

今回の「コレクション 2026年度 第I期」は、展示室外の作品から始まる。

小清水 漸《a tetrahedron-鋳鉄》

白い壁を背にして佇む感じがなんだかいい。

最初の展示スペースは、「櫃田伸也とコレクション」。
現在開催中の企画展「櫃田伸也-通り過ぎた風景」に関連した作品が並ぶ。

展示室に入り、まずこの作品に目を奪われた。

榎倉 康二《無題》
櫃田氏と同世代で、榎倉氏の作品に大きな影響を受けていたという

展示室の角にそっと佇む作品。
空間そのものを意識させられる。

中西 夏之《作品-たとえば波打ち際にてⅠ》
東京藝大在学中、同じ研究室の先輩で親交があった
折しも中西氏の回顧展もいま開催されている
手前 森北 伸《in between dreams》
左奥 高松 次郎《赤ん坊の影 No.122》
杉戸 洋《untitled》
現在弘前れんが倉庫美術館で展覧会を開催中
行きたい...

櫃田氏の教え子の一人、杉戸さんの作品。
杉戸さんの作品は、いつも私の心をとらえる。

村瀬 恭子《Flowery Planet》
立石 大河亜《約束の時間》
なんだか惹かれる作品
中西 夏之《山頂の石蹴り No.0》
再び中西氏の作品

そして、奈良さんの作品。

奈良 美智《Dream Time》

1988年の作品。
観ていると、不思議と心に力をもらえる。

フランシス・ベーコン《スフィンクス》
奈良さんの作品の隣に、ベーコン
奈良 美智《Through the Break in the Rain》
いつまでも観ていられる奈良さんの作品

仕切りの壁の先に進むと、リヒターの作品が迎えてくれる。

ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》

「8枚のガラス」の向こうに「mood」が展示されている。
気持ちの高まりを抑えながらスタッフの方に伺うと、あらたに収蔵されたとのこと。

奥の作品 ゲルハルト・リヒター《ムード》
(ワコウ・ワークス・オブ・アート寄贈)

角度を変えるたびに見える世界が変わっていく。
その一瞬のうつろいに心を奪われる。

奥はパレルモの作品

リヒターの作品は、「mood」のほかにも2点が加わっていた。

ゲルハルト・リヒター
左 2015年2月5日 右 2015年2月10日

この展示スペースは、「リヒターとパレルモ」と題されている。
リヒターと同郷のアーティスト、ブリンキー・パレルモは、同じドイツの流れの中で活動し、親交もあったという。

ブリンキー・パレルモ《四つの原型》

パレルモは、これまであまり目にしてこなかった(あるいはあまり記憶にない)アーティストだが、作品から感じるリズムのようなものに惹かれた。

左 榎倉 康二《無題 No.1》
右 ブリンキー・パレルモ《黒い箱》《灰色の円盤》

そして、前の展示から続く榎倉氏の作品とパレルモの作品が、呼応するかのように配置されている。
静かな調和が流れている。
その配置の妙に、しばらくその場を離れられなかった。

最後の展示スペースは、「ひびきあう境界面」。

手前 ピーノ・パスカーリ《キリンの斬首》
ユーモラスでどこか引っかかる作品
浅野 弥衛《作品》
ローマン・オパルカ

展示の最後を締めくくるのは、ルーチョ・フォンターナの彫刻作品。

ルーチョ・フォンターナ《空間概念 N3》

「ひびきあう境界面」というタイトルの通り、作品同士が静かにつながっているように感じられた。
ひとつひとつの作品が印象的だが、この空間に流れるリズムを楽しんだ。

今回は1フロアのみの展示で、いつもよりコンパクトだった。
そのぶん何度か巡ることができ、閉館近くにはひとりきりでこの空間を味わえた。
静かな空間を独り占めしているようで、思いがけず贅沢な時間を過ごした。

展示室を出ると夕方。
閉館近くの美術館に差し込む西陽が、今日一日の余韻に重なった。


前回のコレクション展の記事はこちらから⇩

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