何度来ても美しい美術館—リヒターから奈良美智まで—豊田市美術館 コレクション 2026年度 第I期
豊田市美術館でランチのあと、春の陽に誘われて庭園を散策。







そろそろ館内に戻ろう。
豊田市美術館を訪れると、コレクション展も楽しみのひとつだ。
いつ来ても所蔵の現代アートを楽しませてくれる。
今回の「コレクション 2026年度 第I期」は、展示室外の作品から始まる。

白い壁を背にして佇む感じがなんだかいい。
最初の展示スペースは、「櫃田伸也とコレクション」。
現在開催中の企画展「櫃田伸也-通り過ぎた風景」に関連した作品が並ぶ。

展示室に入り、まずこの作品に目を奪われた。

櫃田氏と同世代で、榎倉氏の作品に大きな影響を受けていたという
展示室の角にそっと佇む作品。
空間そのものを意識させられる。


東京藝大在学中、同じ研究室の先輩で親交があった
折しも中西氏の回顧展もいま開催されている

左奥 高松 次郎《赤ん坊の影 No.122》

現在弘前れんが倉庫美術館で展覧会を開催中
行きたい...
櫃田氏の教え子の一人、杉戸さんの作品。
杉戸さんの作品は、いつも私の心をとらえる。


なんだか惹かれる作品

再び中西氏の作品
そして、奈良さんの作品。

1988年の作品。
観ていると、不思議と心に力をもらえる。

奈良さんの作品の隣に、ベーコン

いつまでも観ていられる奈良さんの作品
仕切りの壁の先に進むと、リヒターの作品が迎えてくれる。

「8枚のガラス」の向こうに「mood」が展示されている。
気持ちの高まりを抑えながらスタッフの方に伺うと、あらたに収蔵されたとのこと。

(ワコウ・ワークス・オブ・アート寄贈)
角度を変えるたびに見える世界が変わっていく。
その一瞬のうつろいに心を奪われる。

リヒターの作品は、「mood」のほかにも2点が加わっていた。

左 2015年2月5日 右 2015年2月10日
この展示スペースは、「リヒターとパレルモ」と題されている。
リヒターと同郷のアーティスト、ブリンキー・パレルモは、同じドイツの流れの中で活動し、親交もあったという。

パレルモは、これまであまり目にしてこなかった(あるいはあまり記憶にない)アーティストだが、作品から感じるリズムのようなものに惹かれた。

右 ブリンキー・パレルモ《黒い箱》《灰色の円盤》
そして、前の展示から続く榎倉氏の作品とパレルモの作品が、呼応するかのように配置されている。
静かな調和が流れている。
その配置の妙に、しばらくその場を離れられなかった。
最後の展示スペースは、「ひびきあう境界面」。



ユーモラスでどこか引っかかる作品





展示の最後を締めくくるのは、ルーチョ・フォンターナの彫刻作品。

「ひびきあう境界面」というタイトルの通り、作品同士が静かにつながっているように感じられた。
ひとつひとつの作品が印象的だが、この空間に流れるリズムを楽しんだ。
今回は1フロアのみの展示で、いつもよりコンパクトだった。
そのぶん何度か巡ることができ、閉館近くにはひとりきりでこの空間を味わえた。
静かな空間を独り占めしているようで、思いがけず贅沢な時間を過ごした。

展示室を出ると夕方。
閉館近くの美術館に差し込む西陽が、今日一日の余韻に重なった。
前回のコレクション展の記事はこちらから⇩
