
オッス! オレはオッサン! 2 「ジージャンとピアスとオッサン」
はい、ということでやってきました。
タイトルの通りであれなんだけども、
ども、オッサンです。
地方に住む40代です。
フリマサイトで服を買う楽しみの一つは出品者とのやり取りだったりする。
安く買えるだけじゃない。
個人や業者、まぁ色々な人がいる。
オッサンがイイな、と思うのは、
安くしてくれる人。
って身も蓋もないやん。
まんまやん。
だけじゃない、ゆうたばっかやん!
て思うたやろ。
ちゃうねんて。
丁寧に、きちんと対応してくれる人から買いたい。
そらぁ、もっと安くせんかい!
こんな古着を高う売ろうったって、
アコギにも程がありまんがな〜!
まけて〜な〜。
ヴィンテージとボロの違いは紙一重やで!
と言いたいのが本音や。
というかオッサンは言わないだけで、たまに思ってはいる。
だが、顔の見えないネット上でこんなこと言うてたら誰も相手にしてくれん。
「あ、オッサンやん!
まいど!
よしわかったまけちゃるわい!
300円でええわ」
とはならん。
無視されるのが関の山や。
ネット上では相手の顔や性別、性格、生まれも育ちも分からん。
せやから、紳士然としてふるまう。
「コメント失礼します。」から始めて、
なぜその服が欲しいのか、
どの点が素晴らしいのかを
伝える。
そしてその服を手放そうとしているアナタは
どれほど徳の高い方なのか、
懐が深くかつ情の厚いお人なのか、
延々と褒めたたえる。
相手の気が緩んだところで、勝負や。
「〇〇円でお譲りいただけないでしょうか?」
と一番言いたかったことだけど、言わずにグッとこらえてきたことを伝える。
すると快諾してくれる場合が多い。
不要なものとは言え、心の底から欲しいと思っている人に服を譲りたくなるのが人情というもの。
もはや高い安いではない。
誇張や脚色が入っているので、事実まんまではないもちろん。
ただ、買ったはいいが、実際に服が届くまではドキドキもんや。
写真でおおよその状態は分かるが、細かな状態や匂いまでは分からん。
ギャンブルや。
服と一緒に感謝の手紙が入っていたりすると、
買ってよかった。大事に着よう、と思う。
「ものには意思があり、所有者を選ぶ」
骨董の世界ではよく言われることなんやけど、
服にも当てはまると思うんや。
縁あってたどり着いた服にも意思がある。
こんなことがあった。
安くジージャンが買えた。
新品で買えば1万円を越えるものが1000円で手に入った。
オッサンはほくほくやった。
届いた。
写真の通り、汚れはない。
状態よし!
さっそく試着や!
と思ったのもつかの間
めっちゃカビ臭いやんかこのジージャン!
どこの廃墟に雨ざらしで長年打ち捨てられとったんや!
どんだけ放置されたら、こんな匂いになってまうんやろか。
カビ臭さに卒倒しそうになりながら、ポケットの中を確認すると
女性もののかわいらしいピアスがあった。
そうか、オッサンは全てを理解した。
このジージャンは失恋した乙女が大切にしていた服や。
ピアスは、意中の男からもらった大事なものに違いない。
だが不幸にも恋は成就せんかった。
乙女は悲しみに暮れてピアスのことも忘れ、失恋とともに捨てられたジージャンは雨ざらしで放置され、オッサンの元に届いた。
そういうことだ。
どういうこと?
きっと売主はこのピアスを探しているに違いない。
早速、売主に
「服にピアスが入っていました。大事なものだったらいけないのでお返ししましょうか?」
と連絡した。
「失礼しました。不要でしたら処分してください」
と返信。
なんのことはない。
売主は仕入れた古着のジージャンを売っただけで、ピアスの存在すら知らなかったようだ。
残ったのはジージャンとピアスと強烈なカビ臭さ。
重曹水でごしごし洗ってカビ臭さを取り除き、ピアスは売りに出した。
ものには意思があり、所有者を選ぶ。
こともあるが、そんなたいそうなことはなく、
ただカビ臭い服が手元に届いてしまうこともあるんやで。
という話。
どうやったらあんな匂いがつくのか未だに謎である。
無論、洗えば落ちるものだし、売主を責めてはいない。