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【小説】網走刑務所に30年 22歳で時を止めた女

    交際相手を殺害し懲役30年の判決を受けた22歳の女性が、1998年の極寒の網走刑務所という閉鎖空間で自己の罪と絶望に向き合う物語を描きました。

    📕新しいシリーズとして80年代90年代の時代を舞台に描く小説、漫画もスタートします! 

    第一章:凍てつく鉄扉

    1998年2月。オホーツク海から吹き付ける風は、肌を刺すというより肉を抉るような鋭さを持っていた。灰色の空から粉雪が舞い散る中、護送バスが網走刑務所の重厚な門をくぐった。

    窓から見える景色は、ただ白と灰色だけだった。暖房の効かないバスの中で、22歳の沙織は手錠をかけられた両手を膝の上で固く握りしめていた。手首に食い込む金属の冷たさは、これから彼女が過ごす途方もない時間の象徴であった。

    「降りろ」

    刑務官の低く冷徹な声が響く。沙織は立ち上がり、雪を踏みしめた。網走刑務所。本来は男性受刑者が大半を占めるこの最果ての地に、特例的に設けられた厳重警備の区画が彼女の新しい「家」だった。

    身体検査を受け、支給された囚人服に袖を通す。生地は分厚いが、網走の寒さを防ぐには全く足りない。長い廊下を歩く間、自分の足音だけが反響していた。案内された独房は三畳ほどの広さで、便器と小さな机、そして薄い布団が畳まれているだけだった。

    鉄扉が重い音を立てて閉まり、外側から鍵がかけられた。その瞬間、沙織は自分の人生がここで完全に停止したことを理解した。懲役30年。刑期を終えて外に出る時、彼女は52歳になっている。青春も、女性としての人生も、すべてこのコンクリートの箱の中で凍りつく。

    白い息を吐きながら、沙織は冷たい壁に背中を預けた。絶望すら凍りつくような寒さの中、彼女の脳裏に蘇るのは、自らの手を血に染めたあの夜の記憶だけだった。


    第二章:赤の記憶
    事件は半年前、1997年の晩夏に起きた。当時の沙織は、札幌の繁華街で働きながら、交際相手である浩一と同棲していた。
    浩一との日々は、最初は穏やかなものだった。だが、彼の暴力とギャンブルへの依存が日常を徐々に侵食していった。沙織の稼ぎはすべて浩一の借金返済に消え、逆らえば容赦ない暴力が振るわれた。顔の痣を化粧で隠し、PHSが鳴るたびに身体を震わせる日々。逃げ出すことも考えたが、報復を恐れて実行に移せなかった。精神は限界を迎え、思考は次第に麻痺していった。

    1997年9月3日の深夜。泥酔して帰宅した浩一は、沙織に激しい暴行を加えた後、ベッドでいびきをかいて眠りに落ちた。床に倒れ込み、血の味がする口内を舌でなぞりながら、沙織は焦点の合わない目で台所を見た。
    流し台の上に置かれた包丁。

    自分でも驚くほど静かに立ち上がり、それを手に取った。頭の中は不気味なほど澄み切っていた。この男が生きている限り、自分の明日はない。殺される前に、殺す。

    寝室に戻り、無防備な首元に向かって刃を振り下ろした。一度では終わらなかった。血しぶきが壁を汚し、シーツが赤黒く染まっていく。浩一の短い悲鳴と痙攣が完全に止まるまで、沙織は何度も刃を突き立てた。
    手が真っ赤に染まっていた。その血を洗い流すこともせず、沙織は自ら警察に電話をかけた。

    裁判では情状酌量の余地が争われたが、執拗で残忍な殺害方法が重く見られた。結果として下されたのは、懲役30年という異例の重刑だった。沙織は控訴しなかった。生きる意味も、自由への執着も、あの夜に浩一の命とともに捨てていた。

     
     
    逮捕された美女のリアル写真集と漫画と小説。 逮捕→取調べ→身体検査→留置所→送検→起訴→刑務所 日本だけでなく中国、アメリカ等の国での逮捕も。 本作品は架空人物によるフィクション画像です。実在の人物・事件・団体とは関係ありません。 リクエストもいつでもお待ちしております!

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