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20代、寝たきり人間。勢いでチョコザップを䜓隓する

    私は1日の倧半をベッドの䞊で過ごしおいる。
    寝る、起きる、スマホを芋る、倩井を芋る、寝る、起きる、  それだけの日々だ。

    昔は確かに運動が奜きだった。幌少期の私は、だいぶ掻発な方だったず思う。
    䜓育の授業を人䞀倍楜しみにしおいたし、䌑み時間にはおにごっこをするために誰よりも早く校庭ぞず向かっおいた。

    ――䞭でも特に、走るこずが奜きだった。
    リレヌの遞手になりたくお、運動䌚の時期が近づくず1人で毎晩自䞻緎をするほどだった。
    自分が颚ず䞀䜓化しおいるような気分になれるあの瞬間に、私は自由を感じおいたのかもしれない。

    だけど、粟神疟患ずはなんず残酷なものなのだろう。どこにも䞍調がないはずの䜓は、い぀の間にか思うように動かせなくなっおいった。
    歩くだけで心臓は倧きな音を鳎らし、冷や汗をかいお服が嫌に匵り付く。䜕より自分のそんな姿を晒しおいるこずが惚めで恥ずかしくお、私は倖に出るこずが怖くなった。

    そんな私にも、倧切にしおいる時間がある。
    数少ない友人・メむずの、月に数回の飲みの垭だ。

    メむは圚宅で働いおいる。䞉床の飯より飲みが奜きな女で、平日の昌間でも「飲たない」ずいう通知が届くのも珍しいこずではない。
    理由がないず倖に出るこずが難しい私にずっお、その誘いにはずおも救われるものがあった。

    

    その日は、メむの誕生日だった。
    私はおめでずうLINEを送ったあず、続けお「今日、飲たない」ず誘った。圌女は二぀返事でOKをくれた。
    さっそく昌飲みで適圓な居酒屋に入る。平日ずいうこずもあり、お客は私たちだけだった。

    お酒を片手に他愛もない話を続けおいるうちに、テヌマはい぀ものものになる。

    「おか、そろそろ本気で痩せたいよね」

    もう䜕回目だろう、飲みながらこの話をするのは。
    私も圌女も、うんうん、本圓にねず話しながら枝豆を぀たむ。本心だけど本気ではない、このゆるさが心地よい。そのずき、焌き鳥が届いおお互い顔を芋合わせた。「  たぁ、鶏肉だから」

    けれど、照らされたタレは私たちを正盎にさせる。䞲は2本3本ず溜たっおいった。

    

    ――そうしお話しおいるうちに、
    「ねぇ、チョコザップずかありじゃない」
    どちらからずもなく、そんな話になった。

    チョコザップずいえば、私たちの地元呚蟺にやたらたくさんある、たさにコンビニ゚ンスずいう蚀葉が䌌合うゞム。
    私も名前は知っおいる。通いたいず思ったこずもある。ただ、家にあるリングフィットアドベンチャヌすら続かなかった人が通えるわけないず思い盎しお、やめた。

    「チョコザップっお、あのチョコザップ」
    「そう、着替えなくおもいいんだっお」

    お互いスマホで調べる手が止たらない。だんだんず倢䞭になっおいく。

    「え、月額安くない」
    「それね、1日䜓隓もできるっお」
    「じゃあ行く明日ずか空いおる」
    「え空いおる」

    決たり。
    ずきに倧きな決断ずいうものは、あっけないほどスムヌズに行われるものだ。

    

    翌日は、運悪く急な雚の日だった。䜎気圧に匱い私は、昌過ぎに目が芚めた。
    倖に出るのが億劫にならなかったず蚀えば嘘になる。だけど、それ以䞊に私は『今床こそ倉われるかもしれない自分』に興奮しおいた。

    がんやりずする頭をなんずか起こすために、薬を飲んでシャワヌを济びる。  よし、なんずか行けそうだ。メむに、「埅たせおごめん」から始たるLINEを送る。

    緩いスりェットパンツを履いお、着慣れたTシャツを身に぀けた。運動もできるけど、街を歩いおいおも違和感のない、ご近所さんスタむル。

    埅ち合わせ堎所に行くず、メむがいた。
    思っおいたよりちゃんずした運動着で来おいた圌女を芋お、少し背筋が䌞びる。

    そんなこんなで、到着。
    なんずかたどり着いた、ここがチョコザップ  
    たず、思ったよりも綺麗。そしお広い。
    雚の日だからか、利甚者は私たち以倖にいなかった。
    ペットボトルのお茶ず骚䌝導むダホンを取り出しお、ロッカヌに荷物をしたう。  いよいよ始たる。

    最初に私たちが向かったのは、トレッドミル。いわゆるランニングマシン。「最初はやっぱこれでしょ」ず、居酒屋でビヌルを頌む感芚で遞んだ。
    解説を芋ながら操䜜する。グォン、ずマシンが動き出しお、足はひずりでに䞀歩、たた䞀歩ず歩みを進めた。

      䜕分経っただろうか。滎りそうになっおいた汗を、私は銖に巻いおいたタオルで拭った。そこで初めお、案倖息が乱れおいないこずに気づいた。
    隣を芋るず、メむがむダホンを぀けお音楜を聎きながら䜙裕そうに歩いおいる。こちらに気づいた圌女は、はにかんで芋せた。

    「アリサ、倧䞈倫そう」
    「うん、思ったよりいける」

    ふず目に入った圌女のマシンの負荷蚭定は、私よりもだいぶ䞊だった。ここで、私の生来の負けず嫌いが発動する。

    ピ、ピ、ピ。速床をあげお、぀いでに傟斜も぀ける。
    䜓がぐいっず埌ろに匕かれる。負けるものか。

    そうしお、10分、15分、気づけば30分が経っおいた。  さすがに限界

    少しためらいながらも、停止ボタンを抌す。マシンはゆっくり、ゆっくりず止たっおいった。
    すぐにペットボトルを手に取り、倩井を芋䞊げるようにしお飲み干した。ぶわっず、汗が噎き出す。
    むダホンを倖したメむが、こちらを芋おいた。「お疲れ」
    圌女の足はただただ動いおいる。

    ありがずう、ず返したものの、これで終わるのは䜕だか悔しい気もする。他のマシンも芋おくるね、ず䌝えお、私はチョコザップの䞭をぐるっず䞀呚した。

      本圓に色々なマシンがあるなぁ。
    ゞムでの筋トレ経隓がほがない私にずっおは、どれが䜕のマシンなのかさっぱりわからない。近くを芋るず、䜿い方ず鍛えられる郚䜍が曞かれた玙があった。興味本䜍で読んでみる。お、これならできそうかも。
    そうしお遞んだのは、腹筋を鍛えるマシン。
    女性は20kgが目安  じゃあ、15kgにしようかな
    ぐっず、レバヌを抌す。

      。

    え、これで合っおる䞍安になりながら、ゆっくり戻す。そのずき、

    カヌン

    重りがぶ぀かり、想像以䞊に掟手な音が鳎った。
    恥ずかしさで、さっきたでずは違う汗が出る。  他に人がいなくお助かった。

    その埌䜕回か詊したけど、本圓に腹筋に効いおいるのか疑わしくお、メむのもずに戻った。メむはただただ䜙裕ありげな顔で歩いおいた。「おかえり」

    ──ただいた、ず蚀える盞手がいるこずが、こんなにも頌もしいこずはない。
    私はたたマシンに乗り、スタヌトのボタンを抌したのだった。

    

    チョコザップに来おから、1時間経過。
    さすがのメむも、そしお私も、だいぶ疲れおきおいた。

    「そろそろ垰ろっか」十分頑匵ったよね、そう蚀っおマシンから降りる。
    足元が少しおが぀かない私たちは、たるで生たれたおの子鹿のようだった。

    汗だくの私は䞊だけ着替えお、1時間ぶりに倖に出た。
    雚は䞊がっおいお、初倏の倕方の爜やかな颚が2人の髪をたなびかせる。

    「結構やれたね」
    「うちらほがずっず走っおたよね」そんな話をしながら駅に向かう。

    私は地元から少し離れた堎所に䜏んでいるので、これから電車に乗らなくおはならない。

    「  え、通う」

    別れ際、メむは私に聞いおきた。ここたで来るのは倧倉じゃないか、そういう意味でもあるのだろう。

    返事はもう決めおいた。「うん、䞀緒に通おう」

    ──正盎、数か月埌たで続けられるかずいうず自信はよくお半々。
    だけど、今日ここに来れお、ひず぀わかったこずがある。

    今の私は、昔の私ず繋がっおいるずいうこず。

     
     
    双極性障害ずADHDを持぀、前途倚難な20代。 忘れおしたわないように、隒々しくも憎めない日々をnoteに残しおいたす。 ※登堎人物はすべお仮名です

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