
STORY 12 すばる
STORY 12
星を分かち合う、銀河の皿。
星座とパンケーキ すばる
放課後のチャイムが鳴ると、街の坂道にあるドーム型の小さなお店に灯りがともります。
そこは、お皿の上と天井に自分だけの星座が広がる、天体に一番近い場所。
今回は、星占いを愛する店主のあかりさんが贈る、恋と星空の物語をお届けします。

第1話 皿の上に浮かぶ、自分だけの星
「星は遠い存在だけれど、お皿の上なら手が届くでしょう?」
店主のあかりさんは、昔から夜空を見上げては、星を繋いで物語を作るのが大好きでした。そんな彼女が作るお店のメインメニューは、星座の形に盛り付けられたホットケーキです。
射手座なら、弓矢の軌道を描くように苺が並び、水瓶座なら、水が溢れる様子をブルーのジュレで表現する。一つひとつのメニューには星座の名前がつき、その星が持つ色や性質に合わせて、トッピングのフルーツやソースが丁寧に選ばれています。

2話 結びつきの魔法と「星めぐりの時間」
1時間に1回、店内の明かりがふっと消え、ドーム型の天井が夜空に変わります。それは、店主による「星めぐりの時間」の始まり。壁や天井に星のエピソードが投影され、星の見つけ方や切ない神話が語られます。
「ここで学んだあと、帰り道に本物の星を見つけられたら素敵でしょう?」
この時間には、もう一つの「魔法」が起こります。隣り合う星座を注文した二人には、共通の果実が星を分かち合う「隣人の絆」が現れます。一方で、遠く離れた星座を選んだ二人には、あかりさんがお皿の間にそっと「繋ぎの星」を添えてくれます。離れた星を繋いで大きな三角形を作るように、距離があるからこそ新しい形が描けるのです。

第3話 星占いの余韻を、ひと口。
「今日、どの星を食べるかで、明日の運勢が少しだけ上向く気がするんです」
そう笑うあかりさんは、注文を受けたあと、その人の星座に合わせた一言メッセージをそっと添えることもあります。甘いホットケーキを頬張り、「星めぐりの時間」で知識を深めたあとの心は、いつもより少しだけ軽やか。
お店を出る頃、教わったばかりの星座を本物の夜空に見つけた少女たちは、自分たちもまた、広い世界の中で星座のように繋がっていることを実感するのです。
写真
ドーム型の天井に映し出される満天の星、星座の形に苺が並ぶホットケーキ、帰り道に夜空を見上げる学生たちの姿
