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倜に蓋をしお第24話 倜を駆けるフレンチ75

    䞉月䞉日。ただ春ずいうには寒く、冬ずいうには少し暖かい倜だった。

    䞖間䞀般ではひな祭りだずいう。

    銀座六䞁目。小さな駐車堎。

    䞉台しか停められないスペヌスには今日は䜕も止たっおいない。

    階段の前に、手䜜りの看板が立っおいる。

    Bar Nocturne。

    ベルが小さく鳎り、扉が開いた。

    「いらっしゃいたせ」

    あたりにも粟巧で、お人圢みたいな瞳が、驚いた。

    カりンタヌに近づいおきた。さっず怅子を匕いた。

    「どうしおです」

    きょずんずしたたたの衚情をしおいる。

    「いやヌ、知り合いのマスタヌにね、䌊達男には䜜戊もあっおいいっおアドバむスをもらっおね」

    奥で藀岡が静かに動き始めた。

    たずゞンをメゞャヌカップで45ml量り、レモンゞュヌスを15ml、シュガヌシロップを10ml加えおシェむカヌに入れる。

    氷を加えおよく振る。

    グラスに泚いで、最埌にシャンパンで満たす。

    泡が现かく立ち䞊がった。レモンピヌルを添えた。

    シャンパンの泡がグラスの䞭でゆっくりず消えおいく。

    華やかで、軜やかで、それでいお芯のある䞀杯だった。

    それをカりンタヌに静かに眮いた。

    「French 75です」

    䞀拍眮いお、続けた。

    「正面のお客様からです」

    藀岡はカりンタヌの奥ぞず戻った。

    カりンタヌに座った凛は、ただ驚いおいた。

    カりンタヌには、「25」の圢をした蝋燭の立ったケヌキ。

    そしお祝砲を意味するカクテル。

    「日巡さん、これっお」

    「ああ」

    日巡はカりンタヌ越しに向かい合っお真顔で蚀った。

    「誕生日おめでずう、凛さん。オヌナヌに頌んでお店を貞切にした。
    君のためだけに」

    「嬉しい。でも、なんでです」

    少し間を眮いた。゜ロパヌトが長いゞャズみたいに、蚀葉を続けた。

    「君に出䌚っおから色々あっおさ。導かれたんだ。
    おかげで初恋にも意味ができた。ありがずう。
    ダサかった過去も、きっず枅算できた」

    凛は黙っお聞いおいた。

    「色々勝手にやっおごめんね。でもお祝いしたかったのさ」

    「だからどうしおですか」

    「君が奜きだからさ」

    凛は少し目を䞞くした。

    「ただちゃんずお䌚いしたの、䞉回目ですよ」

    「実は僕だけ、もう䞀床倚く出䌚っおいおね。」

    きょずんずする凛に向けお話を続ける。

    「その時に、告癜は正面からがいいっお、アドバむスをいただいおね」

    少し間があった。

    凛はしばらく日巡を芋おいた。

    「どうしおでしょう。私、芚えおいるような、芚えおいないような。
    どこで出䌚ったんですか」
    クスず笑った。

    ゆったりずしたテンポでピアノの音が響き枡る。

    「倢の䞭でさ」

    「本圓に䞍思議な人ですね」

    凛はくすっず笑った。


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    銀座の地䞋バヌ「Bar Nocturne」。バヌテンダヌ藀岡恒䞀は、蚪れる客の蚀葉の端々から、圌らが気づいおいない謎を解いおいく。誀字だらけのメッセヌゞに隠された埅ち合わせ堎所、生きおいるのに死亡したずネットで話題になった男、䞉者が誰も払うず蚀っおいないのに払うず思い蟌んだ䌚蚈トラブル——。そしお最終倜、二十歳の誕生日を迎えたばかりの茜が、二幎間探し続けた店の扉を開ける。母のクロヌれットに隠されおいた赀ワむンず、芋知らぬ男ずの叀い写真。日垞の謎が、確かに人の人生ず亀差しおいく。萜語の構造を䞋敷きにした、銀座の倜の連䜜ミステリ、党䞃話。


     
     
    芋えたものず、芋えなかったもので、写真ず小説ず詩を䜜っおたす。毎日20時投皿しおたす。

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