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前代未聞!嵐の中で迎えた50代最後の誕生日(341日目)




プロローグ:お盆休みなのに休めない社畜いんこ


その日は私の、50代最後の誕生日でした。

そもそも、世間で言うところのお盆休みの最中にある誕生日。
しかし、私の勤めている会社には、お盆休みも正月休みも、もともと存在しません。
一方、お盆休みがあるヤマネさん(旦那さん、仮名)の会社は、もちろんお休みです。

今年は有休を取ろうか迷ったのですが、迷っているうちに、同じチームで仕事をしている契約社員6人のうち1人が退職、3人が同時に休暇申請したので、残るは私ともう1人だけになってしまいました。
こうなったらもう休めるわけもありません。



まさかのノー残業ウィーク宣言、2人体制の地獄


通常6人でやっていた業務を2人で回す!
業務は繁忙を極めました。

本来なら残業して、日中に積み上がった書類をなんとか処理したいところ。

けれど空気を読まない会社上層部の連中が、

「世間は盆休みだし、うちの会社だってヒマだろう。よし!8月の最初の2週間は、全社一斉ノー残業ウィークにしよう!」
と、全社に一斉残業禁止を言い渡してくれたもので、残業もできない!

(特に私たちのチームは、先週も多忙で、禁を破って残業していたため、何がなんでもこの週は残業するなと、厳重注意を言い渡されてしまっていたのでした。)
上司「優先順位を考えて効率的に仕事をして、必ず定時に帰るように!
定時に帰らなければ、ノー残業ウィークを設けた意味がない!」
…て言っても、ご覧のとおり、作業員は2人しかいないんですケド…。

私ともう1人の同僚は、死にものぐるいで仕事にかかりました。

思えばノー残業ウィークのせいで、先週からずっと猛烈社畜状態です。昼休憩も取らずトイレもセーブして働き続け、昼食もとれず持って帰った弁当を、帰宅してから開けて、もそもそと食べる始末。
誕生日朝の段階で、2人とももう、疲れが溜まってげっそりしてました。
が、仕事は山積みです!!

…ひとがいないのがわかりきっているのに、一体なんのための、誰のための全社一斉ノー残業ウィークなの??
と、呪いの言葉を吐きながら、私たち2人は猛烈なイキオイで書類の山と戦い続けました。

そして、定時退社…とはいきませんでしたが、なんとか上司の顔も立つ程度の残業で仕事を切り上げ、帰途へついたのです。

…この時点で、私、既に疲労困憊してました。ボロボロのヨレヨレいんこです。



帰宅ラッシュ、まさかの大雨に遭遇


日頃、私は3路線を使い、片道1時間半かけて通勤してます。

まずは帰りの1路線目の電車に乗りこみました。

都内の電車は大雨のなか、ほぼ通常モードで運転してました。
都内ターミナル駅で乗り換えて、2路線目のホームへと向かいます。そこで、目が点になりました。

…アレッ!?なんだコレ…!?

ホームは黒山の人だかり。人、人、人で埋め尽くされておりました。
だって今、お盆休みの週なかダヨ?出勤してるひとなんてごくごく少なくて空いているはずなのに、何なの一体。

別のホームから、次に電車が発車するとの案内があったので、そのホームへと走ります。が、発車間際の電車も、ホーム上も、同じくぎゅう詰めだったので、即乗車を諦めました。
どうやら、私の向かう地元方面が大雨なので、電車が遅延しているようなのです。

いや待てよ…ここで座れないのは、辛い…。

2路線目は、都内から地元へと向かう、かなり長い距離を走る路線なのです。
私は迷わず、グリーン車料金を支払うことにしました。この路線で長時間立っているのは辛いので、それならば、確実に座れるであろうグリーン車に乗ろうと思ったのです。

いつもから、20〜30分程度かけて待ち、座れる始発便を狙うのですが、これだけ混雑し、なおかつ次にいつ電車が発車するかわからない状態では、致し方ありません。

やっと次の電車が来ましたー!
どどっと、グリーン車に乗り込む私たち。


そしたらば、おお、なんと言うことでしょう!
始発ではないこの電車、駅に到着した時点で、既にグリーン車は全車両満席状態でした。空いてる席、一つも無し!こんなの、はじめての経験です。
ひゃー!んなことあるんだ!!

…乗り込んだ他の乗客たちと、やむなくゾロゾロとグリーン車のデッキに立ちんぼとなりました。
(グリーン料金払ってるのに座れない…)



そして大雨警報発令!!


車窓には大粒の雨粒が叩きつけられ、真っ暗ななかに、幾度も雷光が光ります。
大雨です!!
なにやら大雨の警報も出てたらしいと、私はここではじめて知ったのでした。


スマホで運行情報を確認すると、これから先乗り換える予定の3路線目は、現在大雨のため、運転見合わせ中のようです。
うわあ…。

ツィート(あくまでXとは言わない)を見ると、やれどこ駅間の線路が水没して走行不能だとか、どこ駅で電車が来ずホームが人で埋まってるとか、どこどこ駅の高架下が水浸しで通行できないとかのポストが錯綜してました。あちこちが大雨のせいで水没して、大変なことになっている模様。

地元まわりの路線は、普段雨風に強いと言われてる私鉄も含めて、完全に運転見合わせ中だそうな。
地元民の間で、『線路が無くても予定どおり走る』などと冗談のネタになる程悪天候に強く、どんな時でも平然と走っていた某私鉄までが運休になってるよ!!!
どひゃー!こいつはほんとに緊急事態だ!

頼みの綱のこの電車が、なんとか地元近くまで到達して、3路線目が動いてくれることに望みをつなぐしかありません。


と、ここで車内アナウンスが。

車掌さん「ただいま沿線大雨のため、当列車は36キロ以下に速度を落として走行するようにとの指令が出ております。そのため、現在も大幅に遅延しておりますが、この先の駅到着も更なる遅延が見込まれます。」

つまり、到着がいつになるか知らねーぞ、それでもよければ乗っていけ、と。
そういう趣旨のアナウンスでした。

そうは言うたかて、ほかのほぼ全ての路線がストップしている現状では、超スローモーでも、動いているだけで御の字。細々とでも、なんとか動き続けているこの電車に乗る以外の選択肢はありません!


そして、列車は更に速度を落とし、いつ果てるとも知れぬ夜の豪雨のなかを、ノロノロと走り続けたのでした。

…とは言っても、グリーン車デッキに立つ身では、見えるのはグリーン席にぎっちり詰まった乗客の背中と、立つひとの背中越しに見える小さな窓の外が真っ暗なことくらいでしたが。
ただただ、揺れに耐えてじっと立ち続けるのみです。
耐えろ、自分!

ツィートで、
「福山雅治のバラード並みにねっとりとしたとろさで、電車が走行しとる」
と言うポストがあって、思わず笑ってしまいました。
ほんまや!!



まさかの非常停止ボタン!?


そして、ようやく数駅を過ぎた頃でした。突然電車が急停止!
キキィーッと停止したのです。

車掌さん「次の○駅ホーム上で、非常停止ボタンが押されました。ただいま安全確認中です。安全が確認されるまで、当電車は運転を見合わせます。非常に危険ですので、停車中、絶対に線路に降りることはなさらないでください。」

車内に、げんなりした空気が漂いました。
大雨に、さらに非常停止ボタンとは。泣きっ面に蜂かい!

大雨のなか、電車は動かず、ただ時間だけが過ぎていき…。



だいぶ時間が経過した頃、また車内アナウンスが流れました。
車掌さん「安全の確認がとれましたので、当電車は運行再開となります。」

ほどなく電車が動き出したので、デッキで立っている人たちのなかにも、ホッとした空気が漂い始めます。
よかった…とりあえずゆっくりとでも動いてくれれば、あともう少しだけ耐えれば、目的の駅に着けるんだ…。


と、ここでまた、がくんと急ブレーキ。電車はまたもや停止しました。

車掌さん「えー、…次の○駅ホーム上で、非常停止ボタンが押されました。ただいま安全確認中です。安全が確認されるまで、当電車は運転を見合わせます…。」

またかいな〜!!

…結局この日、3連続で非常停止ボタンが作動し、また36キロの速度制限もあって、私の乗った電車は遅れに遅れて、やっと3路線目への乗り換え駅に到着したのでした。



3路線目もカオス!!!


ヘロヘロになってホームの階段を上がり、目的の路線のホームに降りると、そこはまた、黒山のごとき人、人、人の山。

お盆中で通勤の人出は少ないはずだよね?
なじょしてこんなにいっぱい人がいるの!?

…つまりは、3路線目の電車も大雨のせいで、ダイヤが乱れに乱れて運行も見合わせになってしまい、断続的に一部で再開したりストップしたりを繰り返していたらしいのです。

幸いなことに、しばらく待っていたら電車が来たので、ホームじゅうの人が雪崩れ込みました。ぎうぎうになって、こちらもまた36キロ速度規制運転で発車。


…こうして、豪雨のなか、それでも私は幸運なことに、なんとか最寄り駅まで無事に電車を乗り継いで、自宅まで帰ることができたのでした。
通常片道1時間半かかる通勤時間、この日ばかりは3時間強かかりました。しかも立ちっぱ…。



エピローグ:ささやかなお祝いと、オマケの追い打ち


それでも!

超ノロノロの36キロ運転ではあっても、動いてくれた電車たち。運転手はじめ鉄道会社の皆さまには、ほんとうに感謝しています。ありがとう、ありがとう〜。(夜中に再び止まったらしいのだけれど)
おかげさまでいんこは、遅くはなったけれど、無事に帰宅できました。心よりお礼申し上げます。

ただ、およそ誕生日としては史上まれに見る、最低ランクな一日になってしまいましたことよ。よよよ。


こちらはお盆休みだったヤマネさんが、ケーキに見立てて購入したババロアにローソクを立てて、ささやかながらお祝いしてくれたのが、せめてものなぐさめとなったのでした。




その翌朝。
疲れは抜けなくとも、本日も(2人体制は変わらず)出勤です。
運行情報を見ても特に運休との表示はなかったので、しぶしぶ出かけました。

1路線目は通常通りに乗車して、2路線目に乗り換え。
…電車が来ないなーと思ったら、駅アナウンスが。

「本日も速度規制で35キロ以下で走行しているため、大幅な遅延が見込まれます。
次に来る電車は、現在、およそ40分の遅れとなっております。」

チーン♪ ←詰んだ音

誕生日の波乱余波は、翌日までも及んで、まだまだ延々と続いたのでした…。




…ほんまに、史上最悪に疲れた誕生日、ながいながーい一日(と、その翌日)でした。
ぐったり。




(終わる)

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