年金初日に12キロ歩いてフランス料理! ヤマネさん、おめでとう(332日目)
こんにちは、アラカンいんこです。これは、note活動をお休みしていた、4月下旬の頃のお話になります。
「年金が出るよ!ご馳走食べに行こう!」
ある日のこと。
「こんど、ヤマネの年金が出るよ〜!そのお祝いに、美味しいご馳走を食べに行こうよ!」
と言いだしたのはヤマネさんでした。
ヤマネさんが65歳になったので、お初の年金が支給されることになったのです。それをネタにして、久しぶりに、お外に美味しいランチを食べに行こうというわけです。
いんこ「よし、その話、乗ったぜ!」
と言うわけで、いんこ夫婦は、ヤマネさんのお初年金を当てこんで、早速豪華なランチを予約したのでした。
…こんなことでもないと、なかなか普段は、外食にも行けないのですもの。
発車4分前、いんこの目論見が明かされる
時は流れて、ランチを予約した当日、週末の土曜日がやって参りました。天気は、時々日が差す曇天模様。
副業案件の作業で〆切に追われ、いい加減お尻に火がついているはずのいんこですが、まあ、それはそれ。一度にひとつのことしか考えられないいんこのおつむは、既におでかけモード一色でした。(おいおい)
ヤマネさん「して、大きないんこさん、今日の日程は?」
いんこ「はっ!いかん、うっかりしてた!…ヤマネさん、今すぐ支度して!!出発するよ!!」
ヤマネさん「ええっ!?」
ヤマネさんが驚くのも道理。だって、予約したランチの開始時間は正午。今はまだ、午前の8時台なんですもの。
いんこ「私たちが乗る電車は、今から4分後に発車なんだよ!急げーーー!!」
ヤマネさん「ええええーっ!?」
いんこがこれだけ急ぐのには、理由がありました。
ヤマネさんが予約してくれたレストランは、いわゆる古民家レストラン。
もとは新川という名前の割烹旅館だったのですが、その旅館の息子さんがシェフとして自らお店を立ち上げ、フランス料理店としたお店でした。(以前、いんこが偶然見つけたお店です。)
本来なら、優雅に、のんびり電車に揺られてお店の最寄り駅へと到着し、店の写真などを撮りながら時を過ごして、それから悠々とランチ入店すればいいものなのですが…。
いんこ「ねえ、ヤマネさん。ずいぶん前に、二人で『駅からハイキング大会』に参加したことがあったよね?
ヤマネさんの予約したお店って、そんときのハイキングコースの、ちょうどゴール地点にあるのよ。
あの時の『駅からハイキング』の出発駅からお店まで、大体3時間くらい歩いたら着くみたいなの。
だからさ、どうせなら、歩いてお店まで行ってみることにしようよ〜!」
そう、いんこが目論んでいたのは、往時のハイキングコースを歩いてランチのお店まで行くという、強行日程でのランチだったのです。
いんこ「そうするからには、早く出ましょ出ましょ!さあ、レッツゴー!」
ヤマネさん「ヒイィィ〜!」
最寄駅を今から4分後に発車する電車に乗れれば、『駅からハイキング大会』に参加した際の出発駅に向かう列車に、うまく乗りかえられます。かつての出発駅で下車し、そこから(多分)3時間くらい歩けば、ランチの予約時間には間に合うはず!
幸いにして、今のマンションはごく駅近にあります。
…かろうじて、電車には間に合いました!
いんこ、ヤマネさん「ぜいっぜいっ…。」
サシバの声、コウノトリ、そして陸の孤島
すっかり歩く気満々のいんこではありましたが、くだんの『駅からハイキング』大会に参加したのは、2016年のこと。かなり昔に開催されたものなので、当時歩いたコースの地図は、とうの昔にネット上から削除されてしまってます(もちろん、いんこの記憶からも)。
10年前に歩いたコースを全部覚えているわけもないので、今回はGoogleマップの経路案内に沿って、おおよそこの辺を進めば大丈夫だろうという道を歩くことにしました。←無駄にチャレンジングないんこ…。
列車を何路線か乗り換えて、秋葉原とつくばをつないでいる「つくばエクスプレス」の、「柏たなか」駅にて下車します。

10年前、私たち夫婦は、この駅を出発して東武鉄道の「運河駅」までのおよそ12キロを歩く、鉄道会社主催のハイキング大会に参加したのでした。
今回予約したフランス料理店は、その時のハイキングコースのゴールだった、東武鉄道「運河駅」近くにあるのです。
早速、「柏たなか」駅から、Googleマップを頼りに歩きはじめることに。
小綺麗な新興住宅地を抜けると、いきなり目の前にぽかりと空が開けて、田園風景が広がりました。
どこか遠くで、鳥が情けない声でピーヤピーヤと鳴き続けています。

いんこ「ヤマネさん、あれはサシバの声だよ!サシバのテリトリーがどこかにあるんだね」
ヤマネさん「こんだけ木があったら、鷹もいっぱいいそうだよな〜。あー、緑が気持ちいい〜♡」
のんびり歩きたいのは山々ですが、お店を正午に予約しているので、せっせと先を急ぎます。
途中、一旦、「利根運河」という名前の、人工河川を渡りました。


その先には野田市が運営しているコウノトリ育成施設があって、育ったコウノトリのヒナを放鳥して、野生に返す活動を続けているのです。
今回、そこには是非立ち寄りたいと思っていました。
(何故立ち寄るかと言えば、この施設がコース唯一の、トイレ休憩場所であるためです。何せ、おそろしいほどに、店がナイ…。)
住宅と林が点在する畑の中の小道を、どんどん歩いていきます。
ヤマネさんは私のずっと後方を歩いておりました。

そのヤマネさん曰く、コウノトリの育成施設を目前にして、左手の雑木林から大きな鷹が飛び出してきて、ヤマネさんの目の前をピャッと横切ったそう。(一瞬のことで、写真は撮れなかったらしいです。)
私はだいぶ先を歩いていたので気づきませんでした。

コウノトリの放鳥場所に選ばれるだけあって、やはりここら辺は、豊かな自然環境が保たれている地域であるようです。
林のトンネルをくぐり抜けて坂道を下ると、ふいに、目の前がぱっと開け、施設の建物と、水を張った田んぼが見えてきました。

野田市の運営するコウノトリ育成施設「コウノトリの里」到着です。

と、ヤマネさんが空の一点を指差しました。
ヤマネさん「あっ、コウノトリがっ!」
頭上を、施設から以前放鳥された若鳥と見られるコウノトリがスーッと横切って、彼方の林の方へと飛んでいきました。
ヤマネさん、こんどはしっかり撮影できたようです。
トイレをすませ、施設のなかをちらっと見学しましたが、時間はすでに10時半。

まだ道なかばで、あと最低でも1時間半歩かなければ、店には着きません。当初思っていたよりも、時間的にギリギリになってしまったようです。ここは陸の孤島とでも言うべきところでして、公的な交通手段はバスも何もなく、どの駅からも非常に遠く、かつ、周りになんの民家も店も、何もない場所なのです。田んぼと用水路しかない。ここから脱するためには、とにかく早く歩くしかないっ!
いんこ「さあ、ちゃっちゃと行くよ〜!」
ヤマネさん「ふぇ〜い(汗)」
運河の土手道を急ぎ足、時間ピッタリ到着!
カエルたちがひたすらのどかにケロケロと合唱しているなか、小さな用水路沿いに、早足で歩いて先を急ぎます。

途中、踏み分け道みたいに草が生い茂ってるところも、勢いにまかせて踏破。目の前に、先に通過した「利根運河」の土手が、再び見えて参りました。
よ〜し!
あとは、この運河の土手の上の歩道をまっすぐにひたすら歩けば、東武鉄道の運河駅に着き、そして、その目と鼻の先にある、今日のゴールのお店に辿り着くはず!

時折、うららかに日が差し込む運河の土手道は、実は、時々足を伸ばして歩きにきている、勝手知ったる散歩道。
むか〜し二人で歩いたときに、まるで妖精さんのように可愛い、野生の野ウサギの赤ちゃんと出会った道でもあります。
小さな生き物が、一直線に、ターッとこちらに向かって、土手道を鞠のように弾みながら走ってきて、すぐ目の前で立ち止まったのです。よくよく見たら、かわいいフワッフワの毛をしたうさちゃんだったという…あれはほんとに、奇跡の出会いでした。
「今日はうさちゃんいないなあ…残念。」


黙々と歩き続け、やっと、駅のすぐそばに到着します。
川向こうから何本も紐が水の上を渡されて、鯉のぼりがいくつもはためいている場所を足早に通り過ぎて。

いんこ「着いたァー!!時間ピッタリー!!」
約12キロの道のりを2時間半で踏破した私とヤマネさん。
正午の予約時間ぴったりに、私たちはやっと、今日のゴールであるフランス料理店「ブラッスリーしんかわ」に到着することができたのでした。

パクパクゴクゴク、フルコースで大満足!


まずは、生ビール中ジョッキで乾杯しま〜す!
ヤマネさん、いんこ「カンパーイ!!!」

たちまちビールはカラになったので、その次は白ワインをボトルで頼んじゃいます!

たぶんその瞬間、そのお店にいるお客さんのなかで一番お腹が空いていたのは、私たち夫婦だったハズ。
ヤマネさん「よおし、今日は一段グレードアップしちゃうぞー!!」
いつもならメイン料理のお肉かお魚は、どちらかだけ一品のコースを頼むのですが。
お腹がすいてるので(それと、歩いてきた勢いもあって)今日のメイン料理は、魚とお肉両方のフルコースいっちゃいます!
【メニュー】
1.前菜もりあわせ
春巻をしいた豚のキャラメリゼ
ビーフコロッケ
玉ねぎとあさりのムース
しいたけのポタージュ
ピリ辛きのことスモークサーモン

2.パン


3.メダイのロースト、春菊のソース
白身魚は、表面はカリッと、中はフワッフワのふっくら♡

4.豚ロースト肉、もしくは牛ほほ肉赤ワイン煮込み


5.白ミリンのガナッシュのマカロン、バスクチーズケーキ、ほうじ茶のブランマンジェ黒豆のせ

6.アイスコーヒー
お肉メニューはセレクトタイプだったので、ヤマネさんは、赤ワインで8時間以上煮込んだ牛ホホ肉(流山の白みりんソースがけ)、いんこは、燻製をかけた豚ロースト肉(ゆずを効かせた白ワインソースがけ)を、セレクトしました。
ヤマネさん「これは子供が食べてもわからん、大人の味やわぁ。」
いんこ「ここの料理はもともと美味しいけれど、今日はいつもにも増して、美味しく食べれてるよねワタシタチ。これもお腹が空いてるから!」
美味しいお料理に、古民家の雰囲気ある店内。
ここは、アンティーク調の調度を好むヤマネさんの、お気に入りのお店なのです。
パクパクゴクゴクゴックンゴックン。
…ぷはーー!ウマウマ〜!!!
今日も大満足でした〜!



シェフから告げられた、まさかの宣言
いつもなら、大満足してお会計をして、またの来店を誓うところ。
ところが、お会計をすませる際にシェフに伺ったら、なんとこのお店、今月末に閉店してしまうのだと言うではありませんか。
いんこ夫婦、びっくり仰天!
シェフのお話では、あと5年ほどは古い家屋をつぶしての、敷地内でのあれこれの整理があるそうで、その間は営業ができないのだそうです。白馬に知り合いがいるので、そちらに営業基盤を移転するのだとか…。
つまりは、この雰囲気ある店舗内でランチを食べれるのは、今月いっぱいだったと言うのですよ。
今回のランチ企画は、何も知らなかった私たち夫婦にとって、思いがけない行幸だったのでした。古民家レストランって、こういうアクシデントがありうるのね…。
ヤマネさん「とても美味しかったけど、なんか…。」
いんこ「なんか、寂しいよねえ(涙)」
ヤマネさん「心のなかを、風がヒューっと…歴史のあるお店だけに…(泣)。」

帰り際に、シェフにご承諾をいただいて、写真をパチリ。

ほかのお客様がたも、みな一様にシェフやお店との別れを惜しんで、それぞれ写真撮影にいそしんでいらっしゃいました。

noteを書いたいまではもう、閉店してしまった地域の名店。
寂しくなります…。
でも、シェフはいずれはまたこの地に戻って、お店を再開したいとおっしゃっていたので、その言葉に希望をつないでいきたいと思ってます。
その日がきたら、どうか夫婦して二人で元気よく、また12キロ歩いて、ランチに行けますように!
(普通のアラカン夫婦は、12キロ歩いてまで、ランチに行くまいて…)
(おしまい)
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