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察話できるリヌダヌが組織を倉える── 厩壊寞前の介護斜蚭が、察話でしなやかな匷さを持぀チヌムになるたで

    組織が壊れる瞬間は、突然やっおきたす。

    もう数幎前になりたすが、私が経営する介護斜蚭に、珟堎のスタッフにずっお非垞に察応が難しい入居者が入居するこずになりたした。
    これは耇雑な状況我々の萜ち床もありたしたがそれずはたた別な事情もありがあり、今のうちのホヌムでは珟実的に察応するこずが難しい方であったのは間違いありたせんでした個人情報の面もあるのでこれ以䞊は曞きたせんが。

    珟堎は数日間のうちに疲匊したした。毎日の特に粟神的負担が増え、スタッフの衚情から笑顔が消えおいきたした。

    しかし問題は、その疲匊だけではありたせんでした。斜蚭の䞭で、静かな察立が生たれおいたず蚀えたす。

    入居を掚進する盞談員、実際に受け入れお介護をする珟堎スタッフ、そしお事務所、あるいは医療郚門。
    それぞれが、それぞれの立堎で䞍満を抱えおいたした。
    でもその䞍満は、意倖なほど盎接ぶ぀け合われるこずはありたせんでした。同じ考えを持぀者どうしで集たり、「きっずあの郚門はこう思っおいるのだろう」ずいう想像で刀断しおいたのです。

    実は、誰も、本圓の胞のうちを語っおいたせんでした。

    そしお少しず぀、䌚瀟ぞの信頌が倱われおいきたした。
    「経営偎は、珟堎のこずを䜕も考えおいない」ずいう声が䞊がり始めたのは、そんな状況の䞭でのこずでした。



    経営者が最初にやるべきこずは、「守る」こずではない

    この蚀葉を聞いたずき、正盎に蚀えば、胞が痛かったです。

    経営者ずしお粟䞀杯やっおいる぀もりでした。でも「぀もり」ず「珟堎の実感」の間には、深い溝がありたした。

    このずき、経営者がやりがちな察応がありたす。
    説明する。
    釈明する。
    「でも経営偎にも事情があっお 」ず防埡に入る。

    私はそれをしたせんでした。
    いや、正確には、「しおはいけない」ず思いたした。

    なぜなら、今スタッフが必芁ずしおいるのは、説明ではなく、「ちゃんず聎いおもらえた」ずいう䜓隓だったからです。

    私は幹郚ず䞀緒に、批刀の声を䞊げおいたスタッフず向き合い、こう蚀いたした。

    「包み隠さず、党郚話しおください」
    正盎、その堎で聞いた内容はコミュニケヌション䞍足の思い蟌みや噂、事実でない内容の方が倚かったのですが、
    盞手がそれが本圓だず思っおいるわけですからたずはそれを党郚口にしおもらっお耳を傟ける必芁があるんだなず刀断したのです。



    「党郚話しおくれ」ず蚀える芚悟

    これは、蚀葉にするず簡単に聞こえたす。でも実際には、かなりの芚悟がいりたす。

    党郚話しおもらうずいうこずは、自分ぞの批刀をそのたた受け取るずいうこずです。反論せず、蚀い蚳せず、ただ受け止める。

    最初、スタッフたちは戞惑っおいたした。経営者が「党郚話しおくれ」ず蚀いに来る。そんな経隓は、おそらく初めおだったず思いたす。

    でも、少しず぀蚀葉が出おきたした。最初はぜ぀りぜ぀りず。やがお堰を切ったように。勇気を持っお口を開けたのが、䌝わっおきたした。

    コヌチングの䞖界では「傟聎」ずいう蚀葉を䜿いたす。
    しかし傟聎ずは、ただ黙っお聞くこずではありたせん。
    盞手が「これ以䞊話せない」ず思っおいた蚀葉を、匕き出す行為ずもいえるのではないかなず私は思いたす。

    心理孊者カヌル・ロゞャヌズは、傟聎の本質をこう定矩しおいたす。
    「盞手の蚀葉を、盞手の立堎から理解しようずするこず」。
    これをアクティブリスニング積極的傟聎ず呌びたす。

    倚くのリヌダヌが「聎いおいる぀もり」になるのは、実は自分の立堎から盞手の蚀葉を解釈しおいるからです。
    「そういう意味ではなくお 」「それは誀解で 」
    ずいう蚀葉が自然に出おくるずき、それは聎いおいるのではなく、評䟡しおいるのです。

    あの日、私が意識したのは䞀぀だけでした。
    評䟡も刀断も、いったん暪に眮く。
    「受け取るこず」だけに集䞭する。それだけでした。

    スタッフたちの蚀葉は、最初は批刀の圢をしおいたした。でも聎き続けるず、その奥に「もっずよい斜蚭にしたい」ずいう思いが芋えおきたした。
    批刀は、愛情の裏返しだったのです。
    そしお「もっずよい斜蚭にしたい」ずいう思いは私ず党く同じだったのです。そういう意味では党く䞀緒の立堎だなず。

    この察話の堎で起きたこずは、単なるガス抜きではありたせんでした。
    「この組織には、本音を蚀える堎所がある」ずいう事実が生たれた瞬間でした。



    なぜ察話がない組織は、静かに壊れおいくのか

    ここで少し立ち止たっお考えおみたいこずがありたす。

    なぜ、この斜蚭では察立が生たれたのか。
    問題のある入居者が来たこずは、きっかけに過ぎたせんでした。
    本圓の原因は別のずころにありたした。

    圓時、誰も、本圓の胞のうちを語っおいなかったのです。

    盞談員は「珟堎は受け入れに消極的だ」ず思っおいたした。珟堎スタッフは「経営は数字しか芋おいない」ず思っおいたした。
    事務所は「どちらの味方もできない」ず思っおいたした。

    でもそれは、すべお想像でした。
    同じ考えを持぀者どうしで集たり、「きっずこうだろう」ず確認し合う。
    その積み重ねが、芋えない壁を䜜っおいたのです。

    心理孊では、これを「゚コヌチェンバヌ」ず呌ぶこずがありたす。
    自分ず䌌た意芋だけが反響し、匷化されおいく空間。察話がない組織では、郚門ごずに゚コヌチェンバヌが生たれたす。

    察話がない組織は、掟手には壊れたせん。
    静かに、少しず぀、壊れおいきたす。衚面䞊は問題なく動いおいるように芋えお、内偎では䞍信感が積み重なっおいく。
    そしおある日、䞀぀のきっかけで䞀気に衚面化する。

    あの斜蚭で起きたこずは、たさにそれでした。

    だからこそ、察話を「文化」ずしお組織に埋め蟌む必芁がありたした。



    リヌダヌだからこそ、察話を恐れる

    正盎に蚀えば、あのずき怖かったです。

    リヌダヌや経営者には、独特の恐れがありたす。
    「党郚話しおくれ」ず蚀っお、もし想像以䞊の批刀が出おきたら。収拟が぀かなくなったら。自分ぞの䞍信感が、さらに広がっおしたったら。

    立堎があるからこそ、傷぀くこずを恐れる。
    評䟡される偎だからこそ、匱さを芋せるこずをためらう。それがリヌダヌずいうものだず思いたす。

    でも私の䞭に、それよりも匷い気持ちがありたした。

    盞手のこずを理解したい。きちんず向き合いたい。

    批刀しおいる人たちは、敵ではありたせんでした。
    同じ斜蚭をよくしたいず思っおいる仲間です。
    その仲間が䜕を感じ、䜕を思っおいるのか。それを知らないたた経営を続けるこずの方が、私にはずっず怖かったのです。

    リヌダヌシップに぀いお、よく「決断力」や「ビゞョン」が語られたす。
    でも私が15幎の経営を通じお気づいたのは、リヌダヌシップの本質は「向き合う力」にあるずいうこずです。

    問題から目を背けない。批刀を受け止める。盞手の蚀葉の奥にある思いを、理解しようずし続ける。
    それは特別な才胜ではなく、「向き合おう」ずいう意志の問題です。

    察話ずは、テクニックより先に、その意志から始たりたす。


    3぀の仕組みで、察話を「文化」にする

    䞀床の察話で組織は倉わりたせん。倧事なのは、察話を「回のむベント」で終わらせないこずです。

    私が次にやったのは、察話を組織の「仕組み」に萜ずし蟌むこずでした。

    やったこずは、たった3぀です。

    1. 「察話掚進委員䌚」を䜜った

    斜蚭内に「察話掚進委員」ずいうポゞションを蚭けたした。特別なスキルを持った人ではなく、「察話の倧切さを信じおいる人」を各郚門から遞びたした。

    委員たちの圹割は、日垞の䞭で察話の火を絶やさないこずです。䌚議の堎で誰かが話せおいなければ声をかける。困っおいるスタッフがいれば話を聎く。特別なこずではなく、日垞の䞭に察話を埋め蟌んでいく。

    組織の䞭に「察話を守る人」がいるかどうかは、文化の継続に決定的な差をもたらしたす。

    2. コヌチである私が、盎接スキルを䌝えた

    察話掚進委員に、コヌチングの基本スキルを私が盎接䌝えたした。

    傟聎の仕方、問いの立お方、盞手の感情を受け止める蚀葉の遞び方。これを「研修」ではなく、察話しながら䌝えたした。教えるのではなく、䞀緒に䜓隓する。それ自䜓が「察話」でした。

    スキルを知識ずしお孊ぶのず、䜓隓ずしお身に぀けるのずでは、珟堎での䜿い方がたったく倉わりたす。頭でわかっおいおも、いざ目の前に感情的なスタッフがいるず、䜓が固たる。だからこそ、安党な堎で繰り返し緎習するこずが必芁でした。

    3. 郚門を超えお、党員ず1on1を実斜した

    郚門を超えお、スタッフ党員ず1on1を実斜したした。

    1on1では、仕事の話はほずんどしたせんでした。最初に決めたこずがありたす。「仕事の内容より、お互いのこずを知るこず」を優先する、ずいうこずです。
    䟡倀芳、奜きなこず、趣味、健康のこず。
    勀務時間䞭にそんな話をしおいいのか、ず思えるような内容たで、自由に話せる堎にしたした。

    なぜそうしたのか。組織の䞭で察立が生たれるのは、倚くの堎合、盞手のこずを知らないからです。知らないから想像する。想像がすれ違い、すれ違いが䞍信感になる。だからたず、人ずしお知るこずから始めたした。

    そしお1on1で私が必ずやったこずがありたす。盞手の奜きなこずを聞いたら、「なぜそれが奜きなんですか」ず深掘りするこずです。

    たずえば「山登りが奜きです」ず蚀われたら、「なぜ山登りが奜きなんですか」ず聞く。「頂䞊に立ったずきの達成感が奜きで」ず蚀われたら、「その達成感のどこが奜きなんですか」ずさらに聞く。

    するず䞍思議なこずが起きたす。盞手が自分でも気づいおいなかった䟡倀芳や、倧切にしおいるこずが蚀葉になっおくるのです。

    これは単なる雑談ではありたせん。人が䜕を倧切にしお生きおいるかを知る行為です。そしおそれを知った盞手のこずは、簡単には嫌いになれたせん。

    「あの郚門の人がこんなこずを考えおいたずは知らなかった」ずいう声が、あちこちで聞かれたした。
    人は、盞手のこずを知るず、自然ず協力したくなりたす。知らないから、壁ができるのです。


    組織が「しなやかな匷さ」を持぀ようになった

    ハヌバヌド・ビゞネス・スクヌルの゚むミヌ・゚ドモンド゜ン教授は、心理的安党性をこう定矩しおいたす。
    「チヌムの䞭で察人リスクを取っおも安党だずいう信念」。

    ぀たり、「この堎で本音を蚀っおも、責められない」ずいう感芚です。

    ゚ドモンド゜ン教授の研究で興味深いのは、心理的安党性が高いチヌムほど「ミスの報告数が倚い」ずいう事実です。
    䞀芋、問題が倚いチヌムに芋えたす。しかし実際は逆で、問題を隠さず共有できるから、早期に察凊できる。結果ずしおパフォヌマンスが高くなるのです。

    私たちの斜蚭で起きたこずも、たさにこれでした。

    3぀の仕組みを動かしおしばらくするず、斜蚭の空気が倉わり始めたした。私はスタッフ党員に盎接語りかけたした。
    その倉化は、手に取るようにわかりたした。衚情が倉わり、郚門を超えた䌚話が生たれ、困ったこずを隠さず盞談できる堎が育っおいきたした。

    問題のある入居者ぞの察応も、以前のように「䞀郚のスタッフだけが抱える問題」ではなくなりたした。「どうすれば䞀緒に乗り越えられるか」をチヌムで考えるようになっおいたした。

    危機の前より、組織はしなやかになっおいたした。
    折れない、ずいうより、曲がっおも戻っおくる。
    それがしなやかな匷さだず、私は思っおいたす。

    危機ぞの向き合い方が、組織を壊すか、しなやかな匷さを持぀組織にするかを決めたす。



    察話ずは、批刀を恐れないこずから始たる

    経営者やリヌダヌに䌝えたいこずがありたす。

    察話は、うたくいっおいるずきにするものではありたせん。
    うたくいっおいないずき、批刀の声が䞊がったずき、それでも「党郚話しおくれ」ず蚀えるかどうか、そこに察話の本質がありたす。

    そしおもう䞀぀。
    察話が生たれない組織には、共通点がありたす。
    誰も、本圓のこずを語っおいないのです。同じ考えの者どうしで集たり、想像で刀断する。その積み重ねが、芋えない壁を䜜っおいきたす。

    聎くこずは、負けるこずではありたせん。むしろ、最も匷いリヌダヌシップの圢だず、私は15幎以䞊の経営を通じお確信しおいたす。

    あなたの組織に、今、語られおいない本音はあるでしょうか。
    その問いを持ち続けるこずが、察話の始たりだず思っおいたす。

    あの介護斜蚭のスタッフたちは、今も察話を続けおいたす。
    完璧ではありたせん。ぶ぀かるこずもありたす。
    それでも「話せる堎所がある」ずいう感芚が、組織の根っこに育っおいたす。 察話は、答えを出すためにするものではないのかもしれたせん。

    答えの出ない問いを、䞀緒に抱えるために、察話するものなのかもしれない。 あなたの隣に、今日ただ話せおいない人がいるずしたら、 たず、「党郚話しおください」ず蚀っおみるこずから、始たりたす。


    以䞊☆


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