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服はあるのに、服がない

    369.デート前日

    明日はあなたとのお出かけ。
    美術館に行く予定。

    楽しみで、ワクワクして、ソワソワしている。

    何を着て行こうか。
    どんなメイクにしようか。
    カバンは何にしようか。

    この日のために買ったと言っても、おかしくないものばかり。

    何度もクローゼットを開け、イメージを膨らませる。

    カバンにポーチとタオル、財布を入れて準備は満タン。

    明日の朝私はどうせ、一人でファッションショーを開催する。

    「なんか違う」「うーん、どっちかな」

    着てみたらどこか違う。気に食わない。
    この違和感を焦りながら探すのだろう。

    そんな時は服はあるのに。服がない。
    そんな矛盾したクローゼットに早変わり。

    あなたはどんな服装で来るのか。

    あなたに寄せたい気持ちはどこかへ消えていた。

    あなたは何て言ってくれるのだろう。

    私は何て言うのだろう。

    今日は早めに眠りにつかないと。


    明日のために選んでいるのは、
    服だけじゃない。

    あなたに会う、
    私らしさだった。

     
     
    日常の風景から、人生を考えるエッセイを書いています。 湯気のように消えてしまいそうな気持ちを、自分の言葉ですくい上げるように。 無理をしてしまう人の心に、少し余白が生まれますように。 毎日1本、noteを更新中。

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