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芋出し画像
Photo bysatomi_a

玔癜の玫陜花


     私がどんなに無宗教を装ったずしおも、私の脊髄には神の名が髄液ずしお流れおいるのだろう。

    呜を乞うほどひっ迫した状況や、我が子の無事を匷く願う時、私は倧声でその神の名を叫ぶだろう。

    信じるずいうこずは匷い。
    信じる者が救われる。
    圢がなく、目に芋えないものでも、容易に想像ができ、自分の䞭に熱く流れ、それが原動力ずなる。
    生きる励み、生きる意味ずなる。



    私はいわゆる宗教䞖ずしお育おられた。


    私は父の䞍倫関係の間に生たれた子だった。母は未婚で私を産んだが、父は認知しおくれなかった。
    母は1人で商売をしながら私を育おた。
    私が生たれおから小孊校䜎孊幎頃たで父ず母ずの亀際は続いおいた。週末には仕事垰りの父が家にお土産を持っお立ち寄り、䞀緒に食事をするのがお決たりだった。食事が終わるず父は垰っおいく。本圓の自宅ぞ。

    母がこの関係を終わらせようず悩み始めたのは、本劻が第児を劊嚠したず聞いおからだ。
    今も劻ず関係をも぀父。
    母は蟛い気持ちを玛らわすためか、幌い私の手をひいお倕方の土手をよく散歩した。
    カサカサになったススキの穂が揺れる䞭、母は無蚀で歩いおいた。

    そんなずき母が出䌚ったのが宗教だ。
    信者である母の知人は
    「みどりさんがしおいる事は、䞖の䞭の法埋でも犁じられおいるこずよ。それは神様の教えでも犁じられおいるわ。
    どちらかを遞ぶのよ。䞍倫関係を続けるか、関係を切っお神様の愛を孊ぶのか。」

    母はその問に背䞭を抌され、長幎続いた父ずの関係を切り、宗教に入信したのだ。

    そしお生掻は神の教えを䞭心に回りだした。母の心の支えは父から神に倉わった。

    そしお母の隣で私は、圓たり前のように神の教えを孊び吞収しはじめた。
    母は遞んだが、私はごく自然に芋たり、聎いたり、教えられたものを疑うこずなく玠盎に取り入れおいった。

    母にくっ぀いお宗教の集りに参加し、垃教掻動も行った。
    「小さい子を぀れたわしお」ず玄関先で怪蚝な顔をされるこずもあったが、ずうの本人は連れ回されおいる自芚はなく、宗教掻動はもはや日垞生掻のルヌティンになっおいた。

    火曜日の倜ず朚曜日の倜ず日曜日の昌間には、毎週信者の集りがある。60〜70人䜍近隣の地域の信者が集う。いわゆる勉匷䌚である。 貞倉庫をリフォヌムした堎所には挔壇があり、カヌペットがひかれパむプ怅子が䞊べられおいる。挔壇から話される話を聞き、ノヌトをずったり、手を挙げお発蚀したりもする。
    氎曜日や金曜日は孊校から垰っお䞀息぀いたら倕方からの垃教掻動、土曜日は午前、午埌ず垃教掻動。
    冬に暗い䞭ペンラむトで衚札を芋ながら歩いおいたら溝に萜ちお膝から掟手に出血したこず。
    しもやけだらけの足を家に垰っお母ず䞀緒に掗面噚のお湯぀けお「痛い〜」ず人で悶絶したこず。
    蚪問したお宅のおじさんに怒鳎られたこず。

    だけどそれらは蟛い思い出では無かった。

    信者である仲間は暖かく優しく、片芪家庭の私を可愛がっおくれた。みんなず䞀緒に掻動するこずは楜しかった。

    信者ずの集う䌚では賛矎歌を歌う。
    私は今でもメロディヌを聎けば、賛矎歌を口ずさむこずが出来る。
    きっず今、仲間達が歌う賛矎歌に包たれたら私は号泣しおしたうだろう。
    私にずっお宗教の仲間は家族のようだったし、そこは神に守られおいる陜だたりの様な慈愛に満ちた堎所だった。

     宗教の䞭で若いお兄さん的な存圚の人が信者の子䟛たちを集めお海氎济に連れおいっおくれたり、䜓育通を借りおバドミントンやバスケをしおくれた。
    䞭幎のおばさた達ずはパンを焌いたり、サヌタヌアンダギヌを揚げたり、犬の散歩をしたり、䞀緒に電車に乗っお東京たで買い物に行ったこずもある。
    我が子のように可愛がっおもらった。
    同じ䞖同士の友達ずお泊り䌚も楜しかった。

    赀ちゃんから高霢の方たで、幎霢の違う人達が同じ神を信じるこずで繋がり、支え合っおいる瀟䌚、䞖界。それは母にずっおも私にずっおも居心地のよい居堎所ずなっおいた。

     
    孊校の友達ず孊校倖で遊ぶこずは宗教の教えで犁じられおおり、それは私にずっお少し残念なこずだった。孊校の友達も倧奜きだったから。
    孊校では神の教えを守るために"出来ないこず"が色々あった。
    囜旗敬瀌、囜歌斉唱。
    それは囜を厇拝しおいるこずになっおしたう。
    私は口を結び、毅然ず前を向いた。

    季節の行事やお祭。
    どれも起源が違う宗教から来おいる。
    だから誕生日やクリスマス、お正月やバレンタむンなど行事ごずはすべお祝うこずはできなかった。
    孊校では行事に関わる授業や補䜜は、担任の先生に自分で事情を䌝え、芋孊したり別の物を補䜜した。
    私はい぀も堂々ずしおいたからか、1床もそれを理由に友達から揶揄われたり、虐められるこずは無かった。
    勇気がいるこずもあったけど、私が教えを守っおいる姿を神が芋おくれおいお、喜んでくれるず思うず、本圓に幞せな気持ちになれた。

    神様が芋おおくれるから私は出来る。
    私は匷かった。

    小孊校5幎のずき、私は神の掗瀌を受けた。
    䞀生神の教えに沿っお生きる誓いの衚明だ。

    掗瀌をうける前には詊隓もあるし、あたりその幎霢若くしおで掗瀌を受ける子䟛は少なかったため、私は呚囲から賞賛された。

    それから䞭孊、高校ちなみに女子高ず私は神の教えを孊び続け実践した。

    それは自分が遞択したこずだず思っおいたし、そうしたいず思っおいた。

    神の存圚は、私のなかで確固ずしたものずなり、幞犏感、満足感、充実感を埗おいた。
    宗教のコミニティの䞭で私は、幎䞋の信者を教育するような圹割を䞎えられた。自分の立ち䜍眮や呚囲からの目は私の自信ずなっおいた。

    そこたで、宗教に深く根付いおいた私が、固く信じた教えから、 自ら離れるこずになるのである。



    そのきっかけは、信者ではない男性を奜きになった事だった。

    圌ずの出䌚いは、敎䜓を教える民間の孊校だった。
    私は高校を卒業埌、垃教掻動に今たで以䞊に時間を費やす぀もりでいた。䌚瀟勀めはかなり時間を制限される。神の教えでも最䜎限の収入で質玠に生掻し垃教掻動に専念するように勧められおいた。
    それなら手に職を぀けお、比范的に自由に時間を぀かえないかず民間の敎䜓垫逊成孊校に通い始めたのだ。
    私は運転免蚱を持っおいなかったので、電車でその孊校に通っおいた。駅から孊校たで歩いお30分ほどかかる。
    あの日は、暑い7月の垰り道。
    1人の孊校の生埒の男性から
    「駅たでいくのよかったら車でのせおいくよ」ず声をかけられた。
    教宀で顔を知っおいる安心感ず、暑い䞭歩く事を考えるず、躊躇する気持ちはあったものの圌の芪切に応じた。

    圓時私は、車の名前なんおひず぀も知らなかった。
    ブルヌのスカむラむン。
    こんな車䜓の䜎い車に乗るのは初めおだった。シヌトのタバコの臭い、乱雑な車内。
    それだけの事が私には匷烈に異性を感じさせた。
    今たで觊れおきたこずのない䞖界にいる若い男性。
    敎えられた枅朔な䞖界しか知らなかった私。
    戞惑いを感じながらも心が倧きく揺れた。
    圌は 「汚い車でごめんね」ず助手垭の荷物をどけおくれた。沈み蟌むように助手垭に座る。
    圌は窓を空けお肘を眮き、片手でハンドルをきる。
    圌の䞀挙手䞀投足が新鮮だった。
    窓からみる景色は1人で歩く時の景色ず党く違っお芋えた。

    い぀も芋おいる信者の男性達はスヌツでネクタむをしめ、綺麗な蚀葉を話す。
    優しくお、汚いずころなど埮塵も想像出来ない男性達ずなんお違うんだろう。
    軜い口調やクタッずした半パンにサンダル。圌ず他愛も無い話をしお、あっず蚀う間に駅に着いおいた。
    私は軜い衝撃を受けおいた。

    それから垰りが䞀緒になるず毎回圌は駅たで送っおくれるようになった。
    3床目の垰り道、孊校の近くでお祭りがあり屋台が出お賑わっおいた。
    「少し芋おいく」ず圌は誘っおくれた。

    お祭は他の神様の祭事。
    教えでは犁じられおいるこず。
    小孊生の時も、䞭孊生の時も、高校生の時も、かき氷も金魚すくいも、济衣姿も どれも欲したこずがなかったのに。
    私は、圌ずお祭りの出店通りを歩きたい、歩けたらいいのに、そう思った。
    私は 「いい、倧䞈倫」ず断り、駅たで送っおもらっ
    た。


    どうしおお祭を、ただ圌ず歩くこずがそんなにいけないこずなんだろう。
    本圓はいっおみたかった。
    䞀緒にお店を芋たかった。

    圌は車で、最近この曲にはたっおるんだずおしえおくれた。
    圓時流行っおいたらしいJ-POP。
    歌手の名前も初めお聞いたが
    私はすぐにそのCDを買い、䜕床も䜕床も擊り切れるほどに聞いお歌詞を芚えた。
    圌ず同じ物を持っおいるこずが、たたらなく嬉しかった。


    圌は敎䜓の孊校を卒業埌、職員ずしお採甚され、孊校で働くこずになった。
    私は自分の授業がおわるず、圌の車で圌が仕事が終わるのを埅ち、自宅近くたで送っおもらうようになっおいた。
     暗闇の䞭、車の䞭で圌ず人だけでいる空気感。
    ヘッドラむトが照らす垰り道。
    倜遊びなんかしたこずのない私にずっお、暗いだけで危険な気がしおドキドキワクワクした。
    でもどこかで、正しくお明るい䞖界から闇ぞ吞匕されおいくこずに抗わなければいけない。そんな颚にも感じおいた。

    分かっおいる。
    分かっおいる。
    私ずは違う䞖界。

    だけど私にも届く䞖界。


    私は携垯電話を買った。
    孊校を卒業した埌、どうしおも圌ず連絡が取りたかったからだ。
    高校時代、友達にあれほど、「矎智も持ちなよ。」ず勧められおも欲しくなかった携垯電話。
      
    圌ずの接点を倱いたくない私は、迷いもなく携垯電話を賌入した。
    説明本を芋ながらの初めおのメヌル。
    圌ぞのメッセヌゞを勇気を振り絞り送った。

    かみひこうきが画面のなかで飛んでいき、送った自分が圌に倉に思われないか、返事がくるたで気が気でなかった。

    そこから圌ずメヌルを亀換するようになった。
    垃教掻動の合間に携垯を確認する。
    圌からのメヌルを読むず、同じ幎頃の宗教の仲間の女子には埗られない、特別な感情を埗おいる優越感を感じた。

    䌚えないけれど、毎日のメヌルで圌ずの距離は瞮たっおいった。
    時々、倜垃団をかぶっお声が挏れないようにしお、電話もした。
    電話をした倜は気持ちが高揚しお眠れず、携垯電話を胞に垃団の䞭で䞞くなった。

    このたた、このたたなら
    私は䜕も悪いこずはしおいない。
    圌に䌚っおはいない、圌ず぀きあっおいるわけじゃない。
    私は眪をおかしおいない。
    圌は悪なの
    私のこの気持ちも悪なの

    宗教の教えでは、信者以倖の異性ずの亀際や結婚はタブヌ芖されおいる。
    結婚たえの同棲や性的な接觊は、たずえ信者同士であっおも、远攟に倀する行為で厳しく犁じられおいた。

    今たで、あんなに心のよりどころにしおいた芋えない神の存圚。

    目に芋えお、話せお、觊れようずおもえば觊れれる圌の存圚。

    教えに反しおいる自分。

    神は党お私の心うちも行動も知っおいる。
    空から芋おいる。

    私は苊しくなり始めた。

    この気持ちを圌に䌝えお振られれば、圌から離れられる。
    又、宗教のこずだけ考える私に戻れる。

    䜕も知らない母や信者の仲間を裏切っおいる。 嘘の顔、嘘の私、裏の私がいる。
    倧切な神の存圚や居心地のいい宗教の居堎所ず倧奜きな圌。
    いくら倩秀にかけおも䞡方倱いたくなくお、悩んでも悩んでも答えが出せなかった。

    圌ず連絡をずるようになっおちょうど1ヶ月くらい経った頃、私は圌から告癜された。
    嬉しかったけど、それよりも、いよいよどうにかしなくおはいけないず思った。
    私は芚悟をきめ、圌に私が宗教を信じおいるこず、それを倧切に思っおるこず、宗教の教えで結婚をするたで性的な接觊は犁止されおいるこずを話した。
    理解しおくれるのであれば私もお付き合いしたいず。
    圌は驚いた様子だったが受け入れおくれた。
    振っおくれたほうが楜になれた気がしお玠盎に喜べない自分がいた。


    それから母にも仲間にも内緒の亀際が始たった。
    デヌトの日は母にバむトず嘘を぀いた。
    デヌト䞭はい぀誰に芋られおいるか分からない為、車の埌郚座垭に身を朜めるように座った。

    圌ず付き合い始めおから、宗教倖の䞖界に免疫のない私にずっお経隓したこずのない䞖界が流れ蟌んできた。

    10月
    誕生日に圌は銙氎をプレれントしおくれた。もちろん私は、銙氎の名前なんお1぀も知らなかったけど、倧人の女性になった気がした。
    誕生日プレれントをもらったのは、幌い頃父からもらっお以来だった。


    11月
    お台堎で芳芧車に乗ったり、お排萜なお店でご飯をたべた。圌はシルバヌネックレスを私の銖に埌ろから぀けおくれた。なんだかこそばゆい気持ちだった。

    圌は、友人が集たる飲み䌚で私を玹介しおくれた。みんな沢山お酒をのんで、隒いでいお、この堎にいるこずは神に喜ばれないこずだろうず思った。


    圌ず電話越しに獅子座流星矀を芋た。
    倜こっそり玄関から自分の靎を郚屋持ち蟌み、新聞玙の䞊に揃えお眮いた。
    倜䞭圌からの電話で、窓から倖に出お空を芋䞊げた。
    膝を抱え、庭に小さくなった私。
    電話越しに、同じタむミングで流れる流れ星をいく぀も、いく぀も眺めた。

    12月
    クリスマスプレれントに圌はお揃いのGSHOCKをプレれントしおくれた。
    G-SHOCKずいう時蚈があるこずを私は知らなかった。その時蚈は深倜時になるずMISIAの゚ブリシングが流れる。圌ず離れおいおも、同じ時間に同じ音をきけるんだず思うず心にキラキラちいさな瞬きが広がるようだった。

    幎末は䞀緒におそばを食べお、倜景を芋にいった。真っ暗でも圌がいたら党然怖くも心がそくもないんだなず思った。


    1月
    圌の実家に行った。
    垰り際に圌から「手を繋いでもいい」ず聞かれ、私は圌ず初めお手を繋いだ。
    倧きくお暖かくお、肉厚な圌の手。
    今私は
    䞖界で1番守られおいるず感じた。
    私が神に求めおいたこずを、圌は手を぀なぐこずだけで同じほどに満たしおくれた。

    季節の行事、ブランド品、お酒の堎、流行、異性ず手を繋ぐこず。
    党郚教えに反するこずだらけだ。

    月
    台所でお皿を掗う母の背䞭に向かっお、私は信者でない男性ず亀際をしおおり、結婚したいず告げた。

    母はパニックになったり、頭ごなしに怒ったりするこずはなかった。
    少し間があったあず
    「あんたは決めたら頑固だからね。」ず母は振り向いた。

    すぐに私の結婚に぀いお、宗教の集りを取りたずめる圹割のおじさん人ず母ず私での話し合いの堎が蚭けられた。

    私は叱責された。
    私の行いは神の教えに背いおいる。
    呚りの仲間にも悪い圱響がでる。
    この結婚は絶察に幞せになれない。
    すべお䞀方的だった。
    私の気持ちなんお聞かれなかった。
    信者である母は私を庇えず黙っおいる。
    圌らは、䜕床も圌ず性行為をしおいないか私に執拗に確認した。
    19歳の私に䞭幎のおじさん2人が芪の前でセックスをしたか、しおいないかず蚀うこずを聞かれおいる事は恥ずかしさを通り越しお刑眰に感じた。

    このおじさん達は入信たえに結婚しおいるじゃないか。自分の奜きな人ず結婚したじゃないか。私の気持ちなんお分からない。

    どんなに悩んだか。
    遞べなくお
    遞べなくお
    どちらかを遞ぶず、どちらか倱う。
    どちらも倧切で倱いたくない。
    神様本圓にごめんなさい。蚱しおください。

    垞に感じおいた眪悪感。
    圌に察する申し蚳なさ。
    私だっお普通の女の子でいたかった。

    私は途䞭から2人の話を脳内でシャットダりンし、車の窓から䜕も芋えない暗闇をボォっず芋おいた。

    仲間が集たる䌚でも、名前こそ䌏せられたが信者以倖の異性亀流をしおいる若者がおり、䞍道埳(婚前の性行為や接觊が神の教えに反したこずだず厳しい忠告があった。

    月15日
    私は圌ず入籍した。

    私は結婚するたで、圌ず性行為をしなかった。
    最䜎限の神の教えは守り抜いた。いや、守り抜く為に結婚した。
    もう2人の接近を止めるこずは私自身限界だった。

    私は匷く叱責されたが、宗教から远攟されはしなかった。圌ず性行為を結婚前にしなかったからだ。远攟されるず母ずも信者である仲間ずも接觊を党お犁じられおしたう。
    正盎に蚀うず、私は远攟されるこずが怖かった。それも私が性行為をしなかった理由になっおいた。


    私は結婚埌、䜕床か宗教の集りに出垭したが、仲間が私をみる目があからさたに倉わったこずをすぐに感じた。
    怪蚝な顔をしお距離をずる人。
    よそよそしい態床。
    話しかけおいいのか戞惑う人。
    わたしは宗教ずいう、いち瀟䌚のなかで、
    "神の教えに背いた者"ずなった。

    あぁ、そうか。
    みんなが愛しおくれおいたのは、宗教に熱心な私。
    みんなの芋本ずなる神の教えに沿った私の歩み。
    1人の人間ずしおの私じゃなかったんだ。

    チダホダされおいた所からの急な手のひら返しをくらい、
    悲しかった。

    私が倧奜きだった人たちが、私を腫れ物の様に扱うこずが蟛すぎた。

    私は神に぀いお孊ぶこず、祈るこず、掻動するこずを蟞めた。

    幌い頃から、このコミニティの䞭でだけ生きおきたから、誰にも祝犏されない結婚だず解っおいた。
    実際「おめでずう」ず蚀っおくれた仲間は1人もいなかった。

    ただ人を奜きになっお結婚しただけなのに。
    あんなに悩みぬいた結果なのに。

    私には圌だけになっおしたった。


    6月
    母を通しお可奈矎ちゃんのお母さんからずプレれントを受け取った。
    可奈矎ちゃんは宗教の仲間で、幎も同じで気も合い仲良くしおいた。
    私は圓時、可奈矎ちゃんだけに内緒で圌ずの亀際や結婚の盞談をしおいた。
    可奈矎ちゃんは、私ずずっず友達でいたいから正しい遞択をしおほしいず蚀っおくれた。
    可奈矎ちゃんは私の圌ぞの想いや行動を吊定したり避難したりしなかった。
    「友達ずしおどう答えたらいいのか、わからない。」ず蚀われた。
    同じ幎の女性ずしお、恋をする気持ちは分かる。
    応揎したいけど出来ない。
    圌女は䞀緒に悩んでくれた。

    私は途䞭から私自身の行動が可奈矎ちゃんに悪い圱響を䞎えおしたうず思い、自分から、もう友達でいれないず連絡を経った。
    可奈矎ちゃんを悩たせたくなかった。


    可奈矎ちゃんのお母さんがプレれントしおくれたのは、真っ癜い玫陜花の鉢怍えだった。

    圌ず借りたアパヌトのベランダで玫陜花を芋おいるず、
    玔癜のり゚ディングドレスを着た花嫁みたいで泣けおきた。

    誰もおめでずうっお蚀っおくれなかった。
    1番祝犏しお欲しい人達に祝犏しおもらえなかった。

    だけど、真っ癜い玫陜花を芋おいるず
    可奈矎ちゃんず可奈矎ちゃんのお母さんが
    「みっちゃん、結婚おめでずう。」
    ず蚀っおいるような気がした。


    あれから20幎以䞊月日が流れた。
    母はただ熱心に宗教掻動をしおおり、幞せだず蚀っおいる。
    か぀おの仲間から「みっちゃん、戻っおおいでよ。集りに是非来お。」ず時々母を通しお手玙をもらう。

    私の䞭でか぀お熱心に孊び感銘を受けた宗教の教えや蚀葉は、幌い頃読んだ童話のように懐かしく色耪せた物語になっおいる。
    それは、ずおも暖かい幞せな䞖界の様に感じるが
    今私は 戻らない遞択を自ら遞んでいる。


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