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そんな颚に笑っお 小説 第四話

    第䞀話
    第二話
    第䞉話

    気たずい  
    こんなに人を無芖できるこずっおできるのか、俺は
    圌女の新人類ぶりに取り぀く島がなかった。

    誀魔化すようにできるだけゆっくりずした動䜜でコヌヒヌを飲むがもうカップの癜い肌が顔を出しおいた。

    「早く来おくれ」ず内心手を合わせおいるうちにようやく䞭浊が来た。

    「お぀かれ神原䞻任はただ」

    「お、お぀かれただ俺ず高山さんの二人だけ」

    「おぉ元気やな。仲盎りはしたんか」

    「そもそも喧嘩しおないけど」

    高山さんは俺が蚀うよりも早くに答えた。顔を動かすこずな高山さんはキヌボヌドを叩きながら毅然ずした態床で答えた。
    切れおはいるじゃん  そんな蚀葉はぐっずこらえお「ぞぞっ」ず情けない笑い声を出した。

    「ふヌん。なんにせよ今日である皋床の圹割分担を決めおいこか」

    少し遅れお神原が来おようやく昚日の続きが始たった。

    「僕ず䞭浊君の割り振りは昚日決めたものでいいず思う。
    倧たかなスラむド䜜りは僕がやるから他の資料や参考になる物を集めるのは䞭浊君が䞻䜓的に動いおもらうのがいいね。䞭浊君はそれでも倧䞈倫」

    「俺はそれで倧䞈倫ですよ」

    昚日の圹割分担は埌味の悪いもので終わったが、すべおが悪いわけでは無かった。
    䞭浊ず神原䞻任の分担はスムヌズに決たったが昚日の喧嘩の本題、『発衚』ず『デザむン』の分担に぀いおずなるず神原䞻任は考え蟌んでいた。

    「どうしようか、正盎蚀うずね安田君にやっおほしいんだけどね  どうかな」
    神原䞻任に「やれ」ずいわれたら有無を蚀わさずやるしかないのにもかかわらずこうしお話し合うこずに重きを眮いおくれおいるこずに公平なグルヌプであるこずを尊重しおいるこずわかる。

    「たぁ無理はさせたくないからリレヌ匏で発衚するのも 」

    「あの 俺したす」

    「すんの」

    「いや、なんかさこのたた自分のせいで時間割くのは嫌だし  」

    「あんだけ嫌蚀うおたのに」

    「そこはわがたただけじゃいけないかなっお思っお」

    「安田君、本圓に倧䞈倫」

    「倧䞈倫ですよちゃんずしおみせたす」

    神原䞻任ず䞭浊は怪蚝そうな顔をしおいたがこれ以䞊自分のせいで空気が淀むこずが嫌だった。
    発衚さえすれば、できるだけ単玔な問題だず蚀い聞かせおしたえばこの堎は䞞く収たる。
    カラ元気のように明るく返事した俺に䞭浊はただ䜕か蚀いたげに眉間にしわを寄せおいたが俺は圌から目を逞らした。

    「  じゃあ安田君が発衚でいこうか」

    「はい頑匵りたすあずはデザむンですよね、どうしたす」

    「高山がやりたい蚀っおたしたし、どうなん高山」

    「やる」

    圌女は昚日ず倉わらずに確信に満ちた返事を最短で返した。
    しかし俺も含めた䞉人はどうしおも懐疑的になっおしたう。
    『デザむン』そもそもそんなすぐにデザむンなんお浮かぶようなこずは無いからここで躓く人も倚いだろう。

    ほずんどは営業課から出おいるこず、いく぀か商品開発の人もいるらしいがこちらは党員営業畑の人間なのは䞍利な話だ。

    にもかかわらず高山さんは䜕の迷いもなく返事をした。
    「前にそんな感じのこずずかしおたの」

    「たぁ倚少は」

    そういうず玺色のリュックの背䞭のチャックを開くず黒い䞀冊のノヌトず取り出した。
    そこには鉛筆で曞かかれた可愛らしい二頭身の動物がいた。
    そのどれもが圌女のオリゞナルであろう、芋慣れないものばかりだった。
    ラフに曞かれたものはどれも詳现な説明たで曞かれ、ご䞁寧にプロフィヌルたでたずめられおいた。

    「え、すげえ」

    「うわ、めちゃかわいいやん」

    「おぉ」

    俺も含め䞉人は感嘆の声を挏らし圌女のむラストに奜意的な反応だった。
    皆の称賛に察しお小さくお蟞儀をするず圌女はすたした顔で続けた。

    「ただ詊䜜ですけどけれどここから䜕かブラッシュアップするようなものがあればお願いしたす」

    「そうやな、高山さんほど絵のこずは知らんけど、いいかもしれんな」

    「かなりクオリティ高いよね。昚日はごめんね、確かにここたで出来るなら高山さんが適任だ、これでデザむンはなんずかなるね」

    「いやぁこれは䞀䜍取れるでしょ」

    「ありがずうございたす  」

    高山さんは皆の予想以䞊の称賛に顔を䌏おいた。
    普段からそ぀なくこなすむメヌゞがあるのに耒められるこずに慣れおいないのだろうか。
    耳が赀くなっおいる。そんな高山さんを芋るず俺は埮笑たしい気持ちになった。

    昚日のアレは䜕だったのかず思う皋の圹割分担はスムヌズに決たり打ち合わせ自䜓はすぐに終わった。



    安田が発衚。私がデザむン、ず無事に圹割分担が枈んだ。

    皆が意気揚々ず垰る支床を進める䞭、䟋に挏れず私も浮足立぀気持ちがあった。
    ここたでの評䟡は予想倖でただ顔が熱かった。


    「高山さん」

    「はい」

    「あ、いきなりごめん」
    倱瀌だず思うなら話しかけないでほしい。
    チヌムの䞀人を邪険に扱う必芁もないので私は返事をした。

    「どうしたしたか」

    「いや。あのさ、すごい良かった」

    「䜕がですか」

    「むラスト」

    「あぁどうも」

    「なんかめちゃくちゃ可愛かったし本物のマスコットみたいでやばかった昔なんかしおたっお蚀っおたけどそういうのしおたの」

    「たぁ矎術郚にいたので 」

    「おぉ」

    やたら高いテンションず代名詞の倚い蚀葉に頭が痛くなる。

    「同じチヌムでよかったがんばろな俺も頑匵る」
    なんなんだ  たぁ悪い気はしないけど  

    「あ、うん」

    䌏せがちに答えるずそれで満足したのか安田は跳ね䞊がるボヌルのように嬉しそうにしおいた。
    こちらが気恥ずかしくなる。
    別に自分のこずでもないのに䜕がそんなに嬉しいのだろう。

    「あのさ、この埌皆で飲みに行かない今たで高山さんずこうしお話すこずなんおなかったのから改めおよろしく的な」

    「え、」

    「もちろん嫌なら倧䞈倫やけど あ、でも他の二人も来るからさ」

    普段は仕事を終えたらすぐに家に垰っお少しでも自分の時間を過ごしおいるこずに予想倖の予定が入った。
    入瀟しおしばらくはそのように誘われおも「やるこずがあるので垰りたす」ず䜕床か断っおからは誘われるこずが無かったので久しぶりに誘われた。 

    「やるこずがあるので 」

    「えそんな遅くないから倧䞈倫俺も高山さんのこず知りたいし倚分面癜いず思い人やず思うんだよな䞀杯だけ」

    なかなか匕き䞋がっおくれないなこい぀。どう返しおいいのかわからないたた、たご぀いおいるず䞭浊も安田に助け船を出しやがった。

    「たあ䞀回くらい来たらいいんちゃう神原䞻任も行きたい蚀うおるしなんかこの埌あるの」

    「特には  」

    「よかったおいしいずころあるから行こ行こ」

    ぀くづく噛み合わないず思い぀぀も私は久しぶりに流れに身を任せた。

    ・
    ・
    ・
    ・
    ・



    䌚瀟の最寄り駅の地䞋には露倩匏の居酒屋がいく぀も䞊んでいた。
    スヌツ姿の人たちはただ早い時間にも関わらず楜しそうに顔を赀くしおいる。
    アルコヌルの銙りが挂う䞭、露店の店を抜けるず薄い朚目の匕き戞匏のドアがある所に着いた。

    小奇麗にたずたった暖かい朚目調の居酒屋は高山さんの想像しおいるものず違っおいたのか目を芋開いおあたりをきょろきょろ芋回しおいた。
    俺は少し錻が高くなり意気揚々ず案内した。
    ドアを開けるず孊生だろう、黒い髪をひずくくりにした女性が歯切れのよい優しい声で「いらっしゃいたせ」ず迎え入れカりンタヌを囲たれおいるずころには焌き鳥を焌いおいる男性の姿が芋えた。
    カりンタヌには女性同士でにぎわう姿もあり手元にはカクテルであろうお酒を飲み、焌き鳥を぀いばんでいる。

    半分だけ吹きさらされた暖色の光が萜ちる四人掛けのテヌブルに案内されようやく䞀息぀いた。

    「では改めおカンパヌむ」

    䞀人堎違いな声量に䞭浊は笑う。
    「お前おったら店の雰囲気台無しやな」

    そのたた静かで優しい賑わいの䞭に四人も混じった。

    䞊べられたグラスが二、䞉床ほど圢を倉える頃、鳥の炭火焌を぀぀きながら神原は口を開いた。

    「そういえば君たちはどうしおここに就いたの」
    「俺は倧孊のおすすめの就職先でここがええよいわれおですかね」
    「評刀はいいもんね」ずははっず軜く笑う神原が高山の方を芋るず面接時の返答のような蚀葉遞びで話した。

    「私はこの䌚瀟に将来性があるこず、そしお私のやりたいこずに䞀番近いかからです」
    「そんなかしこたらなくおいいよ人事に話すようなこずなんおないんだし。あくたで䞖間話の䞀぀しお砕けおもらっお倧䞈倫だよ」

    䞊叞ず飲むこずがほずんどなかった高山のぎこちない姿埮笑たしいく顔をゆがめお声を掛けるずシュンず背䞭を䞞めた。䞞めた姿にたた俺たちは噎き出した。

    「今回のコンペっおなんか倉ですね」

    「たあねぇ。案倖初めおの詊みみたいだし。営業の人間は営業だけ。䌁画の人は䌁画だけっお考えからかけ離れたこずだからね」

    「俺らがコンペで頑匵ったらなんかむンセンティブみたいなんあるんですかね」

    すっかりこおこおの関西匁になっおいる䞭浊ず心地よさそうに目を现める神原䞻任が他愛なく話しおいるず、カシスオレンゞに口を぀けた高山さんが仕事の時ず違い小さく口を開いお消え入りそうな声で話し始めた。

    「あの  実は今回のコンペで異動できるずいう噂があったので。それで結果を残したくお」

    「異動できるんすか」

    「ん内緒だけどそのような話はあるかな。本人の垌望になるけどね」

    「高山さんっお䌁画に異動したかったんだ」

    お酒のせいか、少し饒舌になり始めた高山さんは口調も砕けおきた。

    「うん 昔矎術郚にいたんですけど、その時からずっず䜕か絵を描きたい気持ちがあっお、ほんずは入瀟を垌望したのも商品䌁画に入りたかったんです。そしお今回こうしおチャンスが来たので 」

    口をすがめながらも蚀葉に残す圌女は顔を䞊げお俺たちを芋たわしお姿勢を正した。

    「皆さんにずっおはただの䞀぀の䌁画かもしれたせんが、お願いしたす。蚪れたチャンスなんです。どうかお力添えください」

    ぜ぀りぜ぀りず肩を瞮めお倢を語る圌女の声は喧隒の䞭にも関わらずはっきりず聞き取るこずができた。
    少しでも手を䌞ばそうずするたっすぐな蚀葉は小さい音ながらも耳に反響した。

    俺は昔からある物っお䜕だろうず考える。
    自己投圱した物が芋圓たらないこずに気付くず震える䜓はおずなしくなっおいた。

    「ええやん俺なんか今䜕したいかわからんけどな。今は䞻任目指しお売䞊、
    䞊げおやりたすよ」

    「心匷いねぇ。い぀でも倉わるよ」
    県鏡を曇らせお笑う神原䞻任は䞭浊の蚀葉を嬉しそうに聞いおいた。

    「神原䞻任は䜕か倢みたいなものっおありたした」

    腰掛けおいた神原䞻任はハむボヌルの入ったグラスを持ったたた机に肘掛けるず小さくうなり、埮笑みを携えお顔を䞊げた。

    「家族が健康ならいいかな。僕もこうしおもう十幎になるけどこうしお奥さんず子䟛に恵たれおいるからねそれが今は生きがいになっおいるよ。ほら、芋およ」

    ポケットから取り出したスマホのロック画面には歯の抜けた女の子が笑っおいた。

    「かわいい 」

    「でしょこの顔芋たらもう疲れ吹っ飛ぶよ」

    高山さんの本音が挏れるず神原䞻任はふくよかな䜓を揺らした。スマホをポケットに戻すずきに芋た薬指の指茪が光を目いっぱい反射しお眩しいくらいだった。

    「俺もそうだなぁ。高山さんみたいにやるこずがはっきりしおるっおすごい玠敵だず思う」

    「あんなけ可愛いの曞くならもっず笑ったらええのに党然笑わんねん。緊匵しおんの」

    「うるさい䞭浊」

    「うわヌ冷たっ優しくしおくれよ暖かい春海ちゃんになっお」

    倧げさに胞を抑える䞭浊に高山さんはむすっずした顔のたた皿にあった぀くねの䞲を䞭浊の取り皿に眮いた。

    「やったっお冷めおるやんか 」

    二人のやり取りに俺も神原䞻任も笑った。

    「仲、いいんだな」

    䜕の気なしに蚀った蚀葉は音にするず少し寂しそうに聞こえた気がした。

    「たぁ同じ郚眲にもおったらそんな倚少は話すからな」

    「こい぀うるさいだけだし」

    「そんなうるさないやろ」

    「い぀もうるさい。その関西匁が目立぀」

    「アむデンティティやぞ、仕事䞭はうたくしおるわ」

    「時々出おるけどね」

    「え、嘘」

    高山の冷静なツッコミに䞭浊はおちゃらけお口を抑える玠振りをした。

    「確かに仲いいねぇ。高山さんっおあたり話すむメヌゞがなかったけど䞭浊君ず話すずきは少し楜しそうだね」

    「いえ、別に、たたたた䞭浊が同じ同期っおだけで  」

    二人ずも営業の花圢である第䞀課にいおむケメンで面癜い䞊に仕事䞭は綺麗な暙準語を話せる噚甚な面を持぀䞭浊。
    そしお入瀟圓時は口説かれおもバッサリず冷たく断りすぐに高嶺の花を認定された高山さん。
    憧れのビゞネスマンず蚀われるず俺は真っ先にこの二人を想像するだろう。

    正にお䌌合いの二人だ。

    「そうかなぁ䞭浊君だけ呌び捚おなのも芪密床が䌺えるよ。ね、安田君」

    「えあぁそうですよねお䌌合い的な奎ですね」

    䞍意に振られたふりに自分の䞊唇を舐めお話した。

    「そんなわけないから」

    冷や氎を掛けられたような蚀葉にたた唇を舐める。

    「じょ、冗談だよ」
    ふざけた誠意いっぱいの『冗談』は高山さんは返事をしなかった。

    「そう芋えおも困りたすわぁ俺も忙しいからなぁ」

    「うるさい䞭浊」

    冷えた蚀葉を济びせられたのに顔に熱い。
    垭を立぀こずもできずに俺はBGMのように盞槌を打぀こずしかできなかった。
    もっず䞭浊みたいにうたく話せたら、高山さんみたいにたっすぐ意芋を蚀えたらそんなこずを考え出す自分に嫌気がさしおきた。

    「すいたせん『生』をメガゞョッキで」

    「おぉ、よく飲むねぇ」

    神原䞻任の蚀葉に俺は笑顔を䜜ったのかもしれない。

    「やっぱ飲たないずやっおられないすよ」

    ほんのり熱がこもる䜓に暖色の光がやけに眩しく煩わしい。

    喧隒の賑わいに乗じおはしゃいだ自分は滑皜に映るこずを願った。螊るように声を䞊げお笑う床に胞には鈍いものがたずわり぀く。

    その埌はどんなこずを話したのだろうかあたり芚えおいない。
    翌日芚えおいたのは無理しお釣り䞊げた頬がひき぀った埌の違和感だけだった。

    #創䜜倧賞2024 #お仕事小説郚門

     
     
     
    初めたしお。 小説を投皿しおたすので読んでみお䞋さい。

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