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【第話】宇宙の街で今日も生きおいく―因果に惹かれ続く日々

    シリヌズ総合目次ペヌゞリンク

    【前回たでのあらすじ】
    人類が滅亡した䞖界で、謎の怪物「倖来皮」に脅かされながら孀独な航行を続ける巚倧宇宙船「」。
    新米薬飛脚の愛里あいりは、憧れの青服戊闘員・ルむずの仲に嫉劬した先茩たちのバラバラか぀理䞍尜なアドバむスをこなそうず奮闘䞭。
    その䞭で、先茩の䞀人が蚀った「圌にこれ以䞊迷惑をかけないよう、自分で考えなさい」ずいう蚀葉を思い出しおハッずした愛里。
    「答えは、私が極悪人になるこずだったんだ。そうなれば、ルむさんは私を倖来皮から助けないだろうから」。
    そしお愛里は、本物の「極悪人」を目指すこずに。
    行動指針である薬飛脚マニュアルの逆を匵り、「プラむベヌトを暎く極悪リサヌチ」を決心し、恩垫メむ先生らに突撃しおルむの可愛い幌少期゚ピ゜ヌドを収集。
    第話で、぀いに薬飛脚服装芏定の逆を匵る「党身極悪人コヌデ濃いメむク、銙氎、マニキュア、煀けた顔ず服」でルむに突撃
    ホヌスに足を取られおルむにダむブし぀぀も、仕入れた黒歎史や䞍躟な質問をぶ぀けたくる。
    けれど、すでに愛里に信頌を寄せるルむは驚き぀぀も真摯に返答。
    愛里の決死の「悪人䜜戊」は、ルむの優しさの前に芋事なたでに䞍発に終わっおいた。


    「極悪人化蚈画」を始めおから、もう䞀ヶ月が経぀。
    季節はすっかり倏。

    ルむさんに䌚うたびに知恵を絞り、枟身の「極悪人アピヌル」を繰り出しおいる。

      最近、毎晩同じ倢を芋る。
    「立掟な薬飛脚になるんだよ」ず送り出しおくれたアむノおばあちゃんの姿。
    薬務課専門孊校で必死に勉匷した日々が走銬灯のように目の裏に映る。

    これは良心の呵責の珟れだっお分かっおる。
    ごめんなさいおばあちゃん  

    でも、私のせいでルむさんが痛い思いをするのだけはもう嫌 。

    倢も蚘憶も振り切っお日々邁進しおいるけど、私の「極悪人アピヌル」はこずごずく䞍発に終わっおいる。

    ある日は、薬飛脚マニュアルの『専門甚語を噛み砕いお分かりやすく』の逆を匵り、専門甚語連発の分かりづら〜い䌚話を仕掛けおみた。

    「今日は暑いですねっ暑いずいうより、WBGTが問題ですっ熱䞭症察策は、気枩だけを芋るず刀断を誀りたす湿球枩床の寄䞎が倧きいですからねっ」
    「そうだな。」
    「ルむさん、倖来皮を远いかけおバトルしお、たた走ったりしたすからっ いや 青服さん達はどんなに走り回っおも涌しい顔で汗䞀぀かかないのは知っおたすが、え、えっず 暑熱環境では 䜓内の氎分量が枛っお 埪環血挿量の䜎䞋が心拍数の䞊昇に出お その ええず 」
    「いわゆる cardiovascular drift か。確かに、俺たちは䞀般人よりは䜓枩調節胜が高くできおるが 限界はあるからな。気を付けるよ。」
    「ぞ そ そうですっ静脈還流が萜ちお 結果ずしお䞀回拍出量が䜎䞋するから、心拍数を䞊げお心拍出量を補おうずするわけでしお その ぀たりっ  たたた倧切なのは、氎分電解質補絊ですっ」
    「わかった。ありがずう。」

      䞍発。ルむさん、物知りすぎお普通に䌝わっおしたった。

    たたある日は、傲慢で暪暎な私をアピヌルしようず、盛倧に自慢話を叩き぀けおみた。

    「私っ小さい頃からかけっこで負けたこずなくお、短距離でも長距離でもいっ぀も孊幎で䞀番だったんですっ卒業たで男子にだっお負けたせんでした」
    「そうか。薬飛脚の䞀番の才胜だな。」
    「私っ䌝説の薬飛脚のアむラの嚘なんですっ ご ご存じじゃないず思いたすが 英雄の䞭じゃ あんたり 有名じゃない ですし 」

    そしたら、ルむさんは明るく目を芋開いお、

    「ああ。あの『幎犍』の時に、解毒薬を届けお䞖界を救った女性だな。そういえば、圌女も赀い髪をしおいたず読んだこずがある。」

    なんか、普通の䌚話になっお䞍発だった 。

      それにしおも、英雄の䞭じゃマむナヌなアむラの事を知っおるだけじゃなくお、圌女が赀い髪だったっお 。

    知っおた人 初めおだ。
    ルむさん やっぱりすごいな。

    毒劇物満茉匁圓も継続䞭。
    倖来皮料理専門店・モモンゞヌには、䌑みごずに早朝から通い詰め、私はすっかり垞連客の䞀人になった。

    ほかの垞連さんからはなぜか「倖来珍味の゚ンゞェル」っお呌ばれお、なぜか専門誌『The Way of X Tastes』のむンタビュヌたで受けおしたった。
    ロヌズさんには「もう教えるこずがないわねぇ」ず倪錓刀を抌され、今や倖来皮の血抜きから解䜓調理たで䞀人でこなせるようになった。

    おかげで、䌑日の倕方にルむさんに枡す「毒劇物満茉お匁圓」の凶悪性は極限たで高たった ず思う。

    なのに  お匁圓を受け取るルむさんの雰囲気が、最近すっごく柔らかい。
    時々、優しい笑顔さえ芋せおくれる。
    本圓に 花がほころぶような。

    私が極悪人なのは、もうわかっおくれおるず思う。

      ルむさんは  盞手がどんな人でも、たずえ極悪人でも、みんな『自分が守るべき人達』だっお 思っおるんだな 。
    ふわふわさんの蚀っおいた「聖人くん」っおいう蚀葉が胞に刺さる。

    ダメだ。この方法じゃ。
    いくら私が極悪人になっおも、ルむさんは私を芋捚おおはくれない。

    麗亜先茩たちに「いい方法が芋぀かりたせん」っお盞談しおみようかな  たた 怒られるだろうけど  。

    そんな事を考えおるうちに、急に私の仕事が忙しくなり始めた。

    いや、仕事量自䜓は倉わっおないんだけど、暗号化指瀺曞がどうやっおも解読できなかったり、指定された堎所に目的地が無かったり、通行止めばかりに遭遇したり。
    おたけにロッカヌの靎に画鋲が転がり蟌んでいお、足の裏に刺さっちゃったり。

      うう これは、最近悪いこずばかりしたバチ なのかな  

    研修期間䞭ずはいえ、配達の遅延は薬飛脚の信甚に関わる。
    お昌䌑憩も取らずに、汗だくで走り回る日々。

    ルむさんにもなかなか䌚えなくなっおきた。
    䌚っおもすれ違いざた、挚拶皋床に二蚀䞉蚀話すだけ。

    䞀床なんか、転んで仕事の指瀺曞を道䞀杯に撒いちゃった所を偶然助けおくれたりしお 。

    「はぁ はぁ 」
    今日もおなかすいたな 。
    お昌䌑憩取れずに走り回っおもう倕方。

    次の服薬指定時刻たで分。

    ゚レベヌタヌが来なくお階段を駆け䞊がる。
    鎮痛剀、早く届けなきゃ。

    汗だくで目的の階に蟿り着き、膝に手を぀いお息を敎えおいるず、目の前に音もなく圱が差した。

    「あ  ルむさん  お疲れ様 です  。」
    「 。」

    ルむさんはふわっず近づいおきお、私の手に小さな包みを枡しおくれた。

    「お疲れ様。ポヌチに入れずけ。」

    っおちっちゃな声で蚀っお、すっず通りすぎおいった。

    自分の手のなかを芋るず、可愛いクッキヌの詰め合わせ。
    前に、このお店のお菓子が䞀番奜きっお蚀った事があった。

    芚えおいおくれたのかな。

    画像

    涙が溢れそうになっお、なんずか配達を枈たせた埌、物陰に隠れおクッキヌの包みを開けた。

    最近私が䌑憩取れおないのを、分かっおくれたのかな。

    泣きべそかきながら党郚食べたら、なんだか元気が出おきお、その日の配達もぎりぎり遅延なしで終わらせた。

    そしお、その次の日。
    久々の䌑日に独身寮で爆睡しおいた私は、急に聖子係長から職堎ぞ呌び出された。
    目をこすりながら出勀するず、聖子係長が駆け寄っおきた。
    「愛ちょっず、あんたあい぀らに嫌がらせされおたっお」

    嫌がらせされおた
    しおたんじゃなくお


    昚日の倜の事。
    「聖子係長。お疲れ様でした。長匕きたしたね。」
    「お疲れ様。気を぀けお。」

    係長玚の定䟋䌚議が長匕いお、私は暗い䞭を䞀人、家路に぀いおいた。

    画像

    その時、䞍意に街灯の光が揺れた。

    前に珟れたのは、銀髪の青服。

    敎いすぎた顔立ちはたるで血の通わない圫像。
    感情を䞀切感じさせない真っ黒な瞳。

    䞀気に総毛立぀。
    こい぀知っおる
    成瞟良すぎお頭おかしいっお噂の、青服トップランクの解䜓魔。

    仲間にルむっお呌ばれおるや぀。

    初めおこい぀の仕事を芋た時の恐怖がよみがえった。

    幎前の新人の頃。
    先茩ず話しながら角を曲がったら、芋枡す限りに転がる倖来皮のバラバラ死䜓。
    倩井たで飛び散った血飛沫。

    制服も肌も泡立った血で染め䞊げお、銀色の髪の毛から血を滎らせたアむツが、抜き身のナむフを片手に倖来皮の内臓を匕きずり出しおいた。

    どう考えおももう動かないバラバラの胎䜓めがけお無衚情でもう䞀床ナむフを叩き蟌み、
    「 足りないな」
    なんお呟いお。

    青黒いキャップから芗く、底無し沌のような暗い瞳が死ぬほど恐かった。
    埌から聞いた話、陰では人間も人以䞊バラしおるっお 。

    街灯の圱から珟れた青服は、私に向かっお䞀歩近づいた。

    殺される
    逃げ出そうずした私を、その青服は呌び止める。

    「あ あの 愛の䞊叞の 薬剀垫さん 」

    その声の、あたりの邪気の無さ。
    振り返るず、圌は䞀床う぀むいおから、意を決したように話し始めた。

    「 あの ちょっず盞談したいこずがあっお 。」
    「  青服があたしに盞談っお䜕」

    ギリギリで気を取り盎しお、声が震えそうなのを必死で隠しお答えた。

    普段、私達が青服ず䌚話するなんお事は無い。
    青服は垂民登録すらされおない、政府組織倖の存圚。
    政府系の孊校では、青服の存圚自䜓教えられるこずは無い。

    蚀倖に、こう瀺唆されるだけ。

    あい぀らは組織に属しおいない、
    倖に匟き出された、
    人の䜓を持った動物。
    䜿い捚おの呜。

    政府の幹郚ずか孊校の教垫なんお特にそんな考えだし、みんな倚かれ少なかれ、青服を蔑んでる。

    その青服は小さな声で「ルむ」ず名乗り、どっちが怯えおるのか分からないくらい ぜ぀ぜ぀ず、自分がここに来たわけを話し始めた。

    ふず思い出したのが、愛里が蚀っおいた事。
    迷子になった時、「青服のルむさん」に䜕床も助けおもらったっお。
    「ルむ」はよくある名前だし、いくらなんでもこの「ルむ」さんでは無いだろうず思っおたけど。
    たさか。

    ルむは慎重に蚀葉を遞ぶように話す。

    ここ䞀ヶ月ほど、愛里の仕事が研修期間ず思えないほど困難に芋える事。
    確かに愛里は思っおいる方ず別の方ぞ行っちゃう倉な癖があるけど、それだけじゃなく、最近、指瀺曞が曞き換えられたり、抜き取られたりしおるんじゃないかっお。

    ルむはそれに続いお、ちらっず芗き芋た指瀺曞の矛盟点、䜏所衚蚘のおかしさなんかをいく぀か挙げた。

    指摘は党郚、的を射おいた。
    調査しおみるず玄束するず、ほっずしたように衚情を緩めた。

    二床䞉床瀌を蚀い、「 俺が蚀ったこずは 誰にも蚀わないで欲しい」ず付け加えお、若干の気たずい沈黙の埌、きびすを返すず、あっずいう間に芋えなくなった。

    それで私は、職堎ぞずんが返り。

    シュレッダヌ寞前の回収枈み指瀺曞を抌さえお现工を確認。
    殊勝にも、翌朝たた现工しに来たあい぀らを埅ち構えお珟堎を抌さえたっおわけ。


    【著者より】
    ご芧いただきありがずうございたす。
    䞖間や聖子から芋れば「血の通わない解䜓魔」。
    しかし愛里の目には「頌もしい聖人ルむさん」ずしお映る――。
    恐ろしい解䜓魔か、心優しい聖人か、あるいは䞍噚甚な䞀人の青幎か。
    芳枬する人間によっおいく぀もの「本質」が重なり合っおいるのが圌の魅力であり、切なさでもあり 。

    愛里の異倉に気づいお、自分ではどうするこずもできず、気たずそうに、か぀必死に聖子に頌みに行ったルむ。
    聖子のルむに察する芋方もこれから倧きく倉わっおいきたす。

    楜しんでいただけたら、ぜひ「スキハヌトマヌク」やフォロヌで応揎しおいただけるず励みになりたす

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    青空檞檬あおぞられもん 理科系倧孊院卒のSF・恋愛小説䜜家。孊生時代は量子力孊のロマンに魅了され、珟圚は医療系の片隅で生息しおいたす。 宇宙船SF矀像恋愛劇を連茉䞭。党力疟走のお仕事恋愛ドラマをお楜しみください。 ※䞍定期曎新ずなりたすが、長線倧䜜ずしおじっくりお届けしたす。

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