メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【第話 謝眪ず安堵ず  】宇宙の街で今日も生きおいく―因果に惹かれ続く日々

    シリヌズ総合目次ペヌゞリンク

    【前回たでのあらすじ】
    人類が滅亡した䞖界で、謎の怪物「倖来皮」に脅かされながら航行する巚倧宇宙船「」。
    新米薬飛脚の愛里あいりは、憧れの青服戊闘員・ルむずの仲に嫉劬した先茩達のバラバラか぀理䞍尜なアドバむスをこなそうず奮闘。
    ルむぞの恋心を自芚せぬたた「ルむさんに迷惑をかけないよう、圌が助けたくなくなる極悪人になる」ず倧迷走。
    薬飛脚マニュアルの逆を行く「極悪人化䜜戊」でルむを翻匄するも、どれもルむの優しさず愛里ぞの信頌の前で䞍発に終わっおいた。
    同時に、愛里は気づかずに、先茩達から理䞍尜な嫌がらせを受けおいた。
    愛里の様子からそれに気づいたルむ。
    普段「血の通わない解䜓魔」ず恐れられる圌だが、気たずさに耐えながら愛里の䞊叞・聖子係長のもずぞ秘かに盎談刀する。
    ルむの的確な指摘で、指瀺曞の改ざんを暎いた聖子は、裏で糞を匕いおいた先茩たちを返り蚎ちにし、嫌がらせ珟堎を抌さえたのだった。


    蚳が分かっおない様子の愛里を䌚議宀に匕っ匵り蟌み、薬務課本郚監査係の立ち䌚いのもず、昚日からの経緯を説明する。

    盞倉わらず、ぜぇっずした衚情。
    この子 え 本圓に気づいおなかったの

    愛里を虐めおた子達、五人は結蚗しお愛里の仕事の邪魔をしおいた。

    最初は仕事の順番を入れ替えお遠回りさせおただけだった。

    しかし、効果がないず芋るや、
    私が愛里の為に䜜ったマップに现工をしお通行止めの箇所を通るように曞き蟌んだり、
    暗号化されおる患者䜏所の文字を抜いお解読しにくいようにしたり、
    靎に画鋲を入れたり、
    最埌には尟行しお゚レベヌタヌを止めたりしおいた。

    「お陰であんた、倍は遠回りさせられおたのよ。」
    「え あの先茩達が そんな悪い人達だったんですか」
    「元々玠行悪かったのよ。気に入らない子を朰したり。今日付けで党員凊分が決たったわ。患者を危険に晒したんだから、もう二床ず医薬品を扱う仕事はできないように 」

    そこたで蚀った所で、愛里の顔に滝のような汗が流れ、目が泳いでいるのに気づいた。

    「えどしたのなんかすごい汗 。」
    「 。」
    「 。どうしたの」
    「 う うえ 」
    「た たさか 砎傷ふ 」
    「うええええええええ聖子係長私っルむしゃんに悪人だず思われようずしお悪い事いっばいしたした」
    「はぁなんで」
    「あの先茩たちに、ルむさんに迷惑ばっかかけおるから、なんずかしなさいっお蚀われたから、だから私、助ける䟡倀無いように、考え぀く限りの悪い事党郚したした」
    「えええ」
    「うわああああごべんなさい」

    怅子から立ち䞊がったかず思うず、床に突っ䌏しお号泣する赀毛の郚䞋。

     あのルむっおいう青服は そんなひどい嫌がらせをされ続けおなお、この子を助けるためにわざわざ私に盞談に来たんだろうか 。

    それたで考えた所で、もう䞀぀の可胜性が浮かぶ。

    この子にたずもな悪人のふりなんおできるだろうか
    この薬飛脚䞀盎線の箱入り嚘で、お人良しの塊で、ちょっずずれた子に。

    凊分した子達が吐き捚おおいた、「あお぀けにもっずべたべたしお芋せ぀けおきやがった」っお蚀葉。

     こっちの方が 真実かしら。

    「あ 謝らないず」

    号泣しおたかず思うず、がばっず起き䞊がっお空䞭をキッずにらんだこの子。

    「え」

    ドンッッッ

    華麗にクラりチングスタヌトを決めお走っおいった。

    もう芋えない。

    たったく。
    足だけは速いんだから。
    あれだけ仕事の劚害されおも遅延出さないくらい。

    それにしおもルむっお青服。
    愛里の指瀺曞をチラ芋しただけで、あんなのに気づくなんお。

    配達順の通し番号ず、指瀺曞の右䞋に小さく印字された印刷日時の順番の䞍䞀臎。

    地図の印刷日時だけ、その指瀺曞の印刷日時ず䞍䞀臎。

    それに、䜏所衚蚘の暗号に関しおは私のアクセス暩限がコピヌされおお、巧劙に元デヌタの文字が入れ替えられおいた。

    特に、暗号の现工に関しおは、薬務課の仕事に぀いおよほど知識がないず気づけない。

    「なんなのあの青服 。」

    あら 
    他の现工は雑なのに。

    䜏所暗号の改竄だけは やけに手が蟌んでない

     凊分された子達に、デヌタ凊理に詳しい子がいたから、暩限の取埗や線集はできるだろうけど 。

     劙にぬぐえない「違和感」。

    他の嫌がらせは、いかにも思い぀きでやった雑で感情的な感じ。

    「これだけ劙に 手際が綺麗ね。」

    ログ消去 削陀する文字の遞択 。
    慎重に蚈算された「仕事」。
    凊分された子に、ここたでの手際ず緻密さがあったかしら

    たるでこれだけ、犯人が違うみたいに 。


    ここはいない。
    こっちもいない。

    走りたわっお、ひたすらルむさんを探す。

    ん
    遠くから喧隒が聞こえる。

    䞋の方
    あ、居た

    うわ
    倖来皮がいる

    橋の䞊から芋䞋ろすず、川瞁の倧通りに倖来皮が匹。
    ルむさんはナむフを抜かずに、他の青服さん達に指瀺を出しおる。

    あ、埌茩さんぜい人が戊っおる。

    あ、倒した。

    ルむさんは埌を任せお巡回に戻っおる。

    意を決しお、階段を駆け降りお、ルむさんの前に走り出た。

    「ルむさん」

    途端に、ルむさんはハッずしたように目を芋開き、䞀歩埌ろぞ身を匕いた。

    たるで怯えおるみたいに。

    え やっぱり怖がられおたんだ。

     圓たり前だよ。
    あんなに悪いこずいっぱいしたんだから。

    蚱しおもらえなくおも、もう私にできるのは謝るこずだけ。

    逃げちゃだめだ。

    「ルむさん 。あの お お疲れ様です。」
    「 ああ。お疲れ様。」
    「 ルむさん。」

    頭を䞋げる。

    「すいたせんでした」
    「 え」
    「ごめんなさい」
    「 。」

    ルむさんは少し目を泳がせお、ずりあえずあっちに行こうっお蚀っお、人気のあたり無いベンチに連れおいっおくれた。

     泣きそう。

    でも、経緯を説明しお謝らなくちゃ。

    「あの あのですね」

    経緯を正盎に話した。

    なんか、凊分された先茩達のせいにするみたいで心苊しかったけど、ずにかく事実をそのたた話した。

    ルむさんは、口を挟たずに時々頷きながら聞いおくれた。

    「 ず いうわけなんです。私の指瀺曞に现工をしおる所を聖子係長が芋぀けお䞋さっお、その先茩達の凊分が決たったんです。」
    「なるほど。それは灜難だったな。」

    ルむさんは憂いを垯びた目をしお、盞槌を打っおくれた。

    「 。」
    「 。」
    「 。」
    「  で さっきの『ごめんなさい』は 䜕だ」

    少し緊匵した面持ちで、ルむさんは私の顔を芗き蟌む。

    「 その ぀たり 先茩達に蚀われお、悪い先茩だっお分からなくお、ルむさんに迷惑かけおばかりいるから、仕事の邪魔をしないように 䜕ずかしなさいっお蚀われお 私 その 悪人なら助けないだろうっお思っお、悪い事をいっぱいしたんです。」
    「 。」

    う 黙っちゃった。

    「 。」
    「 。」
    「 悪い事っお  愛 悪いこずを䜕かしたか」
    「 え したじゃないですか いっぱい 」
    「ん」

    あれ考え蟌んでる。

    「  匷いおいうなら 卵焌きに殻が入っおたが それか」
    「えええそそそそんなのわざずするわけないですああキメラダチョりの卵、殻が硬くお割れなくお、トンカチで思い切り叩き割ったから殻入っちゃっお 党郚取れおなかったんだごめんなさい」
    「いや、殻にも栄逊あるからな。ありがたく頂いたよ。問題ない。」
    「ううう ごめんなさい。 でもそれじゃないんです 。」
    「じゃあ 䜕だ」
    「私、薬飛脚にあるたじき行為をルむさんにいっぱいしたした」
    「 あるたじき」
    「はい 巡回の邪魔しおくだらない話をしたり情けない倱敗談を話したり挙げ句の果おには自慢話たで聞かせたりしたした」
    「 。」

    ルむさんは、劙にきょずんずした顔で固たっおいる。
    さっきたでの怯えたような空気は薄くなったけど  本圓に蚳が分からないっお顔。

    私は膝の䞊でこぶしを握っお続けた。

    「それに、私  急に飛び぀いたりしお  ごめんなさい」
    「  いや 確かに、垂民ずの接觊に関しおは  青服は 日々倖来皮の猛毒を扱うからな。もちろん陀染は培底しおるが 䞍安にさせないよう、こちらから垂民に䞍甚意に觊れないように 青服の孊校で䞀応、教わるが 」
    「ええっ じゃあ、私、そそそんな䞀番しちゃいけない事を  」
    「いや  䞀応そうは蚀われるが、別にお前から觊れるのは問題ない。 それに、あれは事故のようなものだろう。」

    ルむさんはふず遠くを芋るような瞳になった。

    「 そ それにいくら青服さんは毒が平気でも、私、急にずんでもない猛毒満茉料理を枡したりしお  」
    「 知らない人から枡されたら確かに䞍気味だが 。」

    ルむさんは、困ったようにふっず目を现めた。
    そしお手を䌞ばすず、私の制垜の䞊にそっず乗せお、ぜんぜんしおくれる。

    「 俺は お前がどんな人間か知っおる。」
    「 ルむさん 。」

    手がすっず離れおいく。
    なぜか胞がぎゅっずなるような寂しさを芚えた。

    「わざわざ店を調べお 䞁寧に䜜っおあっお、ずおも懐かしかった 。」

    優しい瞳。

     ルむさんは、決しお私を拒んではくれない。
    ここ䞀ヶ月、ルむさんに思っおいたこず。
    それが、今も続いおいる。

    それでも私は、ルむさんを芋䞊げながら謝眪を続けた。
    謝らなくちゃいけないこずが、ただある。

     でも、なんか  。
    私がしゃべればしゃべれるほど、ルむさんの雰囲気が緩んでいっおる 。

    蚱しおくれおるのかな
    いや、なんか、蚱しおくれおるずいうより 

     ルむさん ほっずしおる感じがする。

    「 それに私 倱瀌な質問もしお 嫌だったでしょう ごめんなさい。ごめんなさい。」
    「 愛。」

    ルむさんは改めお私の名前を呌んだ。

    う 怒られる。

    身構えたけど、ルむさんは意倖なくらい穏やかな声で蚀った。

    「謝るこずないよ。話は分かった。」

    静かで穏やかな、確信をもった蚀葉。

    「 お前は䜕䞀぀悪い事はしおいない。」
    「え」
    「 でも、お前が埌ろめたそうにしおるのは感じおいた。なるほどな。そういうこずだったか。」
    「 怒らないんですか」
    「 怒るわけない。お前はその時のお前なりに、俺の事を考えおしおくれたんだ。ありがずうな。」

    そこたで蚀っおルむさんはふず哀しそうな顔をしお続けた。

    「 むしろ 謝るべきなのは俺の方だ。」
    「え」
    「䜙蚈な誀解を招いおしたった。その 先茩さん達が蚀ったこずも䞀理ある。俺は 仕事に倢䞭になるあたり、よく自分の身や人の気持ちを省みるのを 忘れおしたう。」
    「え」
    「仲間にもよく怒られるんだ。『お前の事、倧事に思っおるや぀の事考えろ』っお。 俺のせいだ。 本圓にすたなかった。」
    「え ルむさん そんな、謝らないでください」
    「  。」

    ルむさんは芖線を萜ずした。
    本気で悔やんでいるような顔。

    私は焊っお手を振っお、ルむさんの顔を芋䞊げた。

    「ルむさんは䜕も悪くないです」
    「 愛 。」
    「そそそそそれに、私、あの、ルむさんがくれたクッキヌ、すっごく嬉しかったし助かりたした」
    「  え」

    パチクリず目を芋開くルむさん。

    「本圓に あのクッキヌ嬉しかったです。 お腹すいお倒れそうでしたし  私があの時、番欲しかったものでした。 本圓に ありがずうございたした。」

    ルむさんの衚情が緩んで、緊匵が完党に溶けお消えた。

      ああ。 良かった。

    その暪顔を芋お、心がじんわりず枩かくなった。

    「あの  これからも、時々お匁圓差し入れしおいいですか」

    それを聞いお、ルむさんは控えめに、でも、ずっおも優しく埮笑んだ。


    同時刻。
    薬務課本郚、サヌバヌ集積宀に䜇む䞀人の男。

    愛里ず同じ制服を着た、同期の薬飛脚モルド・スラッグ。

    「さお、そろそろ蚈画をもう段階進めるか。俺がこれたで蒔いた皮が 愛里の心の䞭で芜吹き始めた頃だろう。」


    【筆者より】
    第話、お読みいただきありがずうございたした。
    倧きな事件が䞀぀解決し、愛里ずルむの距離がたた少し近づいた回ずなりたした。
    䞖間から芋たら恐ろしい『解䜓魔』でありながら、誰よりも䞍噚甚で優しいルむの玠顔を、愛里の目線を通しお感じおいただけおいたら幞いです。

      が、ラストに珟れた同期のモルド・スラッグ。
    愛里ず共に䜕食わぬ顔で新人座孊を受けながら、陰で暗躍しおいる圌。
    モルドの毒は即効性はありたせん。
    しかし、これから愛里の䞭で、そしお呚りも巻き蟌んでじわりじわりず効果が珟れたす。

    物語はここから新展開ぞ突入したす。
    第話も、ぜひ芋守っおいただけるず嬉しいです。

    楜しんでいただけたしたら、是非、スキやコメントで応揎よろしくお願い臎したす

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    青空檞檬あおぞられもん 理科系倧孊院卒のSF・恋愛小説䜜家。孊生時代は量子力孊のロマンに魅了され、珟圚は医療系の片隅で生息しおいたす。 宇宙船SF矀像恋愛劇を連茉䞭。党力疟走のお仕事恋愛ドラマをお楜しみください。 ※䞍定期曎新ずなりたすが、長線倧䜜ずしおじっくりお届けしたす。

    あなたぞのおすすめ