メインコンテンツへスキップ
見出し画像

妊娠した。編み物をしていて良かった。

    検査で自然妊娠が難しいと分かった時、ホッとした。

    「産んで後悔も、産まない後悔もしたくない」
    そんな迷いからようやく解放された気がした。

    元々子どもを作って育てることは想定していなくて、万が一考えが変わったときのためにと受けておいた不妊検査だった。

    結果を見て、これからも夫とふたりで生きていこうと思った。


    それから3ヶ月後、妊娠に気づいた。


    最初は検査薬の結果に出た薄い線が妊娠しているということか分からなくて、翌日も翌々日も検査薬を使った。線は少しずつ濃くなっていった。
    3回目の結果を見た時、夫に妊娠している可能性を伝えた。

    不安と、恐れと、なぜ私なんだろうという気持ち。


    1回目の通院で胎嚢を確認した。
    2回目の通院で心臓が動いてるのを見て、涙が出た。

    私の中で、私の意思とは無関係に生きている存在がいる。

    その存在を何か形で感じたくて、セレモニードレスを編もうと思った。


    とはいえ春から動画を見て編み物を始めた初心者。

    赤羽のユザワヤでオーガニックコットンの生成りの毛糸を買った。
    挫折する可能性を考えてひと玉だけ。

    それから間も無くつわりが始まり、毛糸は放置。

    つわりが落ち着いてきて、ドレスとセットのボンネットから編み始めた。
    やはり挫折する可能性を考えて、完成しそうなものから。

    友達と出かけた先の、新宿の星乃珈琲店でボンネットの本体が完成して、新生児の小ささを実感した。
    赤ちゃんの可愛さはまだ想像できなくて、ただ小さいボンネットが可愛いと思った。

    毛糸をもうひと玉買ってドレスを編み始めた。

    ヨークが完成したことで少し自信もついて、初めてユザワヤ友の会の会員になり、毛糸をまとめ買いした。

    ドレスのボタンは陶芸をしている友達に作ってもらうことにした。


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    画像


    夜中のリビング、移動中の新幹線、いつものカフェ。色んな場所で少しずつ編んだ。

    前身頃と後ろ身頃ができてドレスらしい形になってきて、このドレスを着る赤ちゃんを見たいと思えた。

    胎動が分かるようになって、病院に行かなくても、つわりがなくても赤ちゃんの存在を感じるようになってきた。

    この服を着せて腕に抱くところを想像するようになった。

    小さなドレスが形になっていくのとともに、赤ちゃんを楽しみに思う気持ちも芽生えてきた。


    画像


    画像
    photo by kuppography


    画像
    photo by kuppography


    画像
    photo by kuppography


    不安や迷いが消えるわけではないけれど、編む時間を通して、産むという選択を少しずつ肯定できるようになっていた。


    編み物をしている友達がいて、やり方を惜しみなく伝えてくれる人がいて、挑戦できる環境があって。

    私が編めたのは、誰かの好きが巡り巡って届いたからだと思う。

    編み物をしていて良かった。編み物に救われた。


    私の小さな行動も、いつか誰かの幸せにつながったらいいな。

    画像
    photo by kuppography












    この記事が参加している募集

     
     

    葵

     
     
    暇セレブ。本読んだり、写真撮ったり、手紙書いたりして生きてます。たいてい東京にいます。 noteで日記2ヶ月目。

    あなたへのおすすめ