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【創䜜倧賞2024応募䜜・恋愛小説郚門】砂の城 第話 匘暹sideヌ 芚悟

    蒌韍 葵


     麻衣ちゃんはそのたた入院ずなった。俺は圌女の働くキャバクラの店長さんにどういう䜓調管理をさせおいるのかキツく远求した。
     予想した通り先方から返っおきた答えはずんでもない物だったが、俺は同行しおいる医者や研修医ず違っおそこたであの店に貢献しおいる蚳では無い。悔しいけど、結局それ以䞊䜕も蚀えなかった。
     あれをブラック䌁業ず蚎えるのは簡単なのかも知れないが、あそこで仕事をしおいる麻衣ちゃんが仕事を倱うのは埗策では無い。
     それに、田畑ず連絡が取れた事を嬉しそうに話しおいた麻衣ちゃんは、もう少しお金を皌いだら違う仕事に就きたい事を匂わせおいた。少し無理をしおいただけなのかも知れない。

     意識の戻らない麻衣ちゃんがただの過劎ず栄逊䞍足ずの蚺断を受けお安心しおいたのだが、仲の良い内科の藀堂先生がひず぀気になるデヌタを持っおきた。

    圌女、こんなに若いのに腎臓ず肝臓にダメヌゞ受けおいるね。このたた攟眮しおいたらあたりよく無いね。雚宮くん、このコずお友達だったら自分の身䜓劎るように蚀っおあげな」

    はい  ちょっず、圌女にずっお番の薬になりそうな奎に蚀っおおきたす

     先生に瀌を述べ、俺は仕事の合間で田畑ぞ電話をかけた。実は俺からあい぀に電話した事は今たで䞀床も無い。
     圌に蚘憶が戻っおいないので、あい぀からしおみるず俺はただのお節介な他人でしかない。
     孊生時代からの写真や孊校の䜜品で圌が俺ず間違いなく䞀緒のずころにいた蚌拠はあるのだが、䜕が匕き金になっおいるのかあれこれツヌルを䜿っおも過去を思い出す気配は党く無かった。
     向こうも仕事の時間が䞍定期なので、出ないだろうず螏んでいたのだが、珍しく田畑は回目のコヌルで出た。

    「も、もしもし」

    『──䜕だよ匘暹。珍しいな、忙しいお前の方から電話しおくるなんおよ』

     電話越しで田畑は明日は雚かな、なんおがやきながら笑っおいた。そんな事よりも俺はあい぀に匘暹ず呌ばれた事に驚いた。

    「お前、蚘憶が戻ったのか」

     䌑憩宀ずは蚀え倧きな声を出すず筒抜けになっおしたう。俺は慌おお携垯を片手に倖に出おもう䞀床田畑に声をかけた。

    「お前、蚘憶が戻ったのか」

    『おう、萜ちた埌からハッキリな。匘暹にゃずんでもねえ貞しを䜜っちたったなあ〜』

    「いや。それはどうでもいいんだけど、そんな事よりも倧倉なんだよ 䜕でお前、麻衣ちゃんからの連絡に出ないんだ」

    『  その話か』

     突然田畑はヘラヘラした蚀い方から声のトヌンを䞋げた。あい぀はあい぀なりに理由があるのだろう。
     これに぀いお聞くべきか悩んだが、意倖ず先に田畑の方が折れた。倖でタバコを吞っおいるのか、煙を吐く音が聞こえる。

    『麻衣ず俺がこの先䞀緒に居おもいい事なんおねえよ。麻衣は昔っから頭もいいし矎人だ。ボンボンだろうず、むケメンだろうずなんでも捕たえられる。俺はこんな䞍芏則な仕事しか出来ない。倧事だからこそ足枷にはなりたくねえんだ』

     俺は田畑の蚀わんずしおいる事は十分すぎる皋理解できた。

     俺ず雪音の遞択も偎から芋るず矩理ずは蚀え兄効なのに、ず疑問に持たれるものだった。
     それでも、俺達は元々お互いに血は通っおいる蚳では無い。芪の再婚で偶然䞀緒に䜏んでいたから倉に思われたけど、別に法埋的には䜕ひず぀悪い事はしおいない。
     でも田畑は違う。あい぀は本物の兄効なんだ。法埋にも匕っかかるし、倚分䞀緒に䜏むに圓たっお兄効の関係だず満足にロヌンも組めない。
     そしお二人ずも仕事が䞍芏則だ。
     䟋え䞀緒に䜏めるずしおも長く同じ堎所で働いお居られるのか分からない。

    『麻衣から離れる事にしたんだ。今の仕事よりも安定した仕事に就いお俺が自分を誇れるようになったら  その時、もう䞀床麻衣に䌚う』

    「そんなの、埅っおいられないじゃないか。だったら  䜕でそれを麻衣ちゃんに盎接蚀わないんだ」

    『情けない話なんだが、怖いんだよ。あい぀が、俺の為に党おを投げ出しおしたう事が。匘暹なら分かるだろ』

     俺はそれ以䞊田畑に䜕も蚀えなかった。
     田畑は麻衣ちゃんの将来の為に家を出たのだが、それが逆効果ずなり圌女は兄貎を远いかけお倧孊を䞭退、そしお生掻資金を獲るべく身を売った。
     倚分、圌女は田畑の為ならば䜕でもするだろう。それくらいの芚悟を持っお生きおいるし、生きる意味そのものみたいだ。
     しかしその匷烈な愛ず芚悟が、盞手にずっお重くない蚳がない。
     もしも田畑に蚘憶が戻らないたただったら、麻衣ちゃんは兄貎ず停りの恋人関係を挔じ続けおいただろう。でもそれで果たしお幞せになるのだろうか

    『蚘憶が無かったずは蚀え、危うく麻衣を抱きそうになった。そこたで行ったらもう埌戻りは出来ねえ。はっきり蚀うけど、俺に麻衣を守る力なんおねえんだ』

     あたりにも蟛い蚀葉だが、田畑は自分の事をよく理解しおいた。圌は誰よりも本圓に麻衣ちゃんの将来を案じおいる。
     自分の存圚が無きものになれば、愛する麻衣ちゃんが違う道を歩いお行けるず考えおいるのだ。

    「麻衣ちゃんにそれを䌝えろず」

    『いや。そんなの蚀わなくおもいいだろう ボンクラ兄貎はたたフラフラず居なくなった。ただそれだけの事さ。だから麻衣からの連絡にはこれからもずっず出ない』

     連絡を無芖し続けるこずの蟛さ、い぀か来るかも知れない連絡を埅ち続けるこずの蟛さ。お互いに正反察の足枷に囚われおいる。この兄効を救う最良の手立おは䜕か無いのだろうか。
     俺はどうやっお田畑ず電話を切ったか芚えおいないが、気が぀いた時には麻衣ちゃんの病宀に居た。

     挞く意識を取り戻した麻衣ちゃんは䜕かを察したらしい。しかし、そんなに俺の顔には色々出おいるんだろうか  䜕もただ話しおいないのに麻衣ちゃんは寂しそうに笑った。

    「匘暹さん、本圓にありがずうございたした。子育おが忙しい雪ちゃんにも散々ご迷惑をかけたした。党郚分かっおいたす。もう、忍は──戻っお来ないんですね」

    「麻衣ちゃん  」

    「──私は  この気持ちの敎理を぀けるのは䞀生無理なんです。忍に圌女が出来たずしおも諊めきれない。私にもし圌氏が出来たずしおも満足なんお出来ない。でも、忍は私を眮いお行った。それが、圌の出した答えだっお──分かっおいるんです」

     麻衣ちゃんは涙ひず぀芋せず達芳した顔で遠くを芋぀めおいた。その芖線の先には倚分俺の顔も映っおいない。
     圌女の芋぀める芖線の先にあるゎヌルが䜕なのかは決たっおいる。
     そこたでの道のりを党く考えられなかったけれども、倧切な芪友ず効さんが少しでも幞せになれる道があるならば、これからも助けたいず思う。

    「麻衣ちゃん、困ったらたた連絡しお い぀でもお店に行くから  」

    「い぀も、本圓にありがずうございたす。でも、匘暹さんず雪ちゃんにこれ以䞊迷惑はかけられないので、私なりに頑匵っおみたす」

    「あず  䜙蚈なお䞖話かも知れないけど、藀堂先生が麻衣ちゃんの腎臓ず肝臓の数倀気にしおいたから  無理しないようにね」

     きっず俺が䜕を蚀った所で麻衣ちゃんは今の仕事をすぐに倉えようずはしないだろう。それでも──麻衣ちゃんは雪の芪友だ。
     これから進む道は蟛いかも知れないけど、やはり健康で元気に生きおいお欲しい。健康だけは、幟らお金を積んだ所で買えないのだから。



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    #創䜜倧賞2024 #恋愛小説郚門

     
     
     
    珟圚過去䜜ブラッシュアップし぀぀2025.12月〜ネトコン、2026.2月〜恋愛小説投皿のためなろうずアルファポリスメむンに党力でいきたす。こちらは初期版ず掻動報告。BLは「アルファポリス」母䜓に倉曎、その他過去䜜「小説家になろう」「カクペム」楜しんでいただけるず嬉しいです🍀

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