
1日休んだら、倍返しされた件について
1日、休んだだけだった。
熱が出たわけでも、骨が折れたわけでもない。ちょっと体調が優れなくて、大事をとって1日お休みしただけだ。
そのはずだった。
帰宅した子どものランドセルを開けた瞬間、私は固まった。
プリントが、6枚あった。
6枚である。
1日休んだだけで、6枚。算数、国語、英語その他もろもろ。丁寧に重ねられたそれらが、ランドセルの底からするりと出てきた瞬間、思わず「え?」と声が出た。
子どもは何事もないように「今日のお知らせ〜」と言いながらおやつを探している。
おやつを探している場合ではない。
6枚ある。
念のために言っておくと、私は宿題を否定したいわけではない。勉強は大事だ。復習も大事だ。1日休んだ分を取り戻すことも、まあ、大事なのだろう。
でも、6枚って、多くない?
1日休んだだけで、翌日のランドセルに6枚のプリントが入ってくる世界。これはつまり、「休んだら倍返し」という暗黙のルールが、小学校という組織にはびこっているということではないか。
休むことへの、ペナルティである。
不登校の子には、いったい何枚のプリントが渡されるのだろう。考えるだけでゾッとする。そこは配慮されるのだろうか。それとも、やはり倍返しなのだろうか。
体調が悪くて休んだのに、回復した翌日に通常の宿題プラス6枚を渡される。これを「当然」として受け取る私たち親も、なかなかすごい。「あらそう、じゃあやらせなきゃ」と自動的に思ってしまう。
いや、待って。本当に全部やらないといけないのか?
プリント6枚に加えて、音読もある。計算カードもある。毎日のルーティンの宿題は、休んだ日も容赦なく存在している。
トータルで考えると、1日休んだ子どもがこなすべき宿題の量は、通常の約2倍である。
体調を崩して休んだ翌日に、3倍の宿題。
これを「仕方ない」で片付けてきた私たちはどうかしている、とまでは言わない。でも、少しくらい「おかしくない?」と思っていい気がする。
結局その日、子どもと並んでプリントに向き合った。6枚、全部やった。えらい、本当にえらい。
ただし、音読と計算カードは、明日でいいことにした。
それが、1日休んだ母と子の、精一杯の英断である。
完璧にやらなくていい。休んだ日があってもいい。取り戻せる分だけ取り戻して、あとは明日に回す。
それくらいの図太さが、小学校生活を乗り越える上では、案外大事なのかもしれない。