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京都・建仁寺、緑の庭に包まれて

    祇園の建仁寺を訪れた。
    法堂に描かれた「双龍図」を見たいと思ったからだ。 

    建仁寺に、そんな天井画があるとは知らなかった。
    もっとも、描かれたのは2002年とのことで、前回、私が訪れたのは、それよりもずっと前のことだ。

    法堂の天井いっぱいに描かれた双龍は、圧巻だった。
    けれど、見上げているうちに、とても愛らしいかわいい顔をしているように思えてきた。

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    天井双龍図

    玄関にある俵屋宗達が描いた屏風の風神雷神図もどこか愛嬌があって、どことなく似通っている。

    一方、方丈の襖絵に描かれている雲龍図の方は、ギロリとこちらを睨んでいるようだ。
    花園の妙心寺の天井雲龍図と通じる迫力のある龍に、ちょっとたじろぐ。

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    襖絵の雲龍図 (桃山時代の複製)

    そして、訪れたきっかけは「双龍図」だったけれど、建仁寺の庭にすっかり心を奪われた。

    まずは方丈の庭「大雄苑」の枯山水。

    どこからか、かすかに甘い香りが漂っている。
    この香りの正体は、何だろうと植込みをみると、白い花が咲いている。

    クチナシの花だった。

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    方丈の庭「大雄苑」 
    クチナシの花が咲いている

    しばらく縁側に腰かけて、クチナシの甘い香りに身を委ねてみた。
    白砂の広い庭は、吹く風も爽やか、心を解き放ってくれるようだった。

    縁側を立って向かった、もうひとつの庭は「潮音庭」
    大書院と小書院に囲まれた中庭だ。

    四方正面の庭で、どの方向から見ても美しい。

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    潮音庭 どこまでも緑

    緑が光る苔に、青々としたもみじ。
    注ぎ込む光も緑なら、漂う空気も緑。
    どこまでも、緑を感じる。
    この緑の季節に訪れたことの幸せ。

    もちろん、季節ごとに違った美しさの景色となるのだろうけれど。

    思った以上に人が多く、繁華街が近いせいか、若い人たちも目立った。
    どの年代の人達も、優しく受け入れてくれる、そんな親しみやすい穏やかなお寺の印象を持った。

    帰りは、北門から出て花見小路を久しぶりに歩く。
    「一力」や「十二段家」など変わらずにある店もあるけれど、私がかつて連れられて行った2、3の料理屋さんの看板は、見当たらなかった。
    どの店も、若い子がふらりと気軽に入れる店ではなかった。

    30年以上前に訪れた時に、「うちは創業100年程やさかい、まだまだひよっこです」と言っていた店主。
    どこかで、続けていてくれるかな。
    そう思いながら、花見小路を歩いていた。


     
     
    京都で生まれ育ちました。 今は京都を離れてしまったけれど、 京都への愛は日ごと深まります。 子供の頃の街の風景、 昭和の懐かしい景色、 もうなくなったお店やおいしいもの 京都に関するあれこれを ゆっくり書いていきます。

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