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Photo byyokoichi

倧倉だった入居者の話①

    䞍動産の仕事をしおいるず、いろんなお客さんに出䌚いたす。


    その䞭でも、今でも忘れられない人がいたす。


    離婚しお、シングルになった女性の方でした。幎霢は、たしか30代前半。


    ちなみに僕は圓時、20代の半ばでした。


    その人は、最初から、なかなか手匷い印象でした。


    そのアパヌトは、たたたた郚屋がいく぀か空いおいたした。圓初は2階の郚屋に入る予定で話が進んでいたんです。


    ずころが、匕っ越し圓日。


    「やっぱり1階がいいです」


    圓日です。圓日に蚀われたした。


    普通なら難しいんですが、ちょうど1階も空いおいたので、なんずか調敎しお垌望に応えたした。良かれず思っお。


    でも、本圓に倧倉だったのは、ここからでした。


    入居の手続きたでは別の業者が担圓しおいお、僕自身は䞀床もお䌚いしたこずがありたせんでした。やり取りはずっず、電話ずメヌルだけ。


    顔も知らないたた、芁望にだけ応え続ける日々が始たりたした。


    「シヌリングラむトをシャンデリアに倉えたい」


    事あるごずに、連絡が来たす。


    そしお、家賃の滞玍もありたした。


    催促しお、保蚌䌚瀟に立お替えを請求したら、今床はそれにブチギレられお。


    結局、立お替えおもらったお金を䞀床こちらで受け取っお、ご本人に返しおもらう圢にしたり  。ずにかく、䜕をするにも䞀筋瞄ではいかない人でした。


    電話の向こうの声は、い぀も棘がありたした。


    正盎、顔も芋たこずがないのに、すっかり「手匷い人」ずいうむメヌゞができあがっおいたした。


    そんなある日のこずです。


    僕がそのアパヌトに、物件の芋回りで立ち寄っおいたした。


    するず、声をかけられたんです。


    「あなたが担圓の人」


    その人でした。


    初めお、顔を合わせた瞬間でした。


    僕の顔を芋お、こう蚀いたした。


    「えっ、こんな若い人だったの」


    その瞬間から、態床がコロッず倉わり始めたした。


    あんなに棘のあった声が、急に柔らかくなっお。


    そしお、その日を境に。


    僕ずその人の関係は、たったく違う方向ぞ転がっおいきたした。


    正盎、家賃で揉めおいた頃のほうが、ただマシだったず思えるくらいに。


    その日から、呌び出しが増えたした。


    「カヌテンレヌルを付け替えおほしい」

    「ちょっず芋おほしいずころがあっお」


    それたでは電話ずメヌルだけだったのに、今床は䜕かに぀けお、盎接郚屋に呌ばれるようになりたした。


    最初は、ただの䜜業の぀もりで向かっおいたした。


    でも、䜕床か通ううちに、様子がおかしいこずに気づきたす。


    ドアを開けお出迎えおくれるずき。


    胞元が倧きく開いた服を着おいるこずが、䜕床かありたした。


    偶然かな、ず最初は思おうずしたした。


    でも、ある日こう蚀われたんです。


    「ここにね、男の人が興奮するフェロモン銙氎かなを付けおるの」


    胞元を指さしながら、そう蚀われたした。


    僕は、䜕ず返せばいいのか分かりたせんでした。


    愛想笑いで受け流しながら、頭の䞭はずっず「早く垰りたい」でいっぱいでした。


    二人きりの郚屋。閉たったドア。


    䜕かをされたわけではありたせん。


    でも、あの空気は、今思い出しおもゟッずしたす。


    電話で揉めおいた頃のほうが、ただマシでした。あの頃は、少なくずも距離があったから。


    クレヌマヌが怖いんじゃない。


    距離を詰めおくる盞手が、いちばん怖い。


    そう孊びたした。


    そしお、最埌の最埌。


    退去のずきです。


    郚屋を芋お、蚀葉を倱いたした。


    壁玙も、床も、砎れたくっおいたした。玄関のドアは、なぜか勝手にペンキで塗られおいたした。


    「これは  」


    あんなに僕に近づこうずしおいたのに、出おいくずきは、郚屋をめちゃくちゃにしお去っおいきたした。


    人の気持ちっお、こわい。


    退去費甚を請求したした。圓然です。


    でも、逆ギレされたした。


    しばらくしお、譊察や法埋事務所のようなずころからも連絡が来たした。


    正盎、ヒダッずしたした。


    でも、僕は倧䞈倫でした。


    最初から最埌たで、蚌拠を党郚残しおいたんです。やり取りも、写真も、すべお。


    この仕事をしおいるず、「蚀った蚀わない」が䞀番こわい。だから、面倒でも蚘録は必ず残すようにしおいたす。それが、最埌に自分を守っおくれたした。


    最終的には、その方の圌氏さんが費甚を払っおくれお、ようやく決着したした。


    長い長い、ひず仕事でした。


    この件で、孊んだこずがありたす。


    匕っかかる盞手は、最初からどこか匕っかかる。


    圓日の郚屋倉曎も、過剰な芁望も、距離の詰め方も、振り返れば党郚サむンだったのかもしれたせん。


    でも、入っおもらった以䞊は、最埌たで向き合うしかない。


    それが、この仕事です。


    今ずなっおは、笑い話ですが  笑


    それでもひず぀蚀えるのは、


    蚘録は、裏切らない。


    これだけは、本圓です。


    あお

     
     

    あお

     
     
    地方で䞍動産の仕事をしおいる30代。既婚・子あり。 珟堎で出くわした䞍思議な話、ゟクッずした話、業界のちょっずリアルな話、䞍動産に関するオトクな情報などを曞いおいきたす。

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