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Photo by09chiharu

占いを餃子で例えた物語

    「なんで、九星気学が餃子なの?」

    「え?面白いから。ダメかなー。」

    梅雨が明け、蝉が鳴き出した7月の暑い日。
    今日も本職の傍ら、占いをやっていると思われる杏と常連で入り浸っている大学生の竜がやってきた。小さな商店街で少ないメニューでやってるラーメン屋、客なんて昼時に来るくらい。そんな中決まって昼が過ぎた2時にやってくる、また始まったよ。占い話…お、なんだい、今日は聞き慣れた餃子の話かい。最初は占いなんてって思ってたけどよ。この2人が話す会話に最近惹かれつつあるんだよな。ちょっと仕込みしながらまた聞いてやろうじゃないの。

    パニック障害になってどう対処していたかの話が少しだけ出てきます。
    杏の話はノンフィクションです。

    「この話!読んでくれた??」

    「うん!読んだよ。訳分からなかった。」

    なんだ?その話って。ラーメン屋店主の俺は急いでスマホで杏のnoteを調べた。

    「そうだよね、ごめんごめん。
    九星気学ってさ、知らない人多いじゃん。
    私も勉強するまで知らなくて、色んな人の誕生日聞いて調べてみたらこれまた当たってるから面白くて。自分を知るきっかけになる!って思ったの。その楽しさを面白くわかりやすく伝えたいなーって考えてた時にこの餃子が目に止まったのよ。あれ?同じじゃない?みたいな。まず、本命星はもう分かるよね?生まれた年で出てくるやつ。それって学生時代のクラスみんなその星になるってことになるわけだけど、みんな同じ性格してないよね?」

    「うん、そだね。なんとなくカラーは学年で違っていた気もするけど……」

    「そうそう、なんとなくの雰囲気は似たようなとこあるんだよね。真面目とかにぎやかとか優しいとか派手とかね!次に生まれた月で出てくるのが月命星、そして本命と月命を掛け合わせて出るのが傾斜と同会ね。」

    「餃子の材料って皮・肉・具材でしょ、それに本命、月命、傾斜を当てはめてみたの。
    よし、じゃあ話していくからねー。」

    そう言うと、杏は手際よくちょうどいいところにラーメンをずらしてノートと変な柄のペンケースに入った色鉛筆とボールペンを出てきた。

    「まず、肉!これは月命星。肉がいいのじゃないと具材は引き立たないよね。だから肉は大事、良いタネで包んでこそ美味しい餃子になる。」

    「いや別にさ、
    普通に星で話してくれてもいいんだけど。」

    私もそう思うよ、少年よ。占いと餃子て、あんた。おっと、声が出そうになっちまった、危ない危ない。

    「そうはいかないよー。だって分かりやすく伝えたいんだもん。」

    「もん、って、そんな膨れられても…わかった、わかった。聞くからさ。」

    「肉はね、20歳までに仕上げとかないといけなくて
    具材が引き立ってないってことは、その時の環境でのびのびとできなかっただけなんだと思う。」

    「私もねー、親の仲が悪くていつも喧嘩してて、住んでた家の壁にはカビが生えてるくらいの団地だったでしょ。楽しかった思い出といえばひとり暮らししてるおばあちゃんちにバスで行ってお泊まりしたことぐらい。おばあちゃんね、サティのゲームセンターでパートしててさ。あ、今のイオンってとこね。
    そこに行って一緒に食べたおばあちゃん手作りのお弁当と苦いお茶の味は一生忘れない。おばあちゃんちにあるカラオケマシーンで演歌も歌ってたなー。
    でね、おじいちゃんだと思ってた人は近所に住むただのおじいちゃんだったりさ。
    知ったの成人してからで、あれはショックだったわ。そんな感じで何がしたいのか訳も分からないまま、23歳で子供できて結婚して、1年経って旦那の家で同居することになって…ってこの話は長くなるからまた今度ね。」

    「えー!」

    「まぁそんな若かりし頃を過ごした私がもってた肉は
    【四緑木星】っていう人にめっちゃ可愛がられて渡り歩いていくやつだったわけよ。
    全く微塵の欠片もそんな性格ありゃしない。
    可愛がられたくないわ!みたいな。
    親戚でさえも関わり方分からなかったな。
    皮が【九紫火星】だからね、
    プライド高くて人が嫌い。すぐカッとなる。
    具材は【一白水星】
    常に悩みがち、淀んだ水の中に陥りがち。
    焼け焦げて具がベチャベチャの餃子って想像したらわかりやすいし入ってくるでしょ?」

    「あー、なるほどね。大変だったんだね。」

    「軽いねー。まぁいいけど。
    そんな感じで、自分と向き合わず外側のせいばっかりにしてきた私はまずい餃子になってることにも気づいてないからついに限界がきてしまったのよ。」

    パニック障害発症…

    「え?!そんな過去があったの?今の雰囲気から想像できないんだけど!」

    「そだろ、そだろー。変わったからね、ほんとに。
    なんならそうなって良かったとまで今は言える。
    完治に2年かかったし、もう絶対なりたくないけどね。なった人にしかわからない感覚だよ、あれは。
    まさか私が?って感じだったし。たぶんね、脳疲労と首こりからきたんじゃないかと吾輩は推察しておる。」

    「いきなりキャラ変えないで。」

    「はい、すみません。
    病院行っても至って健康、鍼灸治療、整体、漢方、心療内科、できること全てやって、毎日体調日記つけてさ。意地でも治してやる!って感じでなんとか戻ってこれました。」

    「良かったねー。」

    「うん、ありがとう。
    体調崩したことで会社にも家族にも迷惑かけてね、ほんと助けてもらった。私のパニックはいつくるかわからないやつだったから会社でもオープンにするしかなくて。始まったら"きたきたきたー"って休養室に移動させてもらってねー。」

    「なんか明るい感じだね。」

    「いやいや、そうやって気を晴らさないともってかれて仕事なんてできたもんじゃない。ピークの時はずっとワ○ピース観て何も考えないようにしてたし。ほんとに厄介な病気だよ。1人じゃ絶対治ってなかった。
    周りにたくさんの人がいてくれたから不安な時に話を聞いてもらえたからこうやって話できるまでになれた。ようやく四緑木星の良いところを素直に出せるようになったら、なんだか見える世界が変わってきたのよ。」

    私、人が嫌いじゃなかった。
    自分を嫌ってたんだ。

    腹落ちしたよ…グスッ…

    「え、泣いてる?!」

    「泣いてないわー笑」

    「はいはい、続けてください。」

    「1番理解すべきところをずっと見ないようにしてたんだろうね。そう気づくまでにも本読んで勉強してたから、自分を愛するっていうことが大切なことなのは知っていた。でも、気づかなかったんだよね。だって、何かになれば勝手に変わると思い込んでたから。その何かに自分の価値をおいていたから。」

    人と関わること = 自分を知ること

    「相手がいないと何かがあった時に自分の中にどういう感情が出てくるかわからない。その感情がどういうものかによって、喜怒哀楽が生まれる。それによって、毎日に変化が訪れる。このことを知っているだけなのか、腹落ちして前を向いているのか。同じ材料の餃子でも全く違う店のやつになる。」

    「お!ようやく餃子が出てきたね」

    「はい、出てきました。お待ちどおさま。」

    「じゃあさ、じゃあさ、完璧な餃子になれれば毎日杏みたいに明るくいられるってことだよね!」

    「若者よ…人生そんな甘いもんじゃあないんだよ。
    完璧って何?明るくいたら幸せなのかい?」

    「うーん…、分かんないよ。だからこうやって話聞きにきてるんじゃないかー。そろそろ教えてくれてもいいんじゃん。」

    「そだよね、ごめんごめん。でもね、それを見つけるのも自分なんだよ。私がこれだよって教えることじゃない。色々経験して、自分の中にこれだ!って思うことを見つけてそれを見ていくと自然にわかってくる。
    ヒントをくれるのは隠し味とタレ。これを知ったのも私の中では大きかったわ。」

    「え!ぼくも知りたい!!」

    「うん、時期がきたらね。」

    「意味わからなーい。いじわるー。」

    「意地悪とかじゃないから。私も20代でそのヒントを聞いても何も変わらなかったってなるからさ。それを受け入れるだけの肉をまずこねてあげないとね。私が占いを勉強したことも1つの経験でしかない。ただ勉強するだけなら誰でもできる。その勉強したことをどう使うのか。自分が楽しいなって思うように使っていったらこうなったわけさ。」

    「えー、わかんないよー。」

    「だよね、だから餃子なんだよ。竜はどんな餃子になりたい?私はね、今ちょうどアンが包み終わったとこなんだよ。これを焼いてさあ、美味く焼けるかなってところ。」

    「え?!天職見つけてるのにまだ焼いてもなかったの??」

    「そだよー、焼いてないよー。これからまたいっぱい失敗して悩むんだよ。美味く焼けないってね。でもようやくやっとここまでこれたかって、フライパンを準備できるまでになれたかって感じだよ。だってボソボソの肉から始まったんだから。まだまだ試行錯誤は続いてく、【九紫火星】は一生勉強の皮。これに出会えた時も腹落ちしたよ。そうなんだよ、それでいいんだよってね。」

    「えー!一生勉強なんかいやじゃん。楽しく楽にいきたいよぼくは。」

    「うんうん、そだよね。竜は【三碧木星】だもんね。
    新しいことが好きで朝日のように明るく照らすことができるすごい皮をもっている。一生子供心を忘れないが合ってるかも。」

    「そうなんだよ。今サークルでやってることが楽しくてさ、でもこの間ついつい言い過ぎて喧嘩になっちゃって。良くなると思うから言っただけなのに。」

    「【三碧木星】は声も表すから、思ったことをパッと言っちゃうとこもあるかもね。でもそんなところを悪いって思わないであげてね。私がそんなうまくいかない部分を嫌ってたからさ、いつまでも自分を好きになれなかった。竜は20代、まだまだこれからだもん。どう?美味い餃子になるの、楽しそうじゃない??」

    「うん、ちょっとありかも。」

    「でしょ!その顔が見たくて私は占い師になったのさ。あー、楽しい。聞いてくれてありがとね。これからも美味しい"アン"を作るお手伝いさせてもらえたら嬉しいかな。まだいっぱい話したいことあるけど、とりあえずラーメン食べよっか。だいぶのびてしまったね。」

    「あはは、ほんとだ!って、杏さんってだからアンなの?」

    「ん?あ、ほんとだね。自然に浮かんだから決めた名前だったんだけど。これだから生きるのはおもしろい。ワハハハハ。」


    長文を読んで頂きありがとうございました!少しでも、九星氣学に興味をもってもらえたら嬉しいです。

    杏

     
     
     

    ANZU

     
     
    会社員、主婦として過ごしながら 身近に起こることから感じることを、気の向くままに綴るnote