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買わせて、買い返して、賞金まで。ある「100円note企画」に感じた5つの疑問

なんかやってる、あのおっさん。
どのおっさん?
noteのフォロワー1000人を目指す、
阿野乙参あのおつさんです。

noteを学ぶという名目で、今日も今日とて、ダラダラと眺めていると、妙な企画を見つけた。

あなたの100円note有料記事を買います。

これだけなら、Xでよく見かける。ちょっとどうかと思うけど、まぁ売上には変わらいんだし利用してもいいんじゃないか? 裏の目的をちゃんと理解していれば。

……と突き放すことができるんだけど、今回はそれとは違う。

仕組みをものすごく簡単にすると、

主催者の有料noteを買う
↓
自分の100円noteを応募する
↓
主催者がその100円noteを買う
↓
さらにコンテストで優勝すれば賞金1,000円

というもの。

……え? 買わせるの? それって規約もろもろ大丈夫そ?


企画内容の整理

企画では、

  • 主催者の100円以上の有料note購入が通常参加の条件

  • 参加者は自分の100円noteを応募

  • 主催者が応募された100円noteを購入

  • 応募作品から主催者自身が優勝者を選ぶ

  • 優勝賞金は1,000円

  • 1,000円以上購入すると「スポンサー席」となり紹介方法が変わる

  • 企画を宣伝した参加者には100円チップ

  • 特定の商品購入者については500円までの記事を主催者が購入

となっている。

これは乙参に推測・憶測ではなく。主催者が、

自分の有料noteをもっと知ってもらうこと、そのために購入を参加条件にしていること

を明記している。

これは単なる「100円noteを読んで応援します企画」ではありません。

主催者自身の有料noteの販促も組み込まれた企画ということです。……アカンくね?

えー、色々と言いたいことはあるけど、思うがままに書いてしまうと賛否両論巻き起こして面倒なので、ここでは疑問ということで処理していきます。

疑問1.「0→1」じゃなくね?

100円の記事が1本購入された。

だから、
販売件数1件、売上100円
という数字は事実だ。嘘はない。

しかし通常の販売では、

記事を見つける
→ 読みたいと思う
→ 100円の価値があると判断する
→ 買う
となる。

今回の場合は、

主催者の記事を買う
→ 企画に参加する
→ 主催者が自分の記事を買う

となる。

しかも企画本文では、100円にした理由として参加者同士でも「買い合える」ことまで挙げられている。……。

「初めて販売件数が1になった」
という意味では0→1でも、
「自分の記事に市場価値を感じた第三者が初めて購入した」
という意味の0→1と本当に同じ扱いでいいのか?

noteでは、有料記事の販売時に決済手数料とプラットフォーム利用料が発生する。

つまり100円を双方が買い合った場合、双方に「1部売れた」という数字は残るが、双方とも手数料分は減る。

見方を変えれば、
手数料を払って、お互いに「販売実績1件」を作る
サービスとも捉えられるわけです。

それを商品そのものの需要検証と同一視していいのか。そもそもnoteの規約としてこれを許していいのだろうか?

疑問2.「買ったら買い返す」はnote規約的にどうなのか

noteの現行利用規約には、
自分の商品を自分で買う「自己取引」
を禁止しています。

ただし今回のケースは別人同士なので、これをそのまま自己取引と言うつもりはありません。

一方で、note総則規約13.1(10)では、

コンテンツ販売・サービス提供ではなく、主として現金化を目的とする取引や、そのおそれがあるとnoteが合理的に判断する行為

を禁止しています。

今回、実際に記事は存在するし、主催者は「買って読む」としている。

だから、
「相互購入=即規約違反」
とは言えない。

言えないが、
「あなたが私の商品を買えば、私もあなたの商品を買います」
という購入条件を明文化し、さらに参加者同士にも買い合いを促している。

この取引が純粋なコンテンツ購入なのか、それとも販売実績や金銭移動を作ることが主目的に近づいているのか。

最終的に判断するのはnote運営だが、少なくとも規約との関係を考えずに真似していい設計ではない。

疑問3.「有料noteを買った人だけ賞金コンテスト」は大丈夫なのか

ここからは法律、景品表示法が関わってくる。

参加するには主催者の有料note購入が必要。

その購入者が100円noteを応募し、主催者が記事の内容を審査して優勝者を決定する。

賞金は1,000円。

消費者庁は「懸賞」を、抽選だけではなく、
作品や競技など、特定の行為の優劣によって景品の提供相手を決める場合
も含むとしている。

つまり、

購入者限定+作品審査+賞金

という今回の仕組みは、一般懸賞に該当する可能性がある。

一般懸賞では、取引価額5,000円未満の場合、
1件あたり最高額=取引価額の20倍
なので、100円を基準にすれば最高2,000円。

1,000円賞金だけを見るなら、この上限には収まる。

しかしもう一つ、
景品総額=懸賞に係る売上予定総額の2%以内
という規制がある。

公開情報だけでは「懸賞に係る売上予定総額」をどう算定しているのか分からない。

したがって、
景品表示法違反だとは断定できない。

だが同時に、
「賞金1,000円だから問題ない」とも言えない。

法令を確認して設計した企画なのか? 

疑問4.買う金額によって「もらえるもの」が増える

通常席は100円以上。
1,000円以上購入するとスポンサー席。

さらに特定の商品購入者については、主催者が参加者の500円までの記事を購入するという。

ここでも景品表示法の論点が出てくる。

購入者全員に提供される経済的利益が「総付景品」に該当する場合、消費者庁は、

取引価額1,000円未満なら200円まで
1,000円以上なら取引価額の20%まで

という上限を定めている。

ただし、

記事を買い返すこと自体がこのケースで「景品類」に当たるのか、購入商品のサービス内容そのものなのか

など、法的評価には検討が必要。

ここも「違法」と断定する材料は不足している。

ただ、

有料note購入
+記事買い返し
+紹介
+高額購入特典
+賞金

まで組み合わせるなら、本来かなり慎重に景品規制を確認する必要がある。あるのだが、考えているように見えない。

疑問5.売上実績を掲げながら、有料note購入を参加条件にしている

そして個人的に、規約面でかなり気になったのがここ。

noteクリエイター規約10.1(3)では、

確定・未確定を問わず売上や利益などを公開し、note上の商品・サービスの購入を煽る場合

利用停止やコンテンツ削除、検索結果からの除外などの措置を行う場合があるとしている。

今回の企画主催者はプロフィール上で、

  • 開始3週間で収益化

  • 累計150部超

  • 月5桁売上を5か月達成

  • 読者から0→1達成報告

といった実績を掲げている。

その一方、企画本文では、

「自分の有料noteをもっと知ってほしい」
「有料note購入を参加条件にしているのもそのため」

と明言している。

もちろん、
売上を書いただけで規約違反
ではない。

規約は「売上等を公開して購入を煽る場合」としているため、個別事例が該当するかはnote側の判断になる。

しかし、

収益実績を前面に出す
+収益化ノウハウを販売する
+その有料商品購入を企画参加条件にする

という組み合わせは、少なくともこの規定との関係を確認する必要がある。……あるが、note運営はこの規約を忘れているのか、Xでどんなに煽ろうが、黙認しているし、note内でもこの程度は容認するんじゃないかな?

どうかと思うけどね!

無駄にリスキーな企画設計

「100円noteを買って初心者を応援する」だけなら、
もっとシンプルな企画として成立していました。

自分の商品購入を参加条件にする
→ 相手の商品を買い返す
→ 参加者同士の購入も促す
→ 賞金コンテストを付ける
→ 高額購入者に追加特典を与える
→ 宣伝するとチップを出す

という要素を全部載せしたことで、話が一気に複雑になっている。

「規約違反だ」と断言できないし、
景品表示法違反だとも断定できない。

でも、
「応援企画だから大丈夫でしょう」
で真似していい企画ではない。

何より最初の疑問に戻る。

これを「0→1」達成と呼んでいいのか? 

本当にこの企画は、副業初心者のためになっているのか?

この企画の是非は置いておいて、もし副業初心者から「参加した方がいいですか?」と相談されたら、僕はこう答えます。

関わるな。

理由は単純。
100円の売上を1件作るために、ここまで複雑な取引と規約・法律上の論点を抱える必要がないからです。

普通に記事を書いて、普通に読者を増やして、普通に売る。
その方が遠回りに見えて、少なくとも「その1件が何を意味するのか」はずっと明確です。

僕自身、noteを始めたときに最初にやったのは、売上を作ることではありませんでした。

「どうすれば知名度0の状態から読者に見つけてもらえるか」
相互フォローやフォロバ100に頼らずに、達成できるのではないか?
と考えました。

そのとき実際にやったことは、こちらの記事にまとめています。

相互に買い合うなどせずに、書いた記事が多くの人に届く環境をつくれば、自ずと望む成果が生まれるのでは?

乙参でした。

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阿野乙参がやってみた。 笑えたら、100円ちょうだい。その100円で、阿野乙参がまた何か変なことをやります。「面白かった」にもチップが飛ぶnoteのほうが、絶対おもしろい。