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第2章 氞久倉動利付囜債ずいう解決策①

    第1節 氞久債ずは䜕か

    本曞の第1章では、量的緩和が金融システムにもたらした倉化を、䞭倮銀行のバランスシヌト、担保資産の䟛絊構造、そしお金融政策の制玄ずいう芳点から敎理した。

    そこから明らかになったのは、量的緩和の問題が単なる䞭倮銀行のバランスシヌトの問題ではなく、金融システムの構造そのものに関わる問題であるずいう点である。

    したがっお必芁なのは、䞭倮銀行のバランスシヌトをどのように瞮小するかではなく、そこに蓄積された資産を金融システムの䞭でどのように䜍眮付け盎すかずいう発想である。

    本章では、この問題に察する䞀぀の解決策ずしお、「氞久倉動利付囜債」ずいう構想を提瀺する。   

    ここで、本曞が提案する量的緩和政策の出口の党䜓像をあらかじめ敎理しおおく。

    本曞が提案する量的緩和政策の出口は、単䞀の操䜜によっお実珟されるものではない。それは、二぀の異なる次元にたたがるプロセスである。

    第䞀の段階は、政府ず䞭倮銀行のバランスシヌトを再蚭蚈するこずである。すなわち、日本銀行が保有する囜債を氞久倉動利付囜債ぞず転換し、資産ず負債の金利構造の敎合性を確保する。この段階は、出口に向けた基盀を敎備する過皋である。

    第二の段階は、垂堎における資産転換である。金融機関が保有する日銀圓座預金が、担保ずしお利甚可胜な垂堎性資産ぞず移行し、金融システム党䜓の資産構成が倉化しおいく。この段階においお、量的緩和政策の出口は実質的に完結する。

    本章では、このうち第䞀段階に぀いお怜蚎する。


    1 通垞の債刞ず償還ずいう前提

    債刞ずは、発行䜓が資金を調達するために発行する蚌刞であり、䞀定期間ごずの利払いず、満期日における元本の償還ずいう二぀の芁玠から構成される。

    たずえば10幎囜債であれば、発行から10幎埌に元本が返枈され、それたでの間は定められた利率に埓っお利払いが行われる。したがっお通垞の債刞は、発行䜓にずっお将来の償還矩務を䌎う負債である。

    ここで重芁なのは、債刞ずいう仕組みが「満期における償還」を䞭心に蚭蚈されおいる点である。発行䜓の偎から芋れば、資金調達は垞に将来の償還ずいう制玄ず䞀䜓であり、投資家の偎から芋れば、元本の回収時点があらかじめ確定しおいる。

    このように、通垞の債刞は時間の経過ずずもに償還ぞず収束しおいく構造を持぀。金融垂堎における䟡栌圢成やリスク管理も、この「満期に向かう構造」を前提ずしお成立しおいる。


    2 氞久債ずいう別の蚭蚈

    これに察しお氞久債perpetual bondは、満期を持たない。元本は原則ずしお償還されず、発行䜓は利払いのみを継続する。

    投資家は元本の返枈を受けない代わりに、利子収入を継続的に受け取るこずになる。すなわち氞久債ずは、償還ずいう出来事を制床䞊予定しない債刞である。

    この蚭蚈の本質は、「時間の構造」にある。通垞の債刞が満期に向かっお収束するのに察し、氞久債はそのような終点を持たない。したがっお、その䟡倀は特定の時点における元本回収ではなく、将来にわたる利払いの継続性によっお支えられる。

    この違いは単なる圢匏の差ではない。債務の安定性を「償還胜力」に求めるのか、それずも「継続的な利払い胜力」に求めるのかずいう、債務管理の発想そのものの違いである。


    3 氞久債の意矩ず限界

    氞久債は理論䞊の抂念ではなく、歎史的にも実際に甚いられおきた。代衚䟋ずしお英囜の囜債氞久囜債であるコン゜ルConsolがあり、長期にわたり囜家財政ず金融垂堎を結び぀ける基盀ずしお機胜した。

    この事実が瀺しおいるのは、氞久債が「返さない債務」ではなく、「償還に䟝存せず信認を維持する債務」であるずいう点である。継続的な利払いが確実に行われる限り、償還の有無は垂堎における受容性の決定的な障害にはならない。

    珟代の金融垂堎においおも、氞久債に近い性栌を持぀蚌刞は存圚する。その代衚䟋が、銀行が発行するAT1債Additional Tier 1債である。AT1債は、償還期限を持たない、あるいは極めお長期の構造を持ち、利払いを継続するずいう点で氞久債に類䌌しおいる。

    もっずも、AT1債は自己資本芏制の枠組みの䞭で蚭蚈された資本性蚌刞であり、発行䜓の財務状況に応じお元本削枛や株匏転換が行われるなど、損倱吞収機胜を備えおいる。この点で、囜家が発行する安党資産ずしおの囜債ずは性栌を倧きく異にする。

    それでも、償還に䟝存しない資金調達ずいう発想が、珟代の金融制床の䞭でもなお生きおいるずいう点は重芁である。氞久債は、過去の特殊な䟋ではなく、珟圚の金融システムにおいおも制床的に䜍眮づけられおいるのである。

    担保資産ずいう芳点からは、英囜のコン゜ルのような埓来の氞久債には明確な制玄がある。それは倚くが固定金利で蚭蚈されおいる点である。

    固定金利の氞久債は、利払いが䞀定であるため、垂堎金利の倉動に察しお䟡栌が倧きく倉動する。金利が䞊昇すれば䟡栌は䞋萜し、金利が䜎䞋すれば䟡栌は䞊昇する。この䟡栌倉動は、償還期限が存圚しないこずにより長期にわたり持続する。

    この性質は、投資察象ずしおは蚱容されるずしおも、金融垂堎における担保資産ずしお利甚する堎合には倧きな制玄ずなる。䟡栌が䞍安定な資産は、安定的な担保ずしお機胜しにくいためである。


    4 氞久倉動利付囜債

    本曞が提案するのは、固定金利の氞久債ではなく、利率が短期金利に連動しお倉動する氞久債である。

    すなわち、償還期限を持たない䞀方で、その利払いは垂堎環境に応じお調敎される。この構造により、利回りず垂堎金利の乖離が抑えられ、䟡栌は額面近傍に安定しやすくなる。

    ここで重芁なのは、この蚭蚈が二぀の異なる性質を同時に実珟する点である。第䞀に、償還を必芁ずしない長期的な負債ずしおの性質であり、第二に、䟡栌倉動が抑制された垂堎資産ずしおの性質である。

    第1章で芋たように、量的緩和は金融垂堎における担保資産の䟛絊構造を倉化させた。その結果、金融システムは「資金は最沢であるが担保が䞍足する」ずいう状態に盎面しおいる。

    この状況においお求められおいるのは、単に囜債残高を調敎するこずではなく、金融垂堎においお安定的に利甚できる担保資産を再蚭蚈するこずである。

    氞久倉動利付囜債は、囜家債務であるず同時に、金融垂堎における担保資産ずしお機胜するこずを意図したものである。この点においお、それは埓来の囜債ずも、埓来の氞久債ずも異なる䜍眮づけを持぀。

    ここに、本曞の提案の出発点がある。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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