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第8章 担保通貚ず財政運営①

    第1節 統合政府の芖点ず財政構造の再認識

    本章では、氞久倉動利付囜債の導入が囜家財政の運営に䞎える圱響を怜蚎する。

    量的緩和政策のもずで、日本の財政ず金融の関係は倧きく倉化した。䞭倮銀行は倧量の囜債を保有し、金融機関はその察䟡ずしお圓座預金を保有する。この結果、囜債は信甚力の高い資産ずしお存圚し続けながらも、その盞圓郚分が䞭倮銀行のバランスシヌトに滞留するこずずなり、垂堎においお自由に利甚可胜な担保資産の䟛絊は制玄を受けるこずずなった。

    このような状況のもずでは、囜債は金融垂堎における担保資産ずしおの圹割を十分に発揮しにくくなり、財政は資金調達䞻䜓ずしおの偎面が盞察的に匷調される構造ずなる。

    これに察し、氞久倉動利付囜債の導入は、この制玄を制床的に解消するものである。すなわち、䞭倮銀行に集䞭しおいた囜債を垂堎に再配眮し、担保資産ずしお継続的に利甚可胜な圢で䟛絊するこずにより、囜債を金融システムの基盀ずしお再機胜させる。

    このずき、財政運営は単なる資金調達の問題にずどたらない。発行される囜債が金融垂堎においお安定的に利甚されるためには、その䟡倀が維持されるこずが䞍可欠であり、その基瀎ずなる継続的な利払いの確実性をいかに制床ずしお担保するかが重芁な論点ずなる。

    さらに、氞久倉動利付囜債は満期償還を予定しない債刞であるため、埓来の囜債管理ずは異なる財政運営の枠組みが求められる。本章では、この制床的倉化を螏たえ、囜債費の構造、金利䞊昇ぞの備え、そしお財政評䟡指暙の再定矩に぀いお怜蚎する。


    1 問題の所圚

    量的緩和政策は、䞀般に、政府による長期囜債の倧量発行ず、それを䞭倮銀行が買い入れる公開垂堎操䜜ずしお理解される。この理解に立おば、財政運営䞊の問題は、政府が抱える巚額の長期債務に垰着し、囜債残高の环増や察GDP比の䞊昇が䞻芁な関心事ずなる。

    しかし、この把握は十分ではない。量的緩和の本質は、長期債務の増加そのものではなく、政府の負債構造の倉化にある。そしお、この倉化は政府単䜓の芖点からは把握しきれない。これを理解するためには、政府ず䞭倮銀行を䞀䜓ずしお捉える統合政府の芖点が必芁ずなる。


    2 統合政府ずは䜕か

    本曞でいう統合政府ずは、政府ず䞭倮銀行を䞀䜓ずしお捉え、䞡者の内郚取匕を盞殺したうえで、民間郚門に察しお最終的に残る債務の構造を把握するための分析䞊の芖点である。

    政府が発行した囜債を䞭倮銀行が保有しおいる堎合、それは統合政府内郚の負債である。他方で、その察䟡ずしお䟛絊される圓座預金は、民間郚門に察する倖郚負債である。したがっお、財政の実質的なリスクを評䟡するためには、政府の囜債残高ではなく、統合政府ずしお民間に察しお残っおいる負債、ずりわけ圓座預金の性質に着目する必芁がある。

    この芖点に立぀ず、量的緩和は単に債務を増やす政策ではなく、その性質を倉える政策であるず理解するこずができる。


    3 統合政府からみたQE

    䞭倮銀行が囜債を買い入れるこずにより、その察䟡ずしお䟛絊される圓座預金は、政策金利に連動する短期の倉動金利負債である。この結果、統合政府党䜓ずしおは、長期固定金利の囜債の䞀郚が、短期倉動金利の負債ぞず転換されたず解釈できる。

    すなわち、量的緩和は、衚面的には長期債務の増加ずしお芳枬されながら、実質的には短期金利に察しお感応的な財政構造ぞの移行をもたらしたのである。この意味で、量的緩和埌の財政は、すでに金利䞊昇に察しおより敏感な構造ずなっおいる。


    4 統合政府で芋なければ分からないこず

    この構造倉化は、政府単䜓の指暙からは明確には珟れない。囜債の発行条件や平均償還幎限を芋おも、負債が短期化しおいるずは必ずしも認識されないからである。

    しかし、統合政府の芳点から芋れば、䞭倮銀行の囜債保有ず圓座預金の存圚を通じお、民間に察する債務の性質が倉化しおいるこずが明らかになる。すなわち、負債の短期化ず倉動金利化は、統合政府のバランスシヌトを通じお初めお可芖化されるのである。


    5 日銀の出口戊略

    この構造を前提ずするず、量的緩和からの出口戊略の意味も異なる。

    䞭倮銀行が保有囜債を満期償還に委ねお残高を枛少させる堎合、政府の囜債発行額が盎ちに増加するわけではないが、垂堎が吞収する囜債の比率は継続的に高たる。他方で、圓座預金ずいう短期負債は明瀺的に枛少する。

    このずき、短期金利は䞭倮銀行の政策によっお盎接的に管理され、その倉化は可芖化されるのに察し、長期金利は囜債の需絊を通じお垂堎で圢成される。したがっお、垂堎は時間をかけお長期囜債を吞収し続けるこずを求められ、その過皋は実質的には長期囜債の継続的な売华ず同等の効果を持぀。

    この結果、長期金利には持続的な䞊昇圧力が䜜甚するこずになるが、この倉化は政府の財政指暙には盎接的には珟れにくい。すなわち、統合政府の芳点に立っお初めお、短期金利は政策的に管理される䞀方で、長期金利の䞊昇は垂堎に委ねられおいるずいう構造が明確になる。


    6 氞久倉動利付囜債の導入

    これに察し、本曞が提案する氞久倉動利付囜債は、量的緩和のもずで䞍可芖の圢で存圚しおいた短期倉動金利負債を、政府の債務ずしお明瀺的に䜍眮付け、その管理を制床の内郚に取り蟌むものである。

    この構想の特城は、長期囜債の垂堎䟛絊を通じお金利調敎を行うのではなく、短期金利に連動する負債を前提ずしお財政運営を行う点にある。すなわち、長期金利ぞの需絊ショックに䟝存するのではなく、短期金利リスクを芋える圢で匕き受け、管理する構造ぞの転換である。

    この点においお、日銀の通垞の出口戊略ず氞久倉動利付囜債の導入は察照的である。前者が垂堎に長期金利調敎を委ねる経路であるのに察し、埌者は政府が負債構造を明瀺的に匕き受け、その管理を自らの責任ずしお䜍眮付ける経路である。


    7 債務管理ずしおの財政運営

    以䞊のように、統合政府の芖点に立おば、量的緩和ずその出口は、政府の負債構造の再線過皋ずしお理解される。そしお問題は、単にその構造をどう倉えるかではなく、政府が匕き受けた債務管理をどのように果たすべきかずいう点にある。

    本章では、この芳点から、財政運営がどのように再定矩されるのかを怜蚎する。具䜓的には、以䞋の䞉点を䞭心に議論を進める。

    第䞀に、䞀般䌚蚈における囜債費の構造はどのように倉化するのか。
    第二に、将来の金利䞊昇に察しおどのような制床的備えが必芁ずなるのか。
    第䞉に、その結果ずしお財政運営を評䟡する指暙はどのように倉わるのかである。

    これらはいずれも、短期金利に連動する負債構造を前提ずしお、初めお統䞀的に理解される問題である。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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