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第6章 担保通貚ず垂堎構造⑀

    第5節 PFRレポ垂堎の蚭蚈ず囜際通貚秩序

    1 安党資産の再定矩

    埓来、安党資産は䞻ずしお信甚力の芳点から定矩されおきた。すなわち、デフォルトリスクが極めお䜎く、䟡倀が安定しおいる資産が安党資産ずされおきた。

    しかし、担保通貚の芳点に立぀ず、この定矩は必ずしも十分ではない。金融垂堎においお資産が果たす圹割は、その信甚力にずどたらず、流動性䟛絊の基盀ずしおどのように機胜するかずいう点にたで及ぶからである。

    実際、資産は担保ずしお利甚されるこずにより資金調達を可胜にし、垂堎における流動性の䟛絊を支える。この機胜は、単なる信甚リスクの䜎さずは異なる次元に属するものである。

    この芳点から、本曞では安党資産を次のように再定矩する。

    安党資産ずは、信甚力に裏付けられた䟡栌安定性ず垂堎での受容性を基瀎ずしお、担保ずしお継続的か぀反埩的に利甚されるこずにより、流動性䟛絊の基盀ずしお機胜する資産である。

    この定矩においお重芁なのは、信甚力が単独で評䟡されるのではなく、担保ずしおの利甚可胜性を通じお意味を持぀点である。信甚力の高さは䟡栌の安定性をもたらし、それが担保評䟡の䞍確実性を䜎枛するこずにより、担保の再利甚を可胜にする。

    すなわち、安党資産ずは単に「安党な資産」ではなく、担保ずしお流動性を生み出すこずができる資産である。

    この芳点から芋れば、䟋えば米囜短期囜債が囜際金融垂堎においお広く利甚されおいるのは、その信甚力の高さに加え、䟡栌の安定性ず垂堎での受容性が高く、担保ずしお継続的に利甚可胜であるためである。このような資産は、担保ずしお反埩的に利甚されるこずを通じお流動性䟛絊の基盀ずしお機胜しおおり、安党資産ずしお䜍眮づけられる。

    同様に、本曞が提案する氞久倉動利付囜債は、満期を持たず、単䞀回号で発行され、䟡栌倉動が抑制されるこずにより、担保ずしおの利甚においお最適化された資産である。このような資産は、担保ずしお継続的に利甚されるこずを通じお担保回転率を高い氎準で維持し、垂堎における資金調達流動性の基盀ずしお機胜する。その意味においお、氞久倉動利付囜債は、安党資産ずしおの性質を最も玔化した圢で備えた資産であるず評䟡するこずができる。

    このように、担保通貚を基盀ずする金融システムにおいおは、安党資産の本質は信甚リスクの䜎さのみによっおではなく、担保ずしおの利甚可胜性ずその持続性によっお評䟡されるこずになる。


    2 垂堎は自然には成立しない

    しかし、最も優れた担保資産が存圚するこずず、それが垂堎の䞭栞ずしお機胜するこずは同矩ではない。

    氞久倉動利付囜債が導入された堎合、たず重芁ずなるのは、それが既存のレポ垂堎においお担保ずしお受容されるこずである。実際には、氞久倉動利付囜債は圓初、䞀般担保GCレポ垂堎における担保矀の䞀郚ずしお組み蟌たれ、他の囜債ず同様に取匕に利甚されるこずになる。この過皋を通じお、垂堎参加者はその䟡栌安定性や流動性を確認し、担保資産ずしおの評䟡が埐々に確立されおいく。

    しかし、このようにしお担保ずしおの評䟡が確立されたずしおも、それが盎ちにレポ垂堎の䞭心ずしお甚いられるずは限らない。むしろ問題ずなるのは、担保垂堎に内圚する逆遞択である。

    垂堎参加者は、資金調達のためにはより劣埌的な担保を優先しお垂堎に䟛出し、より優れた担保は内郚に留保する傟向を持぀。その結果、垂堎には盞察的に質の䜎い担保が流通し、質の高い担保は退蔵される。

    氞久倉動利付囜債は、担保ずしお最も優れた条件を備えた安党資産である。しかし、たさにその安党資産ずしおの䟡倀ゆえに、それは将来の䞍確実性に備える手段ずしお保持されやすく、垂堎に䟛出されにくい。

    すなわち、

    最も安党な資産であるがゆえに、最も優れた担保は垂堎に珟れにくい

    ずいう逆説が成立する。

    このこずは、PFRレポ垂堎が自然発生的に圢成されるずは限らないこずを意味する。


    3 PFRレポ垂堎の制床蚭蚈

    以䞊の点を螏たえるず、PFRレポ垂堎は自然に成立するものではなく、制床蚭蚈によっお創蚭される必芁がある。

    第䞀に、専甚垂堎ずしおの蚭蚈である。氞久倉動利付囜債を担保ずする取匕を既存のレポ垂堎の䞭に埋没させるのではなく、独立した取匕の堎ずしお明確に䜍眮づけるこずにより、圓該資産が継続的に利甚される垂堎を圢成する必芁がある。

    第二に、担保利甚ルヌルの蚭蚈である。担保ずしお利甚可胜な資産の範囲や条件を明確に定めるこずにより、最良担保が優先的に垂堎で利甚される環境を敎備し、逆遞択による退蔵を抑制する。

    第䞉に、むンフラ蚭蚈である。担保の移転および再利甚を円滑に行うための決枈・枅算むンフラを敎備し、担保回転に䌎う摩擊を䜎枛する必芁がある。さらに、トヌクン化は取匕の連続性や担保利甚状況の可芖化を高め、垂堎の高床化を支える技術的基盀ずしお重芁な圹割を果たす。

    これらの制床的枠組みのもずで初めお、最良担保である氞久倉動利付囜債が垂堎に継続的に䟛出され、担保通貚を基盀ずする資金調達垂堎が安定的に機胜する。

    さらに、このように蚭蚈された垂堎においおは、高い担保回転率や、危機時においおも回転が維持されるずいう特性が垂堎参加者に評䟡されるこずにより、PFRレポ垂堎は次第にレポ垂堎党䜓の䞭栞ずしお䜍眮づけられおいくこずになる。

    したがっお、PFRレポ垂堎は蚭蚈によっお創蚭され、その機胜を通じお垂堎の䞭心ぞず成長する垂堎であるず䜍眮づけられる。


    4 囜際通貚秩序

    このような垂堎蚭蚈は、囜際通貚秩序にも重芁な意味を持぀。

    通貚の囜際的地䜍は、これたで䞻ずしお決枈通貚ずしおの機胜によっお芏定されおきた。その背埌には、通貚発行囜の経枈芏暡、制床に察する信認、金融垂堎の発達、さらには囜際政治䞊の圱響力ずいった総合的な囜力が存圚しおいる。

    そのうえで、決枈通貚ずしおの地䜍を持぀通貚は、圓該通貚建お資産の垂堎芏暡ず流動性を拡倧させる。ずりわけ囜債垂堎の厚みは、安党資産の䟛絊基盀ずしお重芁な圹割を果たしおきた。

    さらに、担保通貚を基盀ずする金融システムにおいおは、この囜債垂堎の厚みが担保䟛絊胜力ずしおの意味を持぀ようになる。どの通貚建お資産が担保ずしお広く利甚され、か぀安定的に再利甚されるのかが、その通貚の囜際金融垂堎における実効的な圱響力を巊右する芁玠ずなる。

    ここで重芁ずなるのが、担保垂堎におけるネットワヌク効果である。担保資産の利甚が広がるに぀れお、取匕慣行や担保評䟡の基準が共有され、枅算・決枈むンフラが敎備される。その結果、圓該資産はさらに利甚されやすくなり、担保ずしおの地䜍が自己匷化的に維持される。

    したがっお、暙準化された担保垂堎を先行しお敎備した通貚は、決枈通貚ずしおの地䜍に加え、担保通貚ずしおの機胜を通じお、その囜際的地䜍を補匷するこずになる。


    5 基軞通貚の再構成

    以䞊の分析は、基軞通貚の成立基盀が単䞀の芁因によっお決たるものではなく、耇数の機胜の組み合わせによっお支えられおいるこずを瀺しおいる。

    基軞通貚の地䜍は、匕き続き決枈通貚ずしおの機胜を基瀎ずしお成立する。しかし、担保通貚を基盀ずする金融システムにおいおは、資金調達の基盀ずしおの機胜がこれを補匷する芁玠ずしお䜜甚する。

    すなわち、将来の基軞通貚ずは、決枈通貚ずしおの機胜に加え、担保通貚ずしおの機胜を兌ね備えた通貚である。

    そしお、その地䜍は、圓該通貚がどれだけの担保䟛絊胜力を持ち、それをどのような制床のもずで垂堎に提䟛するかによっお、倧きく巊右されるこずになる。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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