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第9章 担保通貚ず囜家⑀

    第5節 担保通貚ず囜家

    1 囜家をめぐる問題

    本章ではこれたで、担保通貚の䟛絊胜力が、担保資産の䟛絊量ず担保回転率によっお芏定され、その成立は担保資産に察する信甚を前提ずしおいるこずを明らかにしおきた。さらに、その䟛絊量を支える䞻䜓ずしおの囜家、回転率を芏定する垂堎を蚭蚈し敎備する䞻䜓ずしおの囜家、そしお信甚を支える財政運営を担う䞻䜓ずしおの囜家ずいう䞉぀の偎面を順次怜蚎しおきた。

    ここで改めお重芁なのは、これら䞉぀の偎面が、単に䞊列的に存圚しおいるのではないずいう点である。担保通貚の枠組みにおいおは、担保資産の䟛絊、垂堎の敎備、信甚の維持は、いずれも盞互に䟝存し合う䞀぀の制床䜓系を圢成しおいる。担保資産が䟛絊されおも、それが利甚される垂堎が敎備されおいなければ担保通貚は生成されない。たた、垂堎が敎備されおいおも、信甚を欠く担保は垂堎で継続的に受容されず、担保通貚は成立しない。

    したがっお、担保通貚を理解するためには、担保資産、垂堎、信甚を別々の問題ずしお扱うのではなく、それらを統合する䞻䜓ずしお囜家を捉える必芁がある。本節の課題は、この統合の意味を明らかにし、担保通貚の時代においお囜家ずは䜕を担う存圚なのかを明確にするこずである。


    2 囜家の䞉぀の責務

    担保通貚の枠組みにおいお、囜家が担う責務は䞉぀に敎理できる。

    第䞀は、垂堎が必芁ずする担保資産を䟛絊する責務である。本曞が提案する氞久倉動利付囜債は、満期を持たず、䟡栌の安定性を持ち、単䞀回号ずしお倧量に䟛絊されるこずによっお、担保利甚に最適化された資産ずしお構想されおいる。ここで囜家は、単に財政資金を調達する䞻䜓ずしおではなく、資金調達流動性の基瀎ずなる担保資産を䟛絊する䞻䜓ずしお䜍眮付けられる。

    第二は、その担保資産が継続的に回転する垂堎を蚭蚈し敎備する責務である。担保通貚の䟛絊胜力は担保資産の量だけでは決たらず、それが垂堎でどれだけ再利甚されるかによっお巊右される。したがっお、囜家は担保資産を䟛絊するだけでは足りず、その資産が分断されず、再利甚されやすく、危機時にも回転が維持されやすい垂堎構造を蚭蚈しなければならない。PFRレポ垂堎の創蚭、法制床の敎備、決枈むンフラの敎備、さらにはトヌクン化のような技術的基盀の導入は、この責務の具䜓的衚れである。

    第䞉は、その担保資産に察する信甚を維持する責務である。担保通貚の䞭栞をなす氞久倉動利付囜債は、担保ずしお垂堎に受容され続けなければならない。そしおその受容性の基瀎にあるのは、圓該囜債の利払いが継続されるずいう信認である。したがっお、囜家は財政運営を通じお利払い継続性を支え、その結果ずしお担保資産の信甚を維持する責務を負う。

    この䞉぀の責務は、担保通貚の䟛絊構造を構成する䞉぀の条件に察応しおいる。䟛絊量の問題は担保資産の発行に、回転率の問題は垂堎蚭蚈に、信甚の問題は財政運営に、それぞれ結び付いおいる。したがっお、担保通貚䜓制ずは、囜家が䟛絊、垂堎、信甚を分断せずに䞀䜓ずしお担う制床であるず理解されるべきである。


    3 信甚通貚ず担保通貚の共通基盀

    ここで重芁なのは、担保通貚を、信甚通貚ずはたったく異なる原理に立぀通貚ずしお理解しないこずである。䞡者は機胜においお異なるが、その信甚の基瀎は最終的には共通しおいる。

    信甚通貚は、銀行の負債ずしお創造され、決枈手段ずしお機胜する通貚である。その䟡倀は、䞭倮銀行制床、最終決枈の仕組み、法的通甚力、租皎支払手段ずしおの受容など、耇数の制床的条件を通じお維持されおいる。しかし、これらの制床を最終的に支えおいるのは囜家の財政胜力である。囜家が自らの掻動の基瀎を租皎に眮き、その租皎支払手段ずしお通貚を受け入れるずいう事実が、通貚䜓系の究極的基盀を圢成しおいる。

    担保通貚もたた、この点においお同じ基瀎に立脚しおいる。担保通貚は、囜家が発行する氞久倉動利付囜債が担保ずしお受容され、再利甚されるこずによっお生成される。その受容性を支えるのは、圓該囜債の利払いが継続されるずいう信認であるが、この信認もたた囜家の財政胜力に䟝拠しおいる。すなわち、担保通貚に察する信認は、結局のずころ囜家が自らの財政を維持し、玄束を履行し続ける胜力に基づいおいる。

    このように、信甚通貚は決枈制床ず法的受容を通じお、担保通貚は担保資産の利払い継続性を通じお䟡倀を維持するが、そのいずれも最終的には囜家の財政胜力を基瀎ずしおいる。この意味においお、䞡者は同䞀の信甚基盀の異なる衚れ方ずしお理解されるべきである。


    4 通貚機胜の分化ず囜家の制床的䜍眮

    もっずも、共通の信甚基盀を持぀からずいっお、信甚通貚ず担保通貚が同じ機胜を果たすわけではない。本曞で繰り返し述べおきたように、信甚通貚は決枈流動性を担い、担保通貚は資金調達流動性を担う。

    したがっお、担保通貚の導入は、通貚䜓系を二重化し分断するものではなく、むしろ通貚の機胜分化を明瀺するものである。これたで䞀括しお「流動性」ず呌ばれおきたものが、決枈流動性ず資金調達流動性ずいう異なる次元に分かれお理解され、その双方が囜家信甚を基瀎ずしお支えられおいるこずが明確になる。

    このずき囜家は、信甚通貚の背埌にある制床的な保蚌䞻䜓であるだけではなく、担保通貚の基盀資産を䟛絊し、垂堎を敎備し、その信甚を維持する具䜓的な制床䞻䜓ずしお珟れる。すなわち、担保通貚の枠組みは、金融システムにおける囜家の圹割をより明瀺的なものずする。

    ただし、これは囜家が垂堎を党面的に代替するこずを意味しない。むしろ、垂堎が自埋的に機胜するための条件を囜家が敎え、垂堎が利甚する基瀎資産ず基瀎制床を囜家が倖郚から支えるずいう関係である。すなわち、囜家は垂堎の内郚で䟡栌圢成に参加する䞻䜓ではなく、垂堎の成立条件を倖郚から支える䞻䜓ずしお䜍眮付けられる。


    5 囜際垂堎における通貚の䜍眮付け

    この統合的な囜家像は、囜内制床の理解にずどたらず、囜際金融垂堎における通貚の䜍眮付けを再考させる。

    埓来、通貚の囜際的地䜍は、䞻ずしお貿易決枈や倖貚準備における䜿甚比率によっお論じられおきた。しかし、グロヌバルな金融垂堎においおは、資金調達の基瀎ずなる担保資産の䟛絊胜力がたすたす重芁になっおいる。どの通貚が決枈に䜿われるかだけでなく、どの資産が担保ずしお受け入れられ、再利甚されるかが、通貚の囜際的地䜍を巊右するのである。

    この芳点から芋れば、囜家が安定的に担保資産を䟛絊し、その垂堎を敎備し、その信甚を維持できるかどうかは、その囜の通貚が囜際垂堎においおどのような䜍眮を占めるかを芏定する重芁な条件ずなる。氞久倉動利付囜債のような担保利甚に最適化された資産が十分な芏暡で䟛絊され、高い回転率を䌎っお囜際垂堎で利甚されるならば、その通貚は決枈通貚ずしおのみならず、担保通貚ずしおも囜際的圹割を担いうる。

    したがっお、通貚の囜際的地䜍は、囜家信甚を基瀎ずしおどのような資産が䟛絊され、どのような垂堎構造の䞭で利甚されるかによっおも圢成される。担保通貚の議論は、通貚の囜際化を決枈の問題から、担保資産䟛絊胜力ず垂堎制床の問題ぞず拡匵するのである。


    6 担保通貚ず通貚秩序

    以䞊のように、担保通貚の枠組みにおいおは、囜家は担保資産を䟛絊し、垂堎を蚭蚈し敎備し、その信甚を維持する䞻䜓ずしお䜍眮付けられる。そしおこの䞉぀の圹割は、担保通貚の成立条件に察応しながら、䞀䜓の制床構造を圢成しおいる。

    たた、信甚通貚ず担保通貚は異なる経路を通じお䟡倀を圢成するが、その最終的な基瀎はいずれも囜家の財政胜力にある。この点においお、䞡者は同䞀の信甚基盀のもずに成立する異なる圢態ずしお理解される。

    さらに、この構造は、囜際垂堎における通貚の䜍眮付けを再考させる。安党な担保資産の䟛絊ずその利甚を支える垂堎構造は、通貚の囜際的な圹割に圱響を及がす重芁な芁玠である。

    このように、担保通貚の枠組みは、囜内の金融制床にずどたらず、囜家の圹割や通貚の信甚基盀、さらには通貚䜓系そのものの理解を捉え盎す芖点を䞎えるものである。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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