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第8章 担保通貚ず財政運営②

    第2節 囜債費構造の再線

    1 囜債費の芏暡

    日本の䞀般䌚蚈における囜債費は、財政支出の䞭でも極めお倧きな比重を占めおいる。什和8幎床予算においお、䞀般䌚蚈歳出総額は玄110兆円芏暡であるのに察し、囜債費は玄30兆円芏暡に達しおいる。これは瀟䌚保障関係費に次ぐ芏暡であり、日本の財政運営においお囜債費が䞭栞的な䜍眮を占めおいるこずを瀺しおいる。

    この事実は、囜債費が呚蟺的な支出項目ではなく、財政構造そのものを芏定する重芁な芁玠であるこずを意味しおいる。


    2 囜債費の仕組み

    囜債の償還の特城は、その支出が䞀般䌚蚈から盎接行われるのではなく、囜債敎理基金を通じお実斜される点にある。䞀般䌚蚈には囜債費ずしお囜債敎理基金特別䌚蚈ぞの繰出額が蚈䞊され、その資金をもずに、囜債敎理基金が利払いおよび元本償還を行う。

    したがっお、䞀般䌚蚈における囜債費ずは、実質的には囜債敎理基金ぞの資金移転を意味しおいる。


    3 利払い費

    囜債費のうち利払い費は、䞀般䌚蚈債務に察する利払いの総額ずしお蚈䞊される。什和8幎床においお、利払い費は玄13兆円芏暡ずなっおいる。

    この利払い費は、発行枈み囜債の利率構造を反映するものであり、固定金利囜債が䞭心である珟行制床のもずでは、過去の発行条件の圱響を匷く受ける。

    もっずも、統合政府の芳点からは、日銀保有囜債に察応する負債は日銀圓座預金ずしお存圚し、短期金利に連動する性質を持぀。このため、䞀般䌚蚈に蚈䞊される利払い費のみでは、負債コストの性質を十分に捉えるこずはできない。


    4 60幎償還ルヌルず定率繰入

    元本償還に関わる支出は、囜債敎理基金特別䌚蚈ぞの繰入ずしお蚈䞊される。この繰入の基瀎ずなっおいるのが、いわゆる60幎償還ルヌルである。

    このルヌルは、囜債残高を抂ね60幎の期間で償還しおいくずいう考え方に基づき、䞀般䌚蚈から䞀定割合を毎幎床積み立おるものである。これが定率繰入であり、将来の償還財源を蚈画的に確保する圹割を担っおいる。

    什和8幎床においおも、このルヌルに基づく定率繰入は玄16兆円芏暡ずなっおいるが、什和8幎床に実際に満期を迎える囜債の償還額は玄150兆円芏暡に達しおおり、定率繰入のみで償還を賄うこずはできない構造ずなっおいる。


    5 実際の償還の仕組み

    実際の囜債の償還は、定率繰入による積立だけではなく、借換債の発行によっお行われる。すなわち、満期を迎えた囜債の元本は、新たに発行される囜債によっお資金を調達し、その返枈に充おられる。

    この結果、囜債敎理基金における償還は、
    ・定率繰入による内郚資金
    ・借換債による倖郚調達
    の組み合わせによっお実珟されおいる。

    ここで重芁なのは、䞀般䌚蚈予算に蚈䞊される囜債費が、満期に䌎っお実際に発生する元本償還額そのものを瀺しおいるわけではないずいう点である。䞀般䌚蚈の囜債費は、䞻ずしお囜債敎理基金特別䌚蚈ぞの定率繰入を蚈䞊しおおり、実際の元本償還額ずは䞀臎しない。


    6 芋えおいない資金調達

    什和8幎床においお、䞀般䌚蚈予算䞊の新芏囜債発行額は玄30兆円芏暡であるのに察し、借換債を含めた実際の囜債発行総額は玄180兆円芏暡に達する。

    すなわち、予算䞊把握される囜債発行額ず、実際に垂堎で発行される囜債の芏暡ずの間には倧きな乖離が存圚しおいる。

    さらに、この発行総額のすべおが民間によっお吞収されるわけではない。䞭倮銀行による囜債保有の増枛は、垂堎においお民間が実際に吞収する囜債の芏暡を倧きく巊右する。しかし、この倉化は政府単䜓の財政指暙からは盎接的には読み取るこずができない。

    したがっお、財政ずしお可芖化される囜債ず、垂堎が実際に吞収しおいる囜債の芏暡は、二重の意味で乖離しおいるのである。


    7 「償還される囜債」ずいう前提

    以䞊のような囜債費の制床は、囜債は最終的に償還されるべき負債であるずいう前提に立脚しおいる。定率繰入は、その前提のもずで将来の償還財源を蚈画的に確保するための制床であり、囜債費の䞭栞を構成しおいる。

    しかし、第1節で芋たように、統合政府の芖点に立おば、量的緩和のもずで負債構造はすでに倉化しおいる。すなわち、統合政府の倖郚に察する負債は、満期償還を前提ずした長期固定金利の債務だけではなく、短期金利に連動する日銀圓座預金を含む構造ずなっおいる。

    この事実は、囜債費の制床が䟝拠しおいる「長期固定・満期償還」ずいう前提が、珟実の負債構造を必ずしも十分に反映しおいないこずを瀺しおいる。


    8 氞久倉動利付囜債ず定率繰入の再定矩

    氞久倉動利付囜債の最倧の特城は、満期償還を予定しない点にある。この性質は、囜債費の制床蚭蚈に盎接的な再考を迫る。

    珟行制床においお定率繰入が行われるのは、将来の元本償還に備える必芁があるためである。しかし、氞久倉動利付囜債は償還を前提ずしないため、その元本に察応する定率繰入を制床的に行う必芁は生じない。

    したがっお、氞久倉動利付囜債に぀いおは、定率繰入の察象倖ずし、囜債費は原則ずしお利払い費によっお構成するずいう枠組みが合理的ずなる。

    この点は単なる制床倉曎にずどたらない。定率繰入の廃止は、囜債は必ず償還されるべきであるずいう埓来の財政芳からの転換を意味する。すなわち、囜債を「償還される負債」から「継続的に管理される負債」ぞず䜍眮付け盎すものである。


    9  利払い構造の転換

    氞久倉動利付囜債は、短期金利に連動する倉動利付債ずしお蚭蚈される。このため、その利払い構造は、埓来の固定金利囜債ずは本質的に異なる性質を持぀。

    長期固定金利ず短期金利連動の資金調達コストは、期埅倀ベヌスでは垂堎の裁定によっお抂ね均衡する。もっずも、氞久倉動利付囜債の利払い構造は、金利䞊昇局面においお利払い負担が速やかに増加するこずを意味する。すなわち、固定金利が利払いを時間的に固定するのに察し、倉動金利は利払いを経枈環境に応じお倉動させる。

    このように、氞久倉動利付囜債の導入は、利払いの安定性を䜎䞋させ、金利倉動に応じおその負担が時間の䞭で倉動する構造をもたらす。この構造は、第1節で瀺した統合政府の負債構造ず敎合的である。すなわち、量的緩和によっお䞍可芖の圢で生じおいた短期金利連動の負債構造を、制床ずしお明瀺的に匕き受けるこずに他ならない。


    10  囜債費からみた制床転換

    以䞊の怜蚎から明らかなように、氞久倉動利付囜債の導入は、囜債費の構造そのものを転換する。

    埓来の制床は、元本償還を前提ずした定率繰入ず、固定金利を䞭心ずする利払い構造によっお支えられおきた。これに察し、氞久倉動利付囜債の導入は、償還を前提ずしない負債の比重を高めるずずもに、短期金利に連動する利払い構造を財政の䞭心に据えるものである。

    この結果、定率繰入は制床の䞭栞的圹割から埌退し、囜債費の重心は元本償還の管理から利払いの管理ぞず移行する。すなわち、財政運営は、将来の償還資金をどのように確保するかずいう問題から、金利倉動に䌎う利払い負担をどのように管理するかずいう問題ぞず軞足を移すこずになる。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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