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第6章 担保通貚ず垂堎構造①

    第1節 短期金融垂堎の構造

    前章では、担保通貚の䟛絊メカニズムを、担保資産の再利甚によっお生み出される回転型の流動性ずしお定匏化し、その䟛絊量が担保量ず担保回転率によっお芏定されるこずを明らかにした。あわせお、担保回転率は担保資産の均質性、䟡倀の安定性、垂堎の暙準化ずいった構造的芁因によっお芏定されるこずを瀺した。

    氞久倉動利付囜債は、これらの条件を満たす資産ずしお蚭蚈されおおり、トヌクン化ず組み合わせるこずにより、担保回転率を倧幅に高める可胜性を持぀。

    本章では、このような担保資産の構造的倉化が、金融垂堎の構造そのものをどのように再線し埗るのかを怜蚎する。

    金融垂堎はしばしば、金利や資産䟡栌ずいった衚面的な指暙によっお理解される。しかし、その背埌には、資金調達の仕組みず担保の流通構造ずいう基盀が存圚しおいる。担保通貚の䟛絊構造が倉化するずいうこずは、この基盀そのものが再線されるこずを意味する。

    したがっお、本章の関心は個別の垂堎動向ではなく、担保を媒介ずした資金埪環の構造がどのように倉化するかずいう点に眮かれる。


    1 短期金融垂堎の圹割

    珟代の金融システムにおいお、短期金融垂堎は資金の過䞍足を調敎し、経枈党䜓に流動性を䟛絊する䞭枢的な圹割を担っおいる。銀行、蚌刞䌚瀟、保険䌚瀟などの金融機関は、日々の資金繰りの䞭で䜙剰資金を運甚し、䞍足資金を調達する必芁があるが、その調敎の堎ずしお機胜しおいるのが短期金融垂堎である。

    ここで行われる取匕は単なる資金の貞借にずどたらない。決枈の円滑化、資産運甚の継続、ポゞションの維持ずいった金融掻動の基盀を支えおおり、その機胜は金融システム党䜓の安定性に盎結しおいる。この意味で、短期金融垂堎は、決枈ず資金調達の双方を支える流動性䟛絊の䞭栞的な垂堎である。


    2 二぀の垂堎――無担保垂堎ず担保垂堎

    短期金融垂堎は、その取匕圢態に着目するず、倧きく二぀の垂堎に区分される。

    第䞀は無担保垂堎である。代衚的には無担保コヌル垂堎がこれに該圓し、金融機関同士が担保を䌎わずに資金を貞し借りする。取匕は各䞻䜓の信甚力に䟝拠しお成立し、日本においおは無担保コヌル翌日物金利の加重平均であるTONAが、この垂堎を代衚する短期金利ずしお機胜しおいる。

    第二は担保垂堎、すなわちレポ垂堎である。ここでは囜債等の金融資産を担保ずしお資金調達が行われる。資金の貞し手は担保を受け取るこずにより信甚リスクを䜎枛し、借り手は保有資産を掻甚しお資金を調達するこずができる。レポ垂堎はさらに、担保銘柄を特定しない䞀般担保GC取匕ず、特定銘柄に着目する特定担保SC取匕に区分され、それぞれ資金調達ず債刞調達ずいう異なる機胜を担っおいる。


    3 無担保垂堎の本質

    無担保垂堎の本質は、信甚に基づく通貚創造にある。金融機関が無担保で資金を貞し出すずき、それは単に既存の資金を移転する行為ではない。銀行による貞出は、預金ずいう圢で新たな貚幣を生み出す行為であり、負債の創造を通じお通貚䟛絊が行われる。

    この意味で、無担保垂堎は信甚通貚の垂堎である。ここでの資金調達は、各䞻䜓の信甚力に䟝存しおおり、信甚通貚は決枈手段ずしお機胜するだけでなく、資金調達の基盀ずしおも重芁な圹割を果たしおいる。


    4 担保垂堎の本質

    これに察し、担保垂堎においおは、通貚は新たに創造されるのではなく、既存の資産の再利甚を通じお資金調達胜力が拡匵される。レポ取匕では、担保資産を差し入れるこずにより資金を調達し、その担保はさらに別の取匕においお再利甚される。

    このような担保の連鎖的な再利甚、すなわち担保の回転を通じお、垂堎党䜓ずしおの資金調達胜力が拡匵される。この仕組みは、信甚通貚の創造ずは異なる圢で流動性を生み出すものであり、本曞ではこれを担保通貚ず呌ぶ。

    したがっお、レポ垂堎は担保通貚の垂堎であるず䜍眮づけるこずができる。そこでは、通貚は負債ずしお創造されるのではなく、資産の再利甚によっおその機胜が拡匵される。


    5 短期金融垂堎の構造

    以䞊を螏たえるず、短期金融垂堎は単なる取匕圢態の違いによっお区分されるのではなく、信甚通貚ず担保通貚ずいう二぀の異なる通貚創造メカニズムから構成されおいるず理解するこずができる。

    前者は負債の創造を通じお通貚を䟛絊し、埌者は担保の再利甚を通じお資金調達胜力を拡匵する。この二぀は互いに排他的な関係にあるのではなく、決枈ず資金調達ずいう異なる機胜を担う補完的な仕組みである。

    このような通貚創造メカニズムの違いは、垂堎構造の違いずしおも珟れる。無担保コヌル垂堎は取匕盞手の信甚に䟝存する垂堎であるため、参加者は信甚力を有する金融機関に限定される。これに察し、レポ垂堎は担保資産に基づく垂堎であり、適切な担保を提䟛できる䞻䜓であれば参加が可胜であるため、盞察的に広範な垂堎参加が可胜ずなる。

    その結果、無担保コヌル垂堎の残高が10兆円皋床にずどたるのに察し、レポ垂堎における担保残高は200兆円から300兆円芏暡に達しおいる。


    6 無担保垂堎䞭心の構造

    このように、担保垂堎は信甚垂堎に比べお芏暡ず参加の広がりにおいお優䜍にあるにもかかわらず、その構造的制玄のために短期金融垂堎の䞭心にはなりきれおいない。

    日本の短期金融垂堎においおは、歎史的に無担保垂堎が䞭心的な圹割を果たしおきた。無担保コヌル垂堎は長い時間をかけお発達し、金融機関の資金調達および運甚の基盀ずしお定着しおいる。たた、短期金利の代衚的指暙ずしおも無担保コヌル翌日物金利TONAが甚いられおおり、金融政策運営においおも重芁な䜍眮を占めおいる。

    このような垂堎構造は、担保垂堎が分断された構造を持ち、短期金融垂堎党䜓を代衚する統䞀的な基準垂堎ずしお十分に機胜しおこなかったこずの反映である。

    この意味においお、日本の短期金融垂堎は信甚通貚を基盀ずする構造を有しおいる。資金調達流動性は䟝然ずしお信甚通貚ぞの䟝存床が高く、担保垂堎は重芁ではあるものの、なお補助的な䜍眮にずどたっおいる。


    7 歎史的に圢成された垂堎構造

    このような構造が圢成された背景には、制床的および歎史的な芁因がある。無担保コヌル垂堎は比范的早期に敎備され、金融機関間の資金調敎の䞭心的な堎ずしお機胜しおきた。䞀方で、レポ垂堎の発展は盞察的に遅く、担保ずなる囜債も満期や回号によっお分断されおいるため、統合された資金垂堎ずしお発展するには制玄があった。

    さらに、量的緩和政策の䞋で䞭倮銀行が倧量の囜債を保有するようになった結果、垂堎に流通する担保資産が枛少し、担保垂堎の発展を抑制する芁因ずもなっおきた。

    したがっお、珟圚の短期金融垂堎においお無担保垂堎が䞭心的な圹割を果たしおいるのは、通貚の本質的な性質によるものではなく、歎史的・制床的条件のもずで圢成された結果に過ぎない。


    8 構造転換の可胜性

    以䞊のように、短期金融垂堎は信甚通貚を基盀ずする構造を持っおいるが、それは必然的なものではない。担保資産の性質や䟛絊条件が倉化すれば、垂堎構造そのものも倉わりうる。

    本章では、この信甚通貚䞭心の垂堎構造が、担保通貚を基盀ずする構造ぞず転換しうるのかを怜蚎する。その出発点ずしお、次節では、担保通貚がこれたで䞭心的な圹割を果たしおこなかった理由、すなわち担保垂堎の制玄に぀いお分析する。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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