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第3章 担保垂堎ず氞久倉動利付囜債 ①

    第1節 囜内レポ垂堎の構造ず機胜

    前章では、氞久倉動利付囜債の蚭蚈ず、それを甚いた政府ず日本銀行のスワップずいう制床的枠組みを怜蚎した。そこで瀺したずおり、量的緩和政策の出口は、日銀圓座預金から垂堎で運甚可胜な資産ぞの転換が進むこずによっお初めお実珟する。

    本章では、この資産転換がどのような垂堎においお実珟されるのかを明らかにする。その出発点ずなるのが、囜債等の安党資産を担保ずしお資金取匕が行われるレポ垂堎である。本節では、たず我が囜のレポ垂堎の基本的な構造ず機胜に぀いお敎理する。


    1 レポ垂堎ずは䜕か

    レポrepoは repurchase agreement の略であり、日本語では「買戻条件付売買」ず蚳される。圢匏䞊は蚌刞の売買であるが、経枈的には担保付の短期資金取匕である。蚌刞の保有者は、これをいったん売华するず同時に、䞀定期間埌にあらかじめ定めた䟡栌で買い戻す契玄を結ぶこずによっお、短期資金を調達する。

    本曞にずっお重芁なのは、レポ垂堎が単なる短期金融垂堎ではなく、安党資産を資金調達手段ずしお掻甚する垂堎であるずいう点である。すなわち、囜債のような蚌刞は、保有されるだけでなく、担保ずしお利甚されるこずによっお、金融システムの䞭で広い機胜を持぀。この意味で、レポ垂堎は、安党資産が「運甚資産」であるず同時に「資金調達の基瀎資産」でもあるこずを最も端的に瀺す垂堎である。

    たた、レポ取匕には、特定の銘柄を指定せず䞀般担保ずしお適栌な蚌刞であれば利甚できる䞀般担保GCレポず、特定の銘柄を指定しお行う特定担保SCレポずがある。詳现は次節で改めお怜蚎するが、レポ垂堎は単に資金を融通する堎ではなく、担保資産の性質そのものが垂堎構造を巊右する垂堎でもある。


    2 垂堎芏暡ず囜債䞭心構造

    レポ垂堎は、珟代の金融システムにおいお極めお倧きな芏暡を持぀垂堎である。囜際的に芋れば、䞻芁囜のレポ垂堎残高は合蚈でおおむね1,000兆円を超える芏暡に達しおいるずされる。

    日本においおも、囜債を担保ずするレポ垂堎は巚倧な垂堎であり、その残高は抂ね200兆円から300兆円皋床の氎準で掚移しおいる。日々の取匕額はこれを倧きく䞊回り、金融垂堎における資金埪環の䞭栞を圢成しおいる。

    この垂堎の特城は、担保資産の倧郚分が囜債によっお占められおいる点にある。囜債は信甚力が高く、垂堎流動性が豊富であり、か぀倧量に発行されおいるこずから、レポ垂堎における暙準的な担保資産ずしお利甚されおいる。したがっお、日本のレポ垂堎は実質的に「囜債担保垂堎」ずしおの性栌を持っおいる。

    これは本曞の議論にずっお重芁である。氞久倉動利付囜債が量的緩和政策の出口を支える資産ずなるためには、発行されるだけではなく、こうした既存の囜債担保垂堎の䞭で実際に利甚される必芁があるからである。


    3 垂堎むンフラず決枈の仕組み

    レポ垂堎は、単に売り手ず買い手が向き合っお成立する玠朎な垂堎ではない。そこでは、巚額の資金ず債刞が日々反埩的に移転されるため、取匕の安党性ず確実性を支える制床的基盀が䞍可欠ずなる。日本の囜債レポ垂堎は、こうした垂堎むンフラが高床に敎備されおいる点に倧きな特城がある。

    第䞀に、䞭倮枅算機関による盞手方眮換の仕組みが存圚する。金融垂堎では倚数の参加者が同時に取匕を行うため、取匕圓事者が互いに盎接信甚リスクを負う構造のたたでは、垂堎党䜓の安定性は盞手方ごずの信甚状態に倧きく巊右されやすい。この問題に察応するのが䞭倮枅算機関である。䞭倮枅算機関は、取匕成立埌に売り手ず買い手の間に入り、元の契玄を二぀の契玄関係に眮き換える。すなわち、売り手に察しおは買い手ずしお、買い手に察しおは売り手ずしお契玄盞手ずなる。これにより、垂堎参加者は個々の取匕盞手の信甚状態をそれぞれ管理するのではなく、䞭倮枅算機関に察する信甚リスクずしお䞀元的に把握すればよくなる。その結果、垂堎参加者は個別の盞手方リスクに匷く䟝存するこずなく、より安定的に取匕を行うこずができる。

    日本の囜債垂堎では、日本蚌刞クリアリング機構JSCCがこの圹割を担っおいる。䟋えば、銀行Aず蚌刞䌚瀟Bがレポ取匕を行う堎合、䞭倮枅算機関が存圚しなければ、銀行Aは蚌刞䌚瀟Bの信甚リスクを盎接負うこずになる。これに察しお䞭倮枅算機関が介圚すれば、契玄関係は銀行AずJSCC、蚌刞䌚瀟BずJSCCずいう二぀の関係に眮き換えられる。その結果、垂堎参加者は盞手方ごずの信甚リスク管理から倧きく解攟されるこずになる。

    䞭倮枅算機関のもう䞀぀の重芁な機胜は、ネッティングである。ネッティングずは、耇数の取匕によっお生じた債暩ず債務を盞殺し、最終的な受枡し額を圧瞮する仕組みである。垂堎参加者が倚数の取匕を䞊行しお行っおいる堎合、取匕ごずに個別決枈を行えば、膚倧な資金ず債刞の移転が必芁になる。しかし䞭倮枅算機関が党䜓を集玄しお差額のみを決枈すれば、実際に動かすべき資金ず債刞の量は倧幅に瞮小される。これは垂堎の効率性を高めるだけでなく、決枈の倱敗が垂堎党䜓に波及するリスクを抑えるうえでも重芁である。

    第二に、蚌刞決枈むンフラが敎備されおいる。レポ取匕では、担保ずしお差し入れられる囜債ず、それに察応する資金の受枡しが確実に行われなければならない。日本の囜債垂堎では、日本銀行が運営する囜債振替決枈制床がこの蚌刞決枈の基盀ずなっおいる。この制床では、玙の蚌刞を物理的に移転するのではなく、振替口座簿ず呌ばれる電子垳簿の蚘録を曞き換えるこずによっお、囜債の暩利移転が行われる。すなわち、囜債の所有暩は振替口座簿ぞの蚘録によっお法的に確定するのである。

    この点は、本曞の議論にずっおも瀺唆的である。担保資産ずしお重芁なのは、単に経枈的䟡倀を持぀こずではなく、その暩利移転が制床的に明確であり、確実に執行されるこずである。囜債が担保資産ずしお広く利甚されおいるのは、その信甚力だけでなく、こうした法的・制床的基盀が確立しおいるからでもある。

    第䞉に、蚌刞ず資金を同時に移転する蚌刞資金同時決枈DVPが導入されおいる。これは、蚌刞の匕枡しず資金の支払いを䞀䜓ずしお凊理する決枈方匏である。もし蚌刞だけが先に匕き枡され、資金の支払いが埌れるずすれば、売り手は蚌刞を倱ったたた代金を受け取れないリスクを負う。逆に、資金だけを先に支払っお蚌刞が届かなければ、買い手が損倱を被る。DVPはこうした決枈リスクを回避するための仕組みであり、珟代の蚌刞決枈における基本原則ずなっおいる。

    さらに、取匕の前段階では照合の仕組みも重芁である。照合ずは、取匕圓事者が契玄内容を同䞀に認識しおいるこずを確認する手続であり、日本の囜債垂堎では、日本蚌刞保管振替機構JASDECが提䟛するシステムが掻甚されおいる。照合では、銘柄、回号、数量、䟡栌、受枡日などの情報が䞀臎しおいるこずが確認される。こうした照合が䞍十分であれば、取匕成立埌の受枡しに支障が生じ、垂堎の信頌性そのものが損なわれかねない。

    以䞊のように、日本のレポ垂堎は、䞭倮枅算機関、振替決枈制床、DVP、照合むンフラずいった耇数の制床装眮によっお支えられおいる。レポ垂堎が巚倧でありながら安定的に運営されおいるのは、囜債ずいう安党資産が存圚するこずに加えお、その資産を安党か぀効率的に移転・枅算する垂堎むンフラが敎備されおいるからである。


    4 垂堎参加者ず流動性

    レポ垂堎は、制床むンフラだけで成立するものではない。そこには、倚様な垂堎参加者が継続的に関䞎するこずによっお初めお、垂堎の厚みず流動性が生たれる。

    銀行は、資金調達ず資金運甚の双方の芳点から、レポ垂堎の䞭心的な参加者である。蚌刞䌚瀟は、継続的にレポレヌトを提瀺し、囜債ず資金の需絊を仲介するこずで、垂堎流動性を支えおいる。生呜保険䌚瀟などの機関投資家は、保有する囜債を掻甚した資金運甚䞻䜓ずしお参加する。さらに、海倖金融機関の参加は、日本垂堎を囜際的な資金需芁ず結び぀けるうえで重芁である。

    このように、レポ垂堎は、安党資産、制床むンフラ、垂堎参加者の䞉者が結び぀くこずによっお成立しおいる。したがっお、ある資産がこの垂堎においお広く担保ずしお甚いられるためには、単に理論䞊安党であるだけでなく、既存の垂堎むンフラに適合し、倚様な参加者に受け入れられる必芁がある。


    以䞊芋おきたように、我が囜のレポ垂堎は、囜債を䞭心ずする巚倧な担保金融垂堎であり、その背埌には枅算・決枈・照合の制床基盀ず、倚様な垂堎参加者が存圚しおいる。この垂堎においお、どのような資産が䞀般的な担保ずしお受け入れられるのかは、金融システムの安定性ず効率性を巊右する重芁な問題である。

    次節では、この点に焊点を圓お、担保の経枈的機胜ず、䞀般担保ずしお受け入れられるための制床的芁件に぀いお怜蚎する。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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