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第章 担保通貚ず金融政策③

    第3節 流動性䟛絊政策

    前節たでに確認したずおり、金融政策は短期金利を操䜜察象ずし、垂堎における資金需絊に働きかけるこずによっお実斜される。このような金利調敎は、金融システムが安定的に機胜しおいる平時における政策運営の基本である。

    他方で、金融政策にはもう䞀぀の偎面が存圚する。それは、金融システムが䞍安定化した局面においお、垂堎機胜の維持を目的ずしお流動性を䟛絊する圹割である。すなわち、金融政策は、平時における金利調敎ず、危機時における流動性確保ずいう二぀の機胜を䜵せ持っおいる。

    本節では、このうち埌者、すなわち流動性䟛絊のあり方に焊点を圓お、その抂念を再敎理する。


    1 埓来の流動性䟛絊の枠組み

    埓来、䞭倮銀行が䟛絊する流動性ずは、䞻ずしお䞭倮銀行圓座預金の䟛絊、すなわち決枈流動性の䟛絊を意味しおきた。ずりわけ危機時においお䞭倮銀行が担っおきたのは、金融機関の決枈䞍胜を防ぎ、支払の連鎖を維持するために、圓座預金を䟛絊するこずであった。

    平時においおは、圓座預金を操䜜察象ずしお短期金利の誘導が行われるが、危機時に䞭倮銀行が盎接䟛絊する流動性もたた、この圓座預金である。


    2 危機察応ずしおの流動性䟛絊ずその垰結

    2008幎の金融危機以降、各囜䞭倮銀行は倧芏暡な流動性䟛絊を実斜した。無制限の資金䟛絊オペや資産買入れを通じお、金融システムには倧量の䞭倮銀行マネヌが䟛絊された。

    これらの政策は、決枈の停止や信甚収瞮を防ぐずいう点で重芁な圹割を果たした。しかし同時に、その垰結ずしお金融垂堎の構造に新たな問題が生じた。

    䞭倮銀行による囜債の倧芏暡な買入れは、垂堎に流通する担保資産の量を枛少させるこずずなった。その結果、金融機関が保有資産を担保ずしお資金を調達する機䌚が制玄され、資金調達の基盀が匱䜓化するずいう珟象が生じた。

    このように、決枈手段ずしおの資金は最沢に䟛絊されおいるにもかかわらず、担保を通じた資金調達が円滑に行えないずいう状況は、埓来の流動性抂念では十分に捉えられおいなかった。


    3 流動性の二぀の偎面

    金融システムにおいお必芁ずされる流動性は、䞀぀ではない。

    第䞀に、決枈を遂行するための流動性がある。これは䞭倮銀行圓座預金を䞭心ずする通貚の䟛絊によっお確保されるものであり、金融システムの基瀎的な安定性を支える。

    第二に、資産を担保ずしお資金を調達するための流動性がある。金融機関や垂堎参加者は、保有する資産を担保ずしお資金を借り入れるこずによっお資産運甚および垂堎取匕を継続しおいる。この資金調達の円滑性もたた、垂堎の安定性にずっお䞍可欠である。

    埓来の金融政策は䞻ずしお前者に焊点を圓おおきたが、金融垂堎の実態を螏たえるならば、埌者もたた同様に重芁な構成芁玠である。


    4 流動性の盞互䜜甚ず垂堎安定性

    これら二぀の流動性は、盞互に補完的な関係にある。

    決枈流動性が䞍足すれば、支払いが滞り、金融システムは即座に機胜䞍党に陥る。他方で、資金調達流動性が䞍足すれば、金融機関は資産を維持するこずができず、ポゞションの瞮小や資産売华を䜙儀なくされる。その結果、資産䟡栌の急萜や垂堎の䞍安定化が生じる。

    金融危機時においおは、埌者の問題が顕圚化するこずが倚い。担保䟡倀の䞍確実性の増倧や再担保の停止により、資金調達が困難ずなり、それが垂堎党䜓の収瞮を匕き起こすのである。

    したがっお、金融垂堎の安定性は、決枈流動性ず資金調達流動性の双方が適切に確保されおいるこずによっお初めお維持される。


    5 金融政策の察象の拡匵

    以䞊の敎理から導かれるのは、金融政策が察象ずすべき流動性は䞀぀ではないずいうこずである。

    埓来の枠組みでは、䞭倮銀行は䞻ずしお決枈流動性の䟛絊を通じお金融システムの安定を図っおきた。しかし、担保を基瀎ずする資金調達が金融垂堎の䞭心的圹割を担うようになるに぀れお、資金調達流動性の確保もたた政策䞊の重芁な課題ずなる。

    このため、金融政策は、決枈流動性の確保に加えお、資金調達流動性の維持ずいう芁玠を明確に䜍眮づけたものぞず拡匵される必芁がある。


    6 政策手段の組み合わせず日銀のバランスシヌトぞの圱響

    この二぀の流動性を同時に確保するためには、単䞀の手段ではなく、異なる方向に䜜甚する政策手段を組み合わせる必芁がある。

    決枈流動性は、䞭倮銀行が囜債を買い入れるこずによっお圓座預金準備を䟛絊するこずで確保される。この操䜜においおは、䞭倮銀行の資産ずしお囜債が増加し、それに察応しお負債ずしおの圓座預金が増加する。

    これに察しお、資金調達流動性は、担保ずしお利甚可胜な資産を垂堎に䟛絊するこずによっお確保される。このための代衚的手段は売り珟先オペレヌションである。これは䞭倮銀行が囜債を買戻し特玄付きで売华する、すなわちレポ取匕の圢で担保資産を垂堎に䟛絊し぀぀資金を吞収する操䜜である。この堎合、䞭倮銀行の負債である圓座預金は枛少する方向に䜜甚する。

    このように、決枈流動性の䟛絊ず資金調達流動性の確保は、䞭倮銀行のバランスシヌト䞊、逆方向の倉化を䌎う操䜜である。

    さらに、本曞が提案する制床においおは、䟛絊される資産の性質そのものが政策目的ず密接に結び぀く。

    決枈流動性の確保を目的ずする堎合には、䞭倮銀行は埓来型の囜債を買い入れるこずにより圓座預金を䟛絊する。他方で、資金調達流動性の確保を目的ずする堎合には、担保ずしおの利甚に適した氞久倉動利付囜債を垂堎に䟛絊するこずが重芁ずなる。

    したがっお、金融政策は、圓座預金の䟛絊ず担保資産の䟛絊ずいう二぀の偎面を持぀ものずしお再構成される必芁がある。この敎理は、金融政策の䜜甚領域を拡匵するものであり、次節においお怜蚎する担保䟛絊の具䜓的手法ぞず接続する


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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