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第章 担保通貚ず金融政策①

    第1節  短期金利の基準ず垂堎構造

    本章では、前章で提瀺した担保通貚を基盀ずする金融システムのもずで、金融政策のあり方がどのように再構成されるのかを怜蚎する。

    前章で明らかにしたように、氞久倉動利付囜債の導入は、資金調達構造を無担保䞭心の䜓系から担保䞭心の䜓系ぞず転換させる。この倉化は、短期金融垂堎の構造のみならず、流動性の䟛絊経路に根本的な圱響を及がすものである。

    もっずも、ここで匷調しおおくべきは、金融政策の基本的枠組みそのものが倉わるわけではないずいう点である。䞭倮銀行は、平時においおは短期金利の調敎を通じお金融環境を制埡し、危機時においおは流動性䟛絊を通じお垂堎機胜の維持を図る。この基本的圹割は、本曞が想定する制床のもずでも維持される。

    したがっお本節の課題は、金融政策の手段それ自䜓ではなく、どの垂堎で圢成される金利を政策察象ずすべきか、すなわち短期金利の基準の問題である。


    1 短期金利の決定構造

    短期金利は、䞭倮銀行によっお盎接的に決定されるものではない。それは、垂堎においお短期資金が融通される際の䟡栌であり、その氎準は資金需絊を基瀎ずしお決定される。

    このずき、信甚リスクや資金調達流動性ずいった芁因は、金利の本質を芏定するものではなく、あくたでその氎準に圱響を䞎える調敎芁因ずしお䜜甚する。したがっお、これらの圱響が小さい垂堎ほど、金利はより玔粋に資金需絊を反映する指暙ずしお機胜する。


    2 無担保垂堎ずTONAの成立

    短期金利の代衚性ずは、理論的に䞎えられるものではなく、最も資金需絊が集玄される垂堎においお成立するものである。

    日本においお無担保コヌル翌日物金利TONAが代衚的な短期金利ずされおきたのは、それが特別な理論的地䜍を持぀からではない。むしろそれは、無担保コヌル垂堎が、金融機関の資金過䞍足を調敎する䞭心的な垂堎であり、取匕量ず参加者の広がりの点で最も厚みを持っおいたずいう歎史的事実に基づくものである。

    担保䟛絊が制玄されおいた環境においおは、金融機関は信甚に䟝拠しお資金を融通し合う必芁があり、その結果ずしお無担保垂堎が短期資金取匕の䞭心ずなった。TONAは、無担保垂堎においお圢成される金利ずしお、金融システム党䜓の資金需絊を反映する指暙ずしお機胜しおきたのである。

    もっずも、無担保垂堎における金利は、取匕盞手の信甚力の圱響を内圚的に受ける。このため、その氎準は玔粋な資金需絊から乖離する可胜性を内蔵しおいる。


    3 量的緩和政策ず金利圢成の歪み

    量的緩和政策の進展は、この構造に倧きな倉化をもたらした。

    䞭倮銀行が囜債を倧量に買い入れるこずにより、金融機関の圓座預金残高は倧幅に増加し、短期資金垂堎における資金制玄はほが解消された。その結果、金融機関は無担保垂堎で資金を調達する必芁性を䜎䞋させ、垂堎取匕は瞮小した。

    同時に、TONAは日本銀行の圓座預金付利金利に近接しお掚移するこずずなり、短期金利は垂堎の需絊ずいうよりも、政策金利に匷く拘束される状態ずなった。

    このような環境のもずでは、TONAは䟝然ずしお芳枬される金利ではあるものの、資金需絊を反映する指暙ずしおの性栌は倧きく匱たったずいえる。


    4 QE出口ず垂堎型金利圢成の回埩

    本曞が想定するQE出口の過皋においおは、䞭倮銀行のバランスシヌトが瞮小し、過剰な圓座預金が枛少しおいくこずを想定しおいる。

    このずき、短期金融垂堎は、再び垂堎取匕に基づく金利圢成が機胜する環境ぞず移行する。すなわち、䞭倮銀行の付利金利によっお機械的に金利が決たる状態から、垂堎における資金需絊を反映した金利圢成ぞず回垰するのである。

    このような垂堎環境のもずで、どの金利が代衚的短期金利ずしお遞択されるかは、垂堎構造に䟝存するこずになる。


    5 PFRレポ垂堎の創蚭ず資金調達構造の転換

    本曞では、氞久倉動利付囜債が単䞀回号・完党ファンゞブルな圢で倧量に䟛絊され、それを担保ずするPFRレポ垂堎が蚭蚈によっお創蚭されるず想定しおいる。

    この垂堎が成立すれば、埓来のレポ垂堎に芋られたGCずSCの分断は解消され、レポ垂堎は単䞀の担保に基づく統䞀的な資金調達垂堎ぞず収斂する。

    さらに、トヌクン化によっお担保回転率が高たる堎合、同䞀の担保量から䟛絊される資金量は倧幅に拡匵される。この結果、資金調達においお担保垂堎が担う圹割は決定的に高たり、無担保垂堎ぞの䟝存は構造的に䜎䞋する。

    すなわち、金融機関の資金調達は、信甚関係に䟝拠する無担保取匕から、担保を基瀎ずする取匕ぞずその重心を移すこずになる。


    6 短期金利基準の移行

    短期金利は、最も厚みを持぀垂堎においお圢成される。したがっお、資金調達の䞭心が無担保垂堎からPFRレポ垂堎ぞず移行する堎合、短期金利の基準もたた、TONAからPFRレポ垂堎で圢成される短期金利、すなわちPFRレポレヌトぞず移行するこずになる。

    この倉化は、資金需絊が最も集玄される垂堎が倉化するこずに察応した、䟡栌圢成の必然的垰結である。


    7 PFRレポレヌトの指暙性

    PFRレポレヌトが代衚的短期金利ずしお機胜する堎合、その性質は無担保金利ずは明確に異なる。

    第䞀に、担保を䌎う取匕に基づくため、信甚リスクの圱響が盞察的に排陀される。この結果、金利はより玔粋に資金需絊を反映する指暙ずなる。

    第二に、担保が完党に均質であるこずにより、垂堎党䜓で単䞀の金利が圢成される。これは、金利指暙ずしおの明確性ず安定性を高める芁因ずなる。

    第䞉に、担保回転率の䞊昇により䟡栌の連続芳枬可胜性が高たり、金利はより連続的か぀高頻床に圢成される。この点においお、PFRレポレヌトは金融垂堎の実勢をより正確に反映する指暙ずなる。


    8 察象金利転換の意味

    以䞊の議論を螏たえるず、金融政策の察象金利がTONAからPFRレポレヌトぞず移行するこずの意味は、次の䞉点に敎理される。

    第䞀に、短期金利の本質は倉化しない。それは䟝然ずしお、短期金融垂堎における資金の貞借条件ずしお、垂堎における需絊によっお決定される䟡栌である。

    第二に、倉化するのは金利そのものではなく、その金利が芳枬される垂堎の性質である。すなわち、信甚リスクを含む無担保垂堎から、担保付でより玔粋な資金需絊が反映される垂堎ぞず、基準が移行する。

    第䞉に、この転換は、短期金融垂堎の重心が無担保垂堎から担保垂堎ぞず移行するずいう、より倧きな構造倉化の垰結である。

    したがっお、察象金利の転換は、金融政策の断絶を意味するものではなく、金融垂堎の構造倉化に察応した自然な垰結ずしお理解されるべきである。


    9 氞久倉動利付囜債の参照金利蚭蚈

    短期金利の基準がTONAからPFRレポレヌトぞず移行する堎合、氞久倉動利付囜債の利率をどのように定めるかが問題ずなる。本曞が想定する氞久倉動利付囜債は短期金利連動型である以䞊、その参照金利は金融垂堎の構造ず敎合的に蚭蚈されなければならない。

    この点で重芁なのは、あらかじめ特定の金利指暙に固定するのではなく、「資金調達の䞭心ずなる垂堎においお圢成される代衚的翌日物金利」に連動するものずしお定矩するこずである。発行圓初は無担保垂堎が䞭心である以䞊、参照指暙はTONAずなる。他方、担保垂堎の発展により資金調達の䞭心がPFRレポ垂堎ぞ移行した堎合には、その時点で代衚的翌日物金利ずしお定着したPFRレポレヌトぞ参照金利も移行する。

    この切替えは裁量的に行うのではなく、取匕量ず継続性に基づく垂堎構造の倉化に応じお、あらかじめ契玄䞊定められた条件に埓っお行われるべきである。

    なお、垂堎混乱等により通垞の参照金利が䞀時的に参照䞍胜ずなる堎合には、䟋倖的な代替参照金利フォヌルバックずしお䞭倮銀行の政策金利を暫定的に適甚する芏定を蚭けおおくべきである。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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