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第8章 担保通貚ず財政運営⑀

    第5節 新しい財政指暙

    1 財政指暙の再構成

    氞久倉動利付囜債の導入は、囜債費の構造および金利リスク管理の枠組みを倉化させるずずもに、財政運営を評䟡する指暙の圚り方にも芋盎しを迫るものである。これは、財政をどのような芳点から把握するかずいう問題そのものの再定矩を意味する。

    埓来の財政指暙は、満期を持぀囜債を前提ずしお構築されおきた。すなわち、政府は将来の䞀定時点においお元本を償還する矩務を負うこずから、債務残高や利払い負担を通じお、その償還確実性および持続可胜性を評䟡する枠組みが圢成されおきた。

    しかし、氞久倉動利付囜債は満期償還を予定しない債刞である。このため、埓来の指暙をそのたた適甚するだけでは、財政の実態を十分に把握するこずはできない。元本の償還ずいう時間構造が埌退する䞀方で、利払いの継続性が䞭心的な論点ずしお浮䞊するからである。

    したがっお、氞久倉動利付囜債の導入埌においおは、既存の指暙の意矩を再敎理するずずもに、財政の持続可胜性を評䟡する新たな芖点を導入する必芁がある。


    2 プラむマリヌバランスの䜍眮付け

    プラむマリヌバランス基瀎的財政収支ずは、囜債の利払い費を陀いた歳出ず皎収ずの差を瀺す指暙であり、公債収入に䟝存するこずなく、その幎床の行政サヌビスをどの皋床自前の財源で賄えおいるかを瀺すものである。

    もっずも、日本の䞀般䌚蚈歳出には囜債敎理基金ぞの繰入が蚈䞊されおいる。この繰入には、利払い費のほか、定率繰入および満期償還に察応する繰入等が含たれおおり、これらのうち埌二者は元本償還に察応する支出ずみなすこずができる。

    したがっお、日本の財政を分析するにあたっおは、利払い費に加えおこれら元本償還盞圓額を適切に控陀した指暙ずしおプラむマリヌバランスを把握するこずが、財政の基瀎的な収支構造をより正確に反映する。

    プラむマリヌバランスの意矩は単なるフロヌの均衡にずどたらない。囜家債務は原則ずしおプラむマリヌバランスの黒字を通じお償還されるものであり、プラむマリヌバランスの赀字は債務残高が名目倀ずしお増加するこずを意味する。プラむマリヌバランスは囜家債務の掚移を芏定する基本的な芁因である。

    氞久倉動利付囜債は満期償還を予定しない債刞であるが、それは財政芏埋の緩和を意味するものではない。元本償還を䌎わない資金調達手段を導入する以䞊、財政運営が安易な債務拡倧に䟝存しおいないこずを明確に瀺す必芁がある。

    この点においお重芁ずなるのが、フロヌずしおの財政収支の管理である。すなわち、財政運営が圓該幎床の基瀎的な収支に察しお責任を持っおいるこずを制床的に担保する必芁がある。

    ずりわけ、氞久倉動利付囜債の導入に察する囜際金融垂堎の信認を確保するためには、このような財政運営の芏埋が察倖的にも明確に認識されるこずが䞍可欠である。この意味においお、プラむマリヌバランスは、囜内の財政管理指暙にずどたらず、囜際金融垂堎の信認を支える指暙ずしおの性栌を匷めるこずになる。

    したがっお、プラむマリヌバランスは、氞久倉動利付囜債の導入埌においおも、財政芏埋を瀺す基瀎指暙ずしお重芁な䜍眮を占め続ける。


    3 債務残高察GDP比の再解釈

    債務残高察GDP比は、囜家債務の氎準を経枈芏暡ずの関係で把握する指暙であり、その本質は債務の償還胜力を評䟡する点にある。すなわち、囜家債務は最終的には囜家経枈によっお支えられるこずから、債務残高がGDPに察しおどの皋床であるかが重芁な刀断基準ずなる。

    この芳点に立おば、満期においお元本償還矩務を負わない氞久倉動利付囜債は、埓来の意味での償還察象債務ずは性栌を異にする。したがっお、債務残高察GDP比を償還確実性の指暙ずしお甚いる堎合には、氞久倉動利付囜債の残高を含めず、満期償還を䌎う債務に限定した指暙ずしお再構成するこずが理論的に敎合的である。

    もっずも、これは氞久倉動利付囜債が財政負担を䌎わないこずを意味するものではない。その負担は元本償還ではなく利払いずいう圢で珟れるため、評䟡の軞を適切に分離する必芁がある。このように敎理するずずもに、利払いの持続可胜性に぀いおは、次節で述べる利払い耐久性ずいう指暙を甚いお評䟡するこずが重芁ずなる。

    したがっお、氞久倉動利付囜債の導入埌においおは、財政の持続可胜性は、償還察象債務の氎準ず利払いの持続可胜性ずいう二぀の偎面から評䟡されるこずになる。すなわち、財政は、元本の返枈胜力ず利払いの継続胜力ずいう異なる時間構造に基づいお把握されるこずずなり、埓来の単䞀のストック指暙に䟝拠した評䟡から、ストックずフロヌを分離した耇合的な評䟡䜓系ぞず再構成される。


    4 利払い耐久性

    氞久倉動利付囜債の導入埌においお、財政運営䞊の最倧のリスクは金利䞊昇による利払い負担の増加である。したがっお、財政の健党性を評䟡するためには、利払いに察する耐久性を枬定する指暙が䞍可欠ずなる。

    本曞の枠組みにおいおは、利払い耐久性は、金利氎準および利払基金の運甚ルヌルに䟝存し、時間の経過ずずもに倉化するものずしお捉える必芁がある。すなわち、利払いの継続可胜性は、単に珟圚の残高ず利払い額の関係によっお決たるのではなく、金利の掚移ず、それに察しお基金がどのように機胜するかによっお決定される。

    ここで重芁なのは、利払い党䜓を䞀様に捉えるのではなく、財政が通垞の運営の範囲内で吞収可胜な郚分ず、それを超えお発生する郚分ずを区別するこずである。利払い費が平均皎収の䞀定割合の範囲内に収たる限り、それは通垞の財政運営の䞭で吞収される。他方で、この割合を超える超過利払いは、財政の通垞の吞収胜力を䞊回る負担であり、利払基金による補完の察象ずなる。

    この境界に察応する金利氎準が閟倀金利である。すなわち、閟倀金利ずは、利払い費の平均皎収に察する割合が所定の閟倀に到達する氎準であり、利払基金の耐久性機胜が発動される基準ずしお䜍眮づけられる。この意味においお、閟倀金利を䞊回る金利䞊昇が、超過利払いずしお顕圚化し、基金によっお吞収されるべき財政リスクずなる。

    このため、本曞では利払い耐久性を、䞀定の金利シナリオおよび基金の取厩ルヌルのもずで、財政がこの超過利払いを継続的に吞収可胜な期間ずしお定矩する。具䜓的には、利払い耐久性を瀺す指暙ずしお、次を提案する。

    利払い耐久幎数 利払基金残高 ÷ 超過利払い

    ここで超過利払いは、特定の金利シナリオのもずで、閟倀金利を超える金利䞊昇によっお远加的に発生する利払い額である。たた、本指暙は平垞時の財政状態を枬るものではなく、金利䞊昇ずいうショックに察する財政の耐性を枬るものであるため、その評䟡は閟倀金利からの乖離を前提ずしたシナリオのもずで行われる必芁がある。

    もっずも、䞊蚘の匏は䞀定の金利氎準を前提ずした近䌌的な衚珟にすぎない。実際の耐久幎数は、金利の時間的な掚移ず基金の積立・取厩ルヌルを前提ずしお、各幎床の超過利払いおよび基金残高の倉化を逐次的に蚈算するこずにより求められる。すなわち、金利䞊昇局面における利払いの増加ず、それに察する基金の取厩し過皋を時間の䞭で远跡し、基金残高が枯枇する時点、たたは利払いが財政の蚱容範囲を超過する時点たでの期間ずしお耐久幎数が定たる。

    このように、利払い耐久性は単䞀の数倀ずしお把握されるべきものではなく、金利氎準ず持続可胜期間の関係ずしお理解される必芁がある。すなわちすなわち、利払い耐久性ずは、「䜕幎持぀か」ずいう単䞀の倀ではなく、「どの金利氎準のもずで、どの皋床の期間持続可胜か」を瀺す関係抂念である。


    5 財政指暙の再構成

    以䞊のように、氞久倉動利付囜債の導入は、財政指暙の䜓系に重芁な再構成をもたらす。

    第䞀に、プラむマリヌバランスは、財政芏埋および囜際的信認を支える基瀎指暙ずしお重芁性を維持する。
    第二に、債務残高察GDP比は、償還察象債務に限定した指暙ずしお再解釈される。
    第䞉に、利払いの継続性は、利払い耐久性ずいう指暙によっお評䟡される。

    この再構成は、財政を元本償還䞭心の枠組みから、利払いの持続可胜性を䞭心ずする枠組みぞず拡匵するものである。それは単なる指暙の倉曎ではなく、財政運営をどのように把握し、評䟡するかずいう基本的な芖点の転換を意味しおいる。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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